インタビュー
» 2020年05月04日 10時00分 公開

「小学1年生が4割増えるかも」「卒業式が体育館で行えない学校が出てくる」 現役教員に聞く「9月入学制導入」の“多過ぎる課題” (1/4)

「もしも今年度から9月入学制が導入されることになったら……」を聞いてみました。

[ねとらぼ]

 新型コロナ感染拡大防止のため、学校の休校が長期化。それに伴い、「政府が『9月入学制』の検討に着手した」と報じられていますが、学校現場ではどのような影響が予想されるでしょうか? 今回は現役中学教員Aさん(匿名)に「今年度から9月入学制が導入された場合の懸念点」を伺いました。

1:“学年が切り替わる時期”が変わって、先輩/後輩が同級生になる?



 9月入学制の導入は学校現場でも話題に上がっている。「現状では、こういう課題が想定できるんじゃないかな」と考えたことを話していくよ。

 現行の制度だと「同じ年に生まれた8月生まれの人と10月生まれの人」は同学年だけど、「3月生まれと、5月生まれ」は別の学年になる。これは“新しい学年に切り替わるタイミング”が4月2日だからなんだよね。

 9月入学制に移行すると、この“新しい学年に切り替わるタイミング”は……9月2日になるのかな。今まで「4月2日生まれ〜翌年の4月1日生まれまでが同学年」とされていたのが、「9月2日生まれ〜翌年の9月1日生まれ」に変わることになる。

 そうするとややこしいことに、これまで同学年だった「8月生まれの人と10月生まれの人」が別学年になる。つまり、「このあいだまで先輩/後輩だった人が、今年度から同級生」というややこしい事態が全国の教室で起こってしまう。

―― 避ける方法はないの?

 例えば、こんな移行措置が考えられると思う。

  • すでにいる生徒は「4月2日生まれ〜翌年の4月1日生まれ」が同学年
  • 今年度の小学1年生は「4月2日生まれ〜翌年の9月1日生まれ」が同学年
  • 来年度以降の小学1年生は「9月2日生まれ〜翌年の9月1日生まれ」が同学年

―― 今年度の小学1年生だけ、同学年になる人を5カ月分増やして調整するのか。

 ただ、このやり方だと今年の1年生が4割くらい増加する。例えば、1年3組まであった学校の場合、1年5組まで増えてしまう計算になるから、今度は「どうやって“増えた1年生”の分の教室を確保するんだ」という問題が発生するんだよね。空き教室がない学校はどう対応するんだろう。

 ベビーブームで子どもが急増した時代にはプレハブの校舎を建てたそうだし、対応不可能な問題ではないと思うけど、まあお金はかかるよね。「通常校舎で授業を受ける1〜3組はエアコン付きだけど、プレハブ校舎の4〜5組はエアコンなし」というわけにもいかないし。

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