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» 2020年05月03日 22時45分 公開

【無料配信記念】コナンファンが劇場版名探偵コナン「水平線上の陰謀」の魅力を語る

2020年5月3日〜4日に無料配信。

[赤いシャムネコ,ねとらぼ]

 4月17日から順次、「名探偵コナン」劇場版第1作〜第10作がさまざまなプラットフォームで無料配信されています。2日間ずつ交代での無料配信で、5月3日〜4日に配信されているのは第9作「水平線上の陰謀(ストラテジー)」(2005年公開)です。

 コナンファンの赤いシャムネコさんに、同作のオススメポイントを極力ネタバレなしで聞きました。

コナン 「銀翼の奇術師」の魅力をファンが語ります
コナン 無料公開のスケジュール

ミステリに全振りのコナン映画

 前作「銀翼の奇術師(マジシャン)」が飛行機のパニックという「空」の物語だったのに対し、本作ではミステリの定番・豪華客船が舞台となる、「海」の物語。「世紀末の魔術師」でも船上の事件が描かれていますが、本作では豪華客船を中心に物語が展開されます。コナン映画は前半と後半で舞台を移すパターンが多いのですが、本作は冒頭から最後のシーンにいたるまでほぼ舞台が同じ。このように舞台を一つに固定した作りというのはコナン映画としては初めてです。

 「銀翼」で殺人事件の扱いが軽かったことに起因してか、本作は非常にミステリ的な要素が強いです。「ベイカー街(ストリート)の亡霊」と同じく、最初から犯人が観客に示されているいわゆる倒叙もの。しかし単にストレートな倒叙ものでもなく、どこか犯行手法に違和感が残るところがあり、その裏に真相が隠されているつくりです。予告編でうたわれる「タイムトリック」のあおりの通り、コナンや小五郎、目暮警部たちが容疑者たちのアリバイを整理するパートが長いことも、きっちりとした推理ものという印象を強めています。

 本作の見どころは「毛利小五郎」、これに尽きます。もちろんこれまでも「14番目の標的(ターゲット)」など小五郎にフィーチャーされた作品はあるのですが、本作ではまさに“もう一人の主人公”。普段は頼りない小五郎が、アクションでも、そしてなんと推理でも活躍するのが、シリーズファンとしてはうれしいところです。この推理が小五郎ならではの着眼点なのも、「さすがコナン映画」と思わせられますね。小五郎と犯人の対決は、セリフの応酬の格好良さとともに、忘れがたい名シーンです。

 リアルタイムで劇場に行った当時の思い出を振り返ると、「劇場版コナンでこんなことをやってくるのか!」という衝撃を受けた作品でした。「驚愕度」でいえば、シリーズで一番予想外な真相でしたね。現在のアクションムービーとしてのコナンとはまた違った魅力のある作品だと、今回見返して思わされました。

 ……とはいうものの、あらためて今見ると、ミステリ部分はけっこうツッコミどころがある映画です。真相が明かされたときの驚きを重視したためか、「そこまでする必要がある!?」という、かなり無理のある犯行計画になってしまっています。ひとつひとつの“本当の犯行シーン”における犯人の動きを思い浮かべると、ちょっとシュールなところも。トリックの綱渡り度や体張り度でいうと歴代犯人の中でもトップクラス、やはり殺人は結局フィジカルなのでしょうか……。

 今作のキャッチコピーは、シリーズ初の「二重(デュアル)サスペンス」。陸と海、過去と現在の事件が海上でつながりあう凝った作りを示したものですが、実は見ている間は「海上・現在」の話がほとんどなので、そこまで二重(デュアル)感がありません。しかし真相を知った後で振り返るとなるほど確かに二重(デュアル)だったな……と思わされる、キャッチコピーの妙を感じました。

 ちなみに、これまでのコナン映画はクライマックスに「危機的な状況から脱出する」「強い犯人と対決する」というシーンを持ってくるパターンが多かったのですが、本作ではそれらに加えて、また違う新しい展開が用意されています。このタイプのクライマックスの作り方はのちに「絶海の探偵(プライベート・アイ)」や「沈黙の15分(クォーター)」に継承されています。これまでにないエンディングの形を示したうえでも意義のある作品であるといえるでしょう。

 後半にパニックはあるものの、ゆったりした雰囲気が通底していて、なんだか優雅な鑑賞感。休日の午後に見る映画としてはうってつけだと思います。エンディングもZARD「夏を待つセイル(帆)のように」(超名曲です!!!!)とともに客船の中を駆けまわる少女の美しい映像が流れ、客船でのバカンスを楽しんだような印象が残るんですよね。

 冒頭で引き合いに出しているように、「銀翼」とあらゆる意味で対照的な作品です。飛行機でアクションに全振りした「銀翼」と、船でミステリーに全振りした「水平線上」。同じ閉鎖空間、同じ乗り物もの、同じく夕焼けのシーンが印象的で、そして同じ監督&脚本――と同じ要素がたくさんあるのにもかかわらず、ここまで違う雰囲気の映画になるのかという驚きがあり、連続して見るとまた新しい発見があります。

 余談ですが、コナン映画のオープニングテーマは毎年違ったアレンジがなされているのですが、「ベイカー街」「天国へのカウントダウン」そして本作は、イントロがメチャクチャ似ています! コナンイントロクイズをやるときの一番の“壁”です。もし聞き分けるコツを知っている方がいましたら、ぜひ教えてください……。

この映画が気に入った人へのオススメ

  • 「絶海の探偵(プライベート・アイ)」 本作の変奏曲。豪華客船がイージス艦に変わると何が起こるのか? 必見です
  • 「沈黙の15分(クォーター)」 クライマックスのピンチで、でコナンと蘭の関係が本作と逆転しています
  • シンフォニー号殺人事件(23巻) 歴代コナンで船を舞台にした物語の中で最高傑作!

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