【令和のドリキャスプレイヤー】プレイ歴数年の20代が語る「レトロゲーという認識はない」「自分にとっては最新ハード」【令和】ドリキャスを遊んでいる人インタビュー(2/2 ページ)

» 2020年05月08日 21時00分 公開
[ねとらぼ]
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自分にとっては未知のカルチャーが遊べる“最新ハード” 略ア略さん(@ryakuAryaku


2017年ごろにリサイクルショップでほぼ未開封の本体をゲットしたとのこと。驚きの白さ

―― ドリームキャストはいつからプレイしていますか?

 プレイ年数は3年ちょっと。「サクラ大戦」を1〜4までそろえて遊んでいます。

 レトロゲー趣味ではなく、プレイしているのはドリキャスだけ。1999年生まれの自分にとっては、未知のカルチャーが遊べる“最新ハード”なんですよね。映像的にも当時の100%が感じられてすごく好きです。

―― ドリームキャストをプレイするようになったきっかけは?

 高校1年生だった2014年、ニコニコ動画か何かで見掛けた「サクラ大戦1&2」(PSP)のOPにほれて、遊んでみたら大変面白くてですね。「2」は「大神隊長が巴里(パリ)に留学に行ってしまう」という明らかに続編がありそうな終わり方なんですけど、PSPでは「3」以降が出てないんですね。それで調べてみたら、なんとセガがゲームハードを作っていて、元はそこから出たソフトだったと!

 それまでセガハードの存在すら知らなかったので衝撃でしたね。そこでようやくドリームキャストのことを知ったわけです。

 高校3年生のとき、学校帰りにまだ見ぬ「サクラ大戦」のCDを求めてリサイクルショップに行ってみたら、夢にまで見た“あの本体の箱”があって。

―― ドリームキャストは2001年に製造中止していますから、きっと探すの大変でしたよね

 現金の持ち合わせは足りなかったんですが、何とかポイント込みで買えました。

 そして、帰宅して開けたらまたビックリ。どこかのデッドストック品だったのか、なんと中身がほぼ未開封のままだったんですよ。その後、そのお店でDC用アケコン(アーケードコントローラー)やコントローラー単品も売りに出されていたんですが、自分が買ったものはほぼ全て新品でした。まさに運命的な出会いですね。

 もっとも、自分用のモニターを手に入れ遊べるようになったのはその1年後なんですが……。

―― 発売から20年以上たった今、ドリームキャストの魅力は?

 今のゲームって映像がとてもキレイだったり、3Dのグラフィックがぎゅんぎゅん動いてたりしてスゴいんですが、その分開発費が高くなっているのか、“ジャンルを創る”クラスの作品が少なく感じるんですよね。ジャンルを決めてから、ゲームを作っているような感じがします。

―― 他の方も言っていましたね、“思い切ったゲームソフトが少ない問題”

 例えば、「Splatoon」はとても面白いゲームですが、対人シューティングにプラスアルファの要素を入れることで新しさを出しているタイトルだと思います。一方、セガハードから出ているゲームって、一言では言い表せないカオスなゲームが多いと思うんですよ。

 例えば、「サクラ大戦」はギャルゲーと言えばギャルゲーですが、でも確実に違いますよね。「ドラマチックアドベンチャー」という公式の表現はうまいと思います。

 「スペースチャンネル5」なんてあれは何と言えばいいんですかね。音ゲー……? 「このジャンルはやり尽くしたからなぁ」とならない、遊ぶたびに新しい文化に触れられる。「セガは20年先を行っている(※)」というのは、きっとこういうところにあると思うんですよね。こうして20年先の人間にも、ちゃんと刺さっているので間違いないと思います。

※セガは20年先を行っている:筆者がネット上を調べた限り、“セガが先に行っているとされる年数”は10年だったり、20年だったりマチマチ。とりあえず「いつも早過ぎる」と言われている

―― 発売20年以上たった今、ドリームキャストのオススメタイトルは?

 「サクラ大戦3」です。



―― 「1」でも「2」でも「4」でもなく、「3」なんですね

 あれはスゴいゲームですよ。「今まで遊んだゲームの中で最も思い入れがあるものは?」と聞かれたら、迷わず「サクラ大戦3」と答えます。

 まず「1」」「2」で太正(←重要)時代の帝都・東京が舞台となって、笑いあり・涙あり・シリアスありの展開のなか、主人公の大神一郎が個性的なメンバーの帝国華撃団・花組とともに、魔と戦い平和を守ると。「和」って感じのゲームですね。

 普通のゲームならここで終わりだと思います。

 でも、「3」では舞台がフランス・パリに(!?)。大神隊長は続投で、全員新規ヒロイン(さくらさん出ないの!!!!????)。

 これ当時のファンからしたら衝撃以外の何物でも無いと思うんですよ。私にとって貴重な歴史書である徳光康之先生の漫画「サクラ追っかけ日記」からもその衝撃が伝わってきます。

 しかして肝心のゲーム内容はどうかと言われると……しっかり「サクラ大戦」なんですよ。あまりにも個性豊かで、チームワークもバラバラだった巴里花組が次第にまとまっていくところや、ものすごいところから出現する巴里華撃団の秘密兵器、そしてラストは留学生という身分ゆえに帝都に帰らなければならない大神……。

 プレイする前と後で、心が180度変わりましたね(笑)。



 そして、「4」。舞台は再び帝都! 魔と戦う帝国華撃団・花組! しかし、この大神隊長は「3」の経験をした後! ネタバレしたくない中盤の、感動というレベルをはるかに超えた激熱の出撃命令! そして究極の選択に、普通のギャルゲーではありえなさそうな最後の選択肢……。

 ゲームとして面白いのは「3」なんですが、大神隊長の物語の完結編としてこれ以上ないものになっていて、シナリオとしては「4」が好きです。

 さらに言うと、音楽も素晴らしいですよね。私はもっとも好きな作曲家さんが2人いて、そのうちの1人が「サクラ大戦」シリーズの曲を書いてらっしゃる田中公平先生です。歌も劇伴も全てが素晴らしい……。個人的には「4」のED「君よ花よ」がとても好きです

―― オススメタイトルは「3」って言ってませんでしたっけ……?

 結局のところ、1〜4まで全部最高です。

 セガさんがいろんな媒体でアンケートを出すたびに「サクラ大戦旧作を最新ハードかPCで(PC版、すでに出てはいるんですが入手困難で……)遊べるよう販売してください」と書いてます。

 「サクラ大戦」シリーズはその後も「サクラ大戦5」(PS2/2005年)、シナリオ的には続編にあたる「サクラ大戦〜君あるがため〜」(ニンテンドーDS/2008年)と続いて、2019年(!?)には最新作「新サクラ大戦」(PS4)が出たわけですよ。

 これは何としてもセガさんにお金を払わなければと思い、初回限定盤をゲットしたのですが、PS4の方はいまだに買っておらず、まだ遊べてないんですよね。4月中には買います……。

※後日談:取材後、実際にPS4を購入し「新サクラ大戦」を1周クリアしたとのこと。「『新サクラ』もしっかりサクラ大戦でありながらも、進化した部分もあってとても素晴らしかった」

おまけ:ドリキャスあるある

  • 「本体が日焼けしやすく、ほっておくと『えっ!?』ってくらい黄ばみます。ハリウッドザコシショウさん曰く『ションベンぶっかけたみたいな色』」
  • 「ピーーーーーフォーーンウィーンウィーンピッ 1998/11/27 00:00 自分は毎回時間を合わせる派です」
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