「自家発電でテンションを上げるのは正直大変!(笑)」 古坂大魔王・作曲家「バグベア」がオンライン対談で「2020年注目の音楽」「リモートワークの本音」を語る(3/3 ページ)
古坂大魔王:TOKYO DRIFT FREESTYLEの音楽を使って自分のお家で撮影して作ったというMVがもう秀逸でして。よくできているし、何よりもかわいい。女子のかわいいを全部あそこに詰め込んだんじゃないかっていう作品で、今840万再生ぐらいいってます(2020年6月時点)。動画的に本当に素晴らしいです。
あと、ダンサーでKaycee rice(ケイシー・ライス)っていう10代の女の子がいるんですけれども。この人のダンスはもうね、音楽なんですよ。音楽の中でこの人が音楽を作って踊っているような感じなんです。
こぎみいい(バグベア):僕はベタなんですけど、Dua Lipa(デュア・リパ)ですかね。
古坂大魔王:Dua Lipaは最高!
こぎみいい(バグベア):最高ですよね! MVとかリリックビデオも秀逸で見ちゃいますね。
古坂大魔王:煽って煽って、サビどう来るか!? というところでのあの外し方は天才ですよね。本当素晴らしい。
こぎみいい(バグベア):あとすごく最近だと、Lady Gaga(レディー・ガガ)と Ariana Grande(アリアナ・グランデ)の「Rain On Me」は良いですね。あの映像を懐かしい雰囲気のサウンドと合わせているのが面白いです。
こぎみいい(バグベア):最近90年代みたいな雰囲気が流行っていますよね。1周してカッコいいというか。
古坂大魔王:流行っていますね。きっと若い子からすると“新しい”んでしょうね。僕らは2周目、3周目という感じで(笑)。リアルタイムではないんですが、ギリギリYMO(イエロー・マジック・オーケストラ)を聞いてる世代ですからね。「スネークマンショー」というラジオコントの合間にテクノが流れていて、ゲームミュージックと言えばファミコンの音源ぐらいしか音がなかったあの時代に、あのテクノの音はすごいですよ。世の中に存在しない楽器で音楽をやっているっていうことですからね。それに打ち込みの良さがあるっていうか、だからバグベアさんの音が好きだったりするんですよ。ここみらいさんはいかがですか。
ここみらい(バグベア):少し前の曲になってしまうんですが、Mike Williams x Dasticの「You & I」っていう曲のアレンジが素晴らしいなと思って。あの技を習得したいなと思っていますね。
古坂大魔王:海外、とくに欧米系のアレンジのテクニックって、「これどうやってんだろうな?」っていうのありますよね。
こぎみいい(バグベア):あとはK-POPで「Zimzalabim」という曲があるんですけれど。
古坂大魔王:あ! Red Velvet!? あれ僕の中のK-POPで1位です! これは握手です! はじめて言われた、うれしいなぁ〜!
古坂大魔王:BLACK PINKの「KILL THIS LOVE」素晴らしいなと思いながらも、Red Velvetの「Zimzalabim」の方が僕は好きなんですよね〜!
――古坂大魔王さんとバグベアの好きな楽曲が近いっていうのは今回の取材での新たな発見でした。もしかしてまたコラボという可能性はありそうでしょうか。
古坂大魔王:これは絶対にやりたいですね!
こぎみいい(バグベア):やりたいです!
古坂大魔王:僕は「相互アレンジ」って言うのをやってみたいですね。例えばバグベアさんが考えた曲に、ピコ太郎が歌詞を入れて、それを2アレンジ双方でつけるっていうような感じで。「えいっ!」「えいっ!」とお互いがサッとやって、ムチャぶりして、ムチャぶりされてっていう感じ(笑)。初披露はライブで、MVもライブで初披露って感じで。
こぎみいい(バグベア):うわ〜面白そうです! ぜひやりましょう!
古坂大魔王:多分バグベアさんって王道は苦手でしょう? 僕もそうなんですけど、人がやってないことばっかりやりたいっていうのがあると思うので、そういうところも似ているかもしれないですね。
アーティストのリモートワークはやりやすいのか
――今回はリモート取材ということで、古坂大魔王さん、バグベアとビデオ通話をさせていただいているのですが、アーティストの方にとって正直リモートってやりやすいですか。やりにくいですか。
こぎみいい(バグベア):僕的にはすごく会いやすいっていうか。音声が乱れていたりしたら申し訳ないんですが、オンライン通話にすることによって良い意味でリラックスして、本音が出るのかなと思いました。
古坂大魔王:確かにそうかもしれません。コロナの前であれば、バグベアさんとお話しする1発目がリモートなんて絶対にありえないじゃないですか。でもそれが実現できていて。今日なんかもリモートでのテレビ出演が2件あります。こうした出演をしていて気づいたのは、正直打ち合わせに関しては今後もリモートで良いんじゃないかということです。ただ、打ち合わせのあとの、言葉にはしづらい“キズナ”だったり、“アイデア”だったりっていうのはアナログである必要があるのかなと思います。
――私も今回初めてリモートで取材させていただいているのですが、される側としてはいかがですか。
古坂大魔王:取材に関しては本当にリモートで今後も行けるんじゃないかという気がしていますね! ただバラエティーをリモートっていうのは正直出演者は疲れていると思います。もう十分かなって。
分かりやすく言うと、“テンションが上がる”ってあるじゃないですか。「なぜ人間は旅行をするのか」と考えたときに、今の時代景色はネットで見られるし、別にリアルで行かなくてもいい。でもみんなテンションがあがるから行くわけですよね。
ただ、バラエティーの場合、“自家発電でテンションを上げる”っていうのは大変なんです。本番前に楽屋に「おはようございます!」と入って、ピンマイク付けて、「お願いしまーす!」っていうテンションが上がる過程を経ていないので。
さっきまで赤ちゃんをお風呂に入れていた僕が、おむつ替える替えないって泣いてる姿を見ながらこっちで「どうも〜!!」ってリモート出演するのはさすがにキツイな……! となってきています(笑)。
取材後記〜コロナ禍の中アーティストは進んでいた〜
取材の終盤、コロナ禍の中、古坂大魔王さんとバグベア、両アーティストはどんなことをして過ごしていたのかを聞いてみました。
インタビュー中、常に場を明るくしてくれる笑顔と予想以上の博識ぶりで驚かせてくれた古坂大魔王さんは、現在複数のプロデュース案件を遂行中とのこと。特に注目は、「スピードワゴン」の井戸田潤さん扮する「ハンバーグ師匠」の2ndシングル「ハンバーグ」のプロデュースで、6月7日の配信が決定しているそうです。ハンバーグ……ッ!(カァ〜ッ!)。
また2019年末から行っていた歌っている人の口だけを見て投票するオーディション「口だけ歌手選手権」に関するプロジェクトも進行。他にも、ピコ太郎×MTG「PIKOWash!プロジェクト」の始動や、自主制作した「ピコ太郎の手洗い推進ポスター」のデータを無償提供するなど、手洗いによる感染防止を呼びかけているとのこと。詳しくはピコ太郎さんの公式サイトを確認してみると良さそうです。
バグベアの2人は≠ME (ノットイコールミー)の7thシングル「CAMEO」に収録されている「君と僕の歌」の作曲を担当。当初は4月に発売が予定されていましたが、7月8日に発売に延期されることが6月2日に発表され、現在同楽曲MVはYouTubeで公開中です。
また4月からは現在アーティスト集団を集う活動をスタートし、自身初となるオーディションを企画。既に選考は終了し、合格したメンバーと共に今後の活動のための準備を進めているとして、新プロジェクト「ジセミカ」の公式Twitterと公式YouTubeチャンネルを注視してほしいと話していました。
Stay Homeが続いていた中、古坂大魔王さんとバグベアは「世界を元気にしたい」と笑顔で前に進んでいる様子。それぞれの今後の展開が楽しみです。
(Kikka)
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