中学時代のいじめを懺悔する相談者を加藤諦三がぶった切る「偽りの自責感です」 「テレフォン人生相談」先週のハイライト(1/2 ページ)
「だから誰にも相談できないの。いい人を演じているから」。
「テレフォン人生相談」(ニッポン放送・月〜金曜11時〜)先週のハイライト。今回ピックアップしたのは6月5日(金)放送の加藤諦三パーソナリティー回。
いじめをしていた過去を後悔し、死にたいと思い続けているという相談。
偽りの自責感です
相談者は30歳女性。夫30歳。1歳の娘がいる。
「私が中学生の頃にいじめをしておりまして。その時の後悔の念で、ずっと今までも死にたいと思って生きてきたんですけれど、娘ができてそういうわけにもいかなくて。どういう風にこの気持ちを整理して生きていかないといけないのかなと思いまして……」
いじめ被害者が死にたいという話はよく聞くが、いじめ加害者が後悔して死にたいという相談は珍しい。
相談者は中学生当時、活発なグループの中のお調子者ポジションだったようで、その調子に乗ったままいじめにも加担してしていたようだ。加藤諦三が掘り下げる。
「実は無理して活発にしてたんじゃないの?」
「それは多分、あると思います」
「苦しかったよね。活発にしていないとみんなから受け入れられないから、無理して不自然に明るくしていた」
憎しみの表現には様々なパターンがある。憎しみを直接表現するだけではなく、“明るさ”で憎しみを表現する人もいるという。
「実は明るさっていうのは憎しみの間接的な表現であることが多いんです。だからアナタが活発なグループのお調子者だったっていうのはまさにそうなんですけども」「アナタがすごい憎しみを持っていた、その憎しみを直接表現できなくて明るさで表現していた。これがアナタのお調子者っていうことじゃないの?」
「ちょっと無理をしてつくろっていた結果が、人をいじめるっていう中学生ならではの表現の仕方になったのかもしれないです」
ここで突然、話の流れは“夢”に関するものに突入。
「空中で平泳ぎをしないといけないんですけれども、やっぱり空中なので力が空気に伝わらなくて、なかなか前に進まないっていう夢はしょっちゅう見ますね」
「アナタ、正直なところ野心家でしょ?」
この相談者、冒頭からちょいちょい涙声でしゃべっていたのだが、いじめ被害者に対する後悔の念というよりも、自分に酔っている感じが強くてモヤモヤしていた。
加藤諦三による唐突な夢診断にビックリしたが、どこまで本音で語っているか分かりかねる相談者の深層心理を探る意図があったのではないだろうか。
相談者を「野心家」と言い切った加藤諦三は、「自分の思うようにいかないことに対してものすごい欲求不満に思っている」これが相談者の本当の姿だと指摘。
「だからいじめるのは当たり前って言ったらちょっとおかしいんですけれども、アナタいじめますよ」
「自分の野心のために今まで、人を傷付けてしまったことに対してはどう向き合っていけばいいか……」
「だから自分を責め立てることで解決しようとしてるんです」「アナタ、ホントは自分を責めてないんです。偽りの自責感なんです」
本当の攻撃目標は外にあるのに、それ(自分の悪意)を意識するのが怖いから、その攻撃性を自分に向けている。それが相談者の言う「後悔」だというのだ。
「偽りの自責感を持っている人の特徴は、本当の罪の意識が希薄なんです」
「ということは、自分が今、後悔しているとか死にたいとかいうこの気持ちは……?」
「そっちは偽りです」「自分の本当の姿、バレるのが怖いんです」「だから誰にも相談できないの。いい人を演じているから」
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