住宅街で見かける謎の標識「ゾーン30」 これ何?少年Bの道端ばなし(2/3 ページ)

» 2020年05月30日 10時00分 公開
[少年Bねとらぼ]

「ゾーン30」実施後の効果は?

 ソーン30は実施初年の2011年度末で11都府県57カ所、2018年度末には日本全国で3649カ所まで増えています。

ソーン30 「ソーン30」がじわじわと増えている

 ゾーン30の導入経緯は、道幅の狭い生活道路における交通事故発生件数減少率の低さと歩行者・自転車利用者の死傷者が占める割合が高かったことにあります。

 警視庁交通局が2017年に公開した資料「『ゾーン30』の推進状況について」によると、ゾーン30施行前年の2010年までの10年間で、車道幅員が5.5メートル以上の道路における交通事故発生件数は29.2%減少したのに対し、車道幅員5.5メートル未満の生活道路では8%の減少に留まっていました。

 またこういった生活道路では、歩行者および自転車利用者の交通事故死傷者の割合が道幅の広い道路と比べて約1.7倍高かった結果が分かりました。

道路幅員別交通事故発生件数および死亡/重傷事故発生件数の推移(出典:警視庁交通局 2017年12月「『ゾーン30』の推進状況について」)
幅員別・状態別交通事故死亡者数(出典:警視庁交通局 2017年12月「『ゾーン30』の推進状況について」)

 「制限が時速30キロ」についても理由があります。前述した「『ゾーン30』の推進状況について」によると、歩行者の交通事故致死率は、速度が時速20キロまでならば0.4%、時速20〜30キロで0.9%ほどですが、時速30〜40キロでは2.7%と、時速30キロを超えると急増します。

 そのため、制限速度を全体的に低く設定しつつ、さらに、中央線をあえて消す、ハンプ(小さな段差)やシケインを設置する、路側帯を整備するなどの施策で、心理的、物理的の双方でドライバーが速度を出しづらく、また不要な通行(抜け道通行など)を行いにくくします。こうすることで、総じて重大な事故になるリスクを軽減する考え方となっています。

 こうして2016年までに整備された全国3105カ所のゾーン30において、整備後1年間の交通事故発生件数は、整備前1年間と比べて平均で23.8%減少、そのうち歩行者・自転車が被害者となる事故も同19.4%減少する結果により、「ゾーン内における事故抑止効果があった」としています(出典:警視庁交通局 2017年12月「『ゾーン30』の推進状況について」)。

ゾーンの出口には「区域ここまで」 ゾーンの出口には「区域ここまで」

 各都道府県警察は、今後も引き続き公共施設、病院、児童遊園など、特に高齢者や子どもが利用する施設を含む区域を中心にゾーン30の整備を推進していくとしてます。

 クルマを運転する人は全員、普段から交通法規を順守して穏やかに運転することを前提に、「ゾーン30」の標識や表示を見かけたら、あらためて一層の安全運転を心掛けたいですね。



Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/16/news007.jpg まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  2. /nl/articles/2411/16/news013.jpg 自宅のウッドデッキに住み着いた野良の子猫→小屋&トイレをプレゼントしたら…… ほほ笑ましい光景に「やさしい世界」「泣きそう」の声
  3. /nl/articles/2411/15/news016.jpg 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. /nl/articles/2411/17/news066.jpg 「ヤバすぎwwww」 ハードオフに1万8700円で売っていた“衝撃の商品”が690万表示 「とんでもねぇもん見つけた」
  5. /nl/articles/2411/16/news014.jpg 330円で買ったジャンクのファミコンをよく見ると……!? まさかのレアものにゲームファン興奮「押すと戻らないやつだ」
  6. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  7. /nl/articles/2411/11/news056.jpg 大量のハギレを正方形にカット→つなげていくと…… “ちょっとした工夫”で便利アイテムに大変身! 「どんな小さな布も生き返る」
  8. /nl/articles/2411/17/news038.jpg 58歳でトレーニングを始めたおばあちゃん→10年後…… まさかまさかの現在に「オーマイガー!!!」「これはAIですか?」【海外】
  9. /nl/articles/2411/17/news004.jpg 「水曜どうでしょう」“伝説のシーン”そっくりな光景にネット騒然 「ダメだ笑っちゃう」「なまら怖い」
  10. /nl/articles/2411/16/news077.jpg 大谷翔平、インスタ最新投稿で活躍シーンのハイライト公開 一瞬映る“妻・真美子さんと母・加代子さんの笑顔満開ハイタッチ”に注目
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた