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» 2020年04月14日 12時50分 公開

ゲーム条例パブコメ、同一IPアドレスからの送信が多数? 原本公開で“工作疑惑”広がる → 香川県議会に見解を聞いた

賛成意見の多くが「192.168.7.21」から送られていたことで物議を醸していました。

[池谷勇人,ねとらぼ]

 1月から2月にかけ実施された「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例」のパブリック・コメントの原本が昨日(4月13日)より一部のメディアに開示され、その内容が物議を醸しています。“賛成パブコメ”の大半が同一のプライベートIPアドレス(192.168.7.21)から送られていたことから、ネット上では「県庁のネットワーク内から大量の賛成票が送られていたのではないか」と疑う声が。なぜ同一のIPアドレスが複数表示されていたのか、香川県議会事務局に聞きました。


香川県 パブコメ原本 KSB瀬戸内海放送のニュース映像より(画像加工は編集部によるもの)

多数の原本に「192.168.7.21」の記載

 発端となったのは、公開されたパブコメの原本について報じたKSB瀬戸内海放送のニュース映像。原本はA4用紙で4186枚分にも及び、“賛成意見”の多くが同一のパターン・フォーマットで大量に送られていたことを報じていました。


香川県 パブコメ原本 ゲーム条例のパブコメ「原本」が開示 多数を占めた賛成意見「全く同じ文章」が何パターンも 香川(KSB瀬戸内海放送)


 しかし、映像が公開されると、多数の原本に同一のIPアドレス「192.168.7.21」が記載されていたことに疑問を呈する声があがりはじめます。しかも通常「192.168.〜」で始まるIPアドレスは“プライベートIPアドレス”として割り当てられるもので、要するに「同一のローカルネットワーク内から送られたもの」であることを示しています。このことから、ネット上では「賛成意見を水増しするために、誰かが香川県庁内から大量のパブコメを送ったのではないか」といった声があがり、一時は「IPアドレス」や「192.168.7.21」がTwitterのトレンドにも入る事態となりました。


香川県 パブコメ原本 KSB瀬戸内海放送のニュース映像より(画像加工は編集部によるもの)

議会事務局「問い合わせフォームから送った場合このような表示になる」

 ただ、これだけで「内部による水増し票」があったと断定することはできません。「192.168.7.21」はどのような場合に表示されるのか、香川県議会事務局に聞いたところ、次のような回答がありました。

「香川県議会ホームページにご意見・お問い合わせというフォームがあり、そこから送られたものを印刷するとどれもこのような表示になります」(議会事務局)

 事務局によると、賛成・反対を問わず、県議会ホームページの「ご意見・お問い合わせ」フォームから送信した場合は一律でこの表示になるとのこと。確かに、県のホームページ内から転送されたものであれば、プライベートIPアドレスが記載されていることにも一応の説明はつきます。また実際に「ご意見・お問い合わせ」のページにアクセスしてみると、パブコメ原本にあったのと同じ【氏名】【住所】【ご意見・ご感想】といった文面が既にフォームに入力されており、一連のパブコメについては確かにこのフォームから送られたものと考えてよさそうです。


香川県 パブコメ原本 県議会ホームページから「ご意見・お問い合わせ」フォームにアクセスしたところ

 ただ、パブコメの送付方法についてはもともと「郵送(令和2年2月6日消印有効)、持参、FAX、電子メールで」と指定されており、「ホームページの『ご意見・お問い合わせ』フォームから送信」という方法は指定にありませんでした。この場合でも有効なパブコメとして受理されるのか聞いてみると、

「これについては電子メールの一部と認識しております」(議会事務局)

――とのこと。しかし、明確な案内がない「ホームページの『ご意見・お問い合わせ』フォームから送信」というイレギュラーな方法(場合によっては受理されない可能性もあった)を、なぜこんなにも多くの人が採ったのか、という疑問は依然として残ります。他にも、KSB瀬戸内海放送の映像によれば、一部のパブコメは短い時間に相次いで送信されていることも指摘されており、IPアドレス以外にも不自然な点は多く指摘されています。


以前から「動員」や「名前貸し」の疑惑も

 今回の条例成立に当たっては、2269件(全意見の84パーセント)が“賛成”という不自然さや、そもそも賛成・反対を問うものではないパブコメでなぜか「賛成・反対の割合」を公開したこと、検討委員から「賛成多数だから、もう採決してはどうか」といった発言があったことなど、これまでにも多数の問題点が指摘されてきました。また編集部にも「会社の上司から『県のネットゲーム依存症対策条例に賛成のパブリックコメントを送るので、名前を貸してくれ』という依頼があった」といった匿名の情報提供があり、いわゆる「動員」「名前貸し」が行われた疑惑も持ち上がっています。



 ただ、今回のIPアドレスについていえば、少なくともこれだけで「内部による水増し票」があったと断定できるようなものではなさそうです。一部では既に「明らかに不正が行われている」など断定的に語っているツイートやまとめサイトなどもありますが、不確かな情報で先走り、誤った情報を拡散してしまわないよう注意が必要です。

 なお、ねとらぼ編集部でもパブコメ原本の開示請求を行っており、議会事務局に問い合わせたところ、本日(14日)にも開示の案内を送付するとのことでした(ただし郵送になるため、実際の送付はまだ先になる見込み)。パブコメの内容については、原本が到着し次第、編集部でも検証を行う予定です。また引き続き「動員」や「名前貸し」についての情報提供もお待ちしています。


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