「†クラウド†」「KURAUDO」を名乗っていた人に聞く思春期のエピソード こうして俺たちは“クラウドになった”勝手にFFVIIリメイク発売記念(3/3 ページ)

» 2020年03月02日 19時00分 公開
[戸部マミヤねとらぼ]
前のページへ 1|2|3       

クラウドとの出会いが人生を変えた ゲームを禁止されていた少年がプロプレイヤーに

 今回の取材でお話を伺った皆さんは、クラウドとして活動していた時期の痛々しさを認めながらも、同時に「それでも楽しかった」「後の恥ずかしさも含めていい思い出」「クラウドが好きであることは今でも変わらない」とポジティブに受け入れている方ばかりだった。

 中でもプロカードゲームプレイヤーあむ(@4mutaaaN)さんは、「FFVII」やクラウドとの出会いが、現在の生き方につながったと話す。



――あむさんは、自身のnoteでもFFVIIの思い出を綴っています。テレビゲーム禁止の家庭で育ち、ほとんどゲームを遊んだことがない状態でFFVIIに出会ったとのことですが、どのような印象を受けましたか?

あむさん とにかく衝撃的でした。魔晄炉に囲まれたミッドガル、ダークで大人っぽいストーリー、そして何よりクラウドのかっこよさ。一瞬で虜になりました。

――クラウドのどこに惹かれましたか?

あむさん 見た目ももちろんですが、戦闘終了後にバスターソードをくるくる回したり、「興味ないね」と言い放ったり、しぐさやセリフも大好きでした。小学2年生だった自分には全く新しいヒーロー像で、非常に影響されましたね。

――例えばどのように?

あむさん 電車の窓から見える景色にクラウドを走らせていました

――あの、普通は忍者に走らせるアレを。FFVIIとの出会いはその頃でしたが、クリアまでにはしばらくかかったそうで。

あむさん そうですね。FFVIIをプレイしていた叔母の家にはメモリーカードが無かったんです。中学生に上がり、テレビゲームが解禁されたことでようやくエンディングにたどり着けました。長年ミッドガルを出ることすら叶わなかったので、広大なワールドマップを見て胸が熱くなりました。

 当時の感動があったからこそ、ゲーム関係の仕事に就くことが出来たのだと思います。



――FFVIIが原体験になり、人生そのものを決定づけたのですね。

あむさん  キャラクターの名前を名乗る背景には、単なる憧れや同一視だけじゃなくて、自分の可能性への期待みたいな要素も存在すると思っています。彼・彼女みたいに強く、かっこよくなれるかもしれない。そんなモチベーションが人生を動かすきっかけになることもあるのではないでしょうか。

――ありがとございます。最後にリメイク版に期待することはありますか?

あむさん  正直、最後までリリースしてくれればもうそれで満足……。リメイク第一部はミッドガル脱出まで、第二部の発売にはまた数年単位で時間がかかるのだろうと思います。普通ならもどかしさを感じるのかもしれませんが、僕の場合は子供の頃と重なって、どこか懐かしい気持ちになれるんです。




 子どものころはクールで無機質な側面ばかりかっこよく見えるクラウドだが、大人になってから「FFVII」本編を遊んでみると、複雑な境遇やパーソナリティーが織りなす多層的な魅力に気付かされる。クールで無機質なだけのイケメンは幼馴染のパンツを盗まないので。

 入り口は「中二病」だったとしても、10年、20年と変わらずに好きでいられる懐の深さが、クラウドを世界的キャラクターの地位にまで押し上げたのだろう。

 今回のリメイクに対して筆者が期待するのは、アドベントチルドレン以降のクラウドではない、本編のクラウドをちゃんと描いてほしい、ただそれだけだ。

 「ファイナルファンタジーVII リメイク」は4月10日発売。改めて、クラウドになってみませんか?


執筆者:戸部マミヤ

戸部マミヤ プロフィール

編集者。ライター。学生時代はクラウドに憧れて女装していた。好きなマテリアは「ついかこうか」。

Twitter:@alicetroemeria



前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2501/28/news195.jpg 岡田紗佳、一連の騒動を生中継で謝罪 頭を深く下げ「申し訳ございませんでした」
  2. /nl/articles/2501/28/news155.jpg がん闘病の森永卓郎、容態急変後にモルヒネ投与で“結構厳しい状況” スタジオ出られず弱々しい声で「そう長く持たないかもしれない」「本格的に転移が始まったよう」
  3. /nl/articles/2501/29/news045.jpg 新潟のお葬式で香典返しにもらった“謎の白い物体” パッケージにも情報なし「これなんだかわかりますか?」
  4. /nl/articles/2501/26/news053.jpg 「立体的に円柱を描きなさい」→中1の“斜め上の解答”に反響「この発想は天才」「先生の優しさも感じます」 投稿者に話を聞いた
  5. /nl/articles/2501/29/news086.jpg 鮮魚店で売れ残ったタコを水槽に入れたら、数週間後まさかの展開が…… 胸を打つ光景に「目が腫れるくらい泣いてます」
  6. /nl/articles/2501/28/news034.jpg 大人なら5秒で解きたい!「9+0÷2−3」の答えは?【算数クイズ】
  7. /nl/articles/2501/29/news058.jpg 「うちの祖父(81)わけてほしいわこのセンス……」 衝撃的な私服コーデに驚きの声「本物のイケジイ」「目標にします!!」
  8. /nl/articles/2501/29/news023.jpg 買ったばかりの家の風呂場に”ありえない欠陥” 信じられない状況に「そんなことある?」「取り付けた業者……」
  9. /nl/articles/2501/27/news073.jpg 「昔はモテた」と自慢げな父→娘は“絶対ウソやん”と思っていたけど…… 当時の姿に「ハハハ冗談だろ?」【海外】
  10. /nl/articles/2501/29/news122.jpg 正方形のスカーフ1枚→切ってゴムを縫い付けるだけで…… 魅力的な完成品に「デザインがきれい」「簡単に作れました」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
  2. DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
  3. 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議
  4. スーパーで買った半玉キャベツの芯を植え、5カ月育てたら…… 農家も驚く想像以上の結末が1300万再生「凄い」「感動した」
  5. 東京藝大卒業生が油性マジックでサンタを描いたら? 10分で完成したとんでもない力作に「脱帽です」「本当にすごい人」
  6. 定年退職の日、妻に感謝のライン → 返ってきた“言葉”が約200万表示 大反響から7カ月たった“現在の生活”を聞いた
  7. 【ヤフオク】“3万円”で購入した100枚の着物帯 →現役着付師が開封すると…… “まさかの中身”に驚き
  8. 「立体的に円柱を描きなさい」→中1の“斜め上の解答”に反響「この発想は天才」「先生の優しさも感じます」 投稿者に話を聞いた
  9. 「すんごい笑った」 “干支を覚えにくい原因”を視覚化したイラストが勢いありすぎで1700万表示の人気 「確かにリズム全然違う!」
  10. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  3. 東京美容外科、“不適切投稿”した院長の「解任」を発表 「組織体制の強化に努めてまいる所存」
  4. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  5. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  6. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  7. 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  8. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  9. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  10. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」