「必ず仕留める殺し屋」が「不死身の少女」を狙ったら―― 2人の間に生まれた絆描いた漫画に引き込まれる(1/2 ページ)
「不死身の少女」の抹殺を依頼したのは……。
どんなものでも突き通せる矛で、あらゆる攻撃を確実に防ぐ盾を突いたらどうなるか。よく知られた故事「矛盾」の一節で、テレビ番組などでもこれに似たような企画が時々見られます。さて、今回ご紹介する漫画は、ターゲットを絶対に殺す凄腕の殺し屋と、絶対に死なない女の子を描いた「不死身KILLERS」というお話です。
殺人に関するあらゆる技術と知識のみならず、超人的な身体能力までも兼ね備える凄腕の殺し屋「ろっ骨」の元に、奇妙な依頼が舞い込んできました。それは「キョウ=マキシマ」という、年端も行かぬかわいらしい少女の殺害依頼でした。超一流のろっ骨には物足りない内容に思えますが……なんと50人もの殺し屋が彼女の殺害を断念している、と言うのです。
依頼を受けてから3時間後、ろっ骨はキョウのお屋敷へ突入。キョウの頭に銃弾をぶち込み、迅速に任務を完了……したか思いきや、彼女は即座に立ち上がり「今日の殺し屋さんはずいぶん乱暴なんだね」と、余裕の微笑みを浮かべました。キョウは幼少の頃に大病を患ったことから、父親である天才薬学者・マキシマ博士の施した治療によって不老不死の肉体となり、110年もの時間を同じ姿で生きていたのです。
実は「キョウ=マキシマの殺害依頼」自体、すべてキョウ自身が出したものであり、彼女は自分を殺してくれる人を探していたのでした。50人もの殺し屋が“殺害を断念”してきたのには、こういう理由があったのです。
ろっ骨はなんとかしてキョウを殺そうとするのですが……彼の全力をもって何をどうやっても彼女は死にません。万策は尽き、時間は過ぎて夕飯時になり、2人はなんだかんだで一緒に楽しく食事をします。
お風呂もごちそうになったろっ骨は、湯船に浸かりながら「産まれてからずっと1人で生きてきて、誰かに優しくしてもらったこともない」という、つらい半生を思い出すのでした。
遺書をしたためるキョウと、それを眺めるろっ骨……そこへ謎の部隊が乱入し、キョウは連れ去られてしまいます。犯人たちは、不老不死の少女は商品価値が高いと言い、もう売り先まで決めてしまっていました。
1人取り残されたろっ骨は、その場を立ち去ろうとするのですが……彼女の遺書が目に留まり、それを読み進めます。遺書には「両親も友達も皆死んでしまった。早く死んで皆の所へ逝きたい。でも今日は、もう少し生きていていいかもと思った」と、ろっ骨への感謝の言葉がつづられていました。読み終わると同時に、ろっ骨は走り始めます。
そしてろっ骨はキョウを助け出すのですが、あくまでも「お前は俺が必ず殺すんだ」と、殺し屋の立場を崩そうとしません。きっと2人は奇妙な共同生活を送るのだろう……と思いきや、キョウ自身が世界中に出した殺害依頼によって、「100万ドルの賞金首」となった彼女を狙う輩は後を絶ちません。それでも「不死身の少女」と「凄腕の殺し屋」なら、今後もなんとかやっていきそうです。
作者は漫画家の熊田龍泉(@asahinoboru888)さん。月刊ヒーローズにて『それでもペンは止まらない』を連載中です。「不死身KILLERS」は過去に『週刊少年ジャンプ増刊』に掲載された読み切り作品。熊田さんは同作をTwitterに投稿するにあたって「反響があれば続き描きます」とのコメントを添えており、続きを熱望するリプライが多く寄せられています。
達成率100%の殺し屋と不死身の女の子の話「不死身KILLERS」
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