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» 2020年04月19日 17時00分 公開

【無料配信記念】コナンファンが劇場版名探偵コナン「14番目の標的」の魅力を語る

2020年4月19日〜20日に無料配信。

[赤いシャムネコ,ねとらぼ]

 4月17日から順次、「名探偵コナン」劇場版第1作〜第10作がさまざまなプラットフォームで無料配信されています。2日間ずつ交代での無料配信で、19日〜20日に配信されているのは第2作「14番目の標的(ターゲット)」(1998年公開)です。

 コナンファンの赤いシャムネコさんに、同作のオススメポイントを極力ネタバレなしで聞きました。

コナン 「14番目の標的」の魅力をファンが語ります
コナン 無料公開のスケジュール

コスパのいいトリック

 1作目「時計じかけの摩天楼」が好評で、即座に制作が決定した第2弾。本作の雰囲気は、「時計じかけの摩天楼」からガラッと一変しています。

 扱われるのは、コナンたち(小五郎)の身の回りの人物をターゲットとした連続殺人未遂事件。目暮警部(目暮十三)や小五郎の妻・妃英理(妃=クイーン=Q、12)が狙われ、調査を進めていくうちに、犯人は“名前に数字が入っているターゲット”をトランプのK(キング/13)からA(エース/1)までに見立てて順番に狙っていることが見えてくる。やがて実際に死者が出てきて――という非常にサスペンスフルなストーリーです。

 思うのが「コナンの登場人物、数字が入りすぎだろ……」。この「KからAへのカウントダウン」という設定を見れば、ファンはみな「Aが新一なんだ」とすぐわかります。登場人物を絞り、コナンの単独行動が多めだった前作と変わって、本作はいろいろな登場人物と一緒に捜査を進めていくさまが賑やかな印象があります。犯人がとる犯行手法も多岐にわたっていて、飽きることがありません(特に海中での死体演出は、印象に残ります)。

 トリック的な面白さは、中盤の見せ場となる“ヘリコプターの墜落事件”が一番の見どころでしょうか。あのトリックの「実際にできそう」感とコスパのよさがすごい。本作は終盤の舞台となる海中レストランでの”暗闇の殺害トリック”といい、シンプルな手法が印象的です。最小の努力で最大の効果を狙っている、狡猾でコスパ重視の犯人に見えます。

 と思って見ていると、終盤には結局とんでもない量の爆弾を使うので、「結局お前も爆弾魔だったのか……」となるのもコナン映画あるあるですね。あまりの豪快な爆破っぷりは、前作以上の破壊を見せてやろうというスタッフの強い意気込みを感じます。「前半はいろいろなところで事件が起こり、クライマックスはひとつの建物に集まって真実が明かされる」「特徴的な建物が出てきたら最後に爆破される」という定番パターンが2作目ですでにできあがっているのが、今見ると楽しいところです。

 前作と同様、今作もホワイダニット(動機)が大きな謎になっています。なぜ犯人はトランプの数字に見立てた連続殺人を計画しているのか? メインの動機については、映像でもエピソードでも堂々と伏線が張られているため、見た人の多くが納得したのではないでしょうか。ただし実際にはその動機に付随して大量の人物が巻き込まれ事故を起こしているので、ちょっとかわいそうな感じがするというか、ひどい犯人だな……という気もします。ミステリ的な仕掛けでいうと、アガサ・クリスティーの有名な作品(※ややネタバレのため、記事末尾に注をつけます)を想起させるような事件でした。

 隠された動機には力が入っている一方で、フーダニット(犯人当て)としては少しアンフェア。終盤にコナンが犯人に気づく“決定的な証拠”を示したシーンがありますが、コナンが見ているものを視聴者である我々が見ることはできず、犯人指摘の段階まで伏せられます。そのため論理だけで犯人にたどりつくのは不可能でしょう。ただ犯人の行動の描写を見ると、「まあ、この人だよな」という納得感はあるので、犯人当てのフェアさまで求めるのはないものねだりかもしれません。

もう一人の主人公・小五郎

 コナン映画の重要なポイントのひとつが恋愛要素。今作は、小五郎と英理の過去の“事件”の謎――なぜ小五郎は人質にとられた英理を撃ったのか?――が冒頭で提示されて、解き明かされないまま引っ張られます。そして物語の終盤に新一(コナン)と蘭が絶体絶命のピンチに陥ったとき、過去と現在、小五郎と新一が重なり、タイトルの真の意味が明らかになる演出が美しい。伏線回収感を意識した構造はコナン映画の醍醐味ですね。

 このエピソードからもわかるように、本作では小五郎がかっこよく描かれています(冒頭の英理との会話は、コナン歴代で一番“いい雰囲気”なのではないでしょうか……)。途中ややコミカルになりつつも、最後はバッチリ決めてくれて、大人としての存在感を見せてくれます。刑事時代の小五郎が描かれるのも、ファンとしては嬉しいところですね。

 余談ですが、本作で2回も出てくる「なんで目暮警部は絶対に帽子を脱がないの?」という謎は、映画の中では回収されません。気になった方は原作28〜29巻収録のエピソード「封印された目暮の秘密」をチェックしてみてください。

「14番目の標的」が面白かったら、この作品がおすすめ

  • 水平線上の陰謀 おっちゃんがかっこいいつながりでこの作品を上げざるを得ない
  • 瞳の中の暗殺者 コナンの身の回りの人たちが狙われていく作品。こちらは雰囲気がより大人っぽい
  • 11人目のストライカー タイトルが似ている以上の理由はありません

※アガサ・クリスティーの有名な作品……『ABC殺人事件』



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