かわいすぎて開けられない? 漁船みたいなデザインのツナ缶が話題、デザインの背景を聞いた

Twitterで話題の漁船型ツナ缶を製作した老舗包装容器メーカーに聞きました。

» 2020年06月30日 09時00分 公開
[谷町邦子ねとらぼ]

 漁船の形をしたツナ缶に、「おしゃれ」「かわいい」「子ども心をくすぐる」とTwitterで注目が集まっています。国際的なデザインコンテストで賞をとったというツナ缶の背景について、製作した東洋製罐グループホールディングスに取材しました。


漁船ツナ缶 海の中を進む船のような缶詰。甲板に描かれている大きな魚はマグロでしょうか……(画像提供:東洋製罐グループホールディングス)


漁船ツナ缶 パカッ! とふたを開けると、出てきたのはツナ!(画像提供:東洋製罐グループホールディングス)

 話題のツナ缶は船のように先端が少し細く丸くなっており、上面には水揚げされたマグロが描かれ、タブの部分はキャビンになっています。このかわいらしいデザインは、優れたパッケージデザインを表彰する国際的なコンペティション「ペントアワード2019」で金賞を獲得しています。

 漁船の形のツナ缶はどのようなコンセプトで誕生したのか、デザインセンターの野村岳さんに聞いてみました。


漁船ツナ缶 マグロを乗せた漁船のデザインは、「海からやって来た」というロマンを感じさせます(画像提供:東洋製罐グループホールディングス)

 ユニークなデザインのコンセプトについて尋ねると、ストーリー性のある回答が返ってきました。「『鮮度の良いマグロが海からそのまま届いた』という、物語を思い起こさせるツナ缶がコンセプトです。日常的で子どもにも食べやすいツナ缶に見た目の楽しさを加え、家族の食卓を楽しく演出するパッケージとしてデザインしました」(野村さん)。缶をデザインしたのは、東洋製罐グループホールディングスのデザインセンターの野村岳さん、川越純香さん、平野睦さんなどのメンバーが中心。


漁船ツナ缶 子どもも興味津々!(画像提供:東洋製罐グループホールディングス)


漁船ツナ缶 「ペントアワード2019」のエンブレムと、デザイナーの川越純香さん(画像提供:東洋製罐グループホールディングス)

 ツナ缶のデザインが話題になり、ネットで「かわいい」「ほしい」と反響を呼んでいることについては、「弊社のアイデアに共感いただき、大変光栄です。楽しげで瞬間的に理解できる分かりやすいデザインがみなさまの共感を得たのでは、と思っております。このような事例から普段使いのパッケージの魅力や可能性にご興味を持っていただければ幸いです」(野村さん)と、喜びとともに手ごたえを感じているようです。


漁船ツナ缶 どの角度から見ても楽しめる、ディテールに凝ったデザイン(画像提供:東洋製罐グループホールディングス)

 Twitterでは「どこで買えるんだろう」「Amazonで探したけど見つからなかった」という声もありますが、こちらは容器メーカーとしての構想を表現したコンセプトモデルのため、残念ながら商品化されることはないそうです。創立1917年、大正時代から金属、プラスチック、紙やガラスなどさまざまな包装容器を作る東洋製罐グループの、今後のパッケージデザインについて、野村さんは次のように語ってくれました。


漁船ツナ缶 こんなユニークな缶詰があれば、キッチンはもっと楽しくなるかもしれません(画像提供:東洋製罐)

 「受賞したパッケージデザインは、100年以上前から作られている『缶詰』の延長線上にあります。古くからあるものに新たな視点を加えることで、その可能性は無限に広がると考えています。昨今の社会情勢は言うにおよばず、暮らしのなかで利用されるパッケージは今後ますます重要な役割を担います。『中身をまもり、伝える』という基本的な機能に加え、暮らしのなかに「楽しさやよろこび」という彩りを添える、そんな役割をパッケージデザインが担えれば、と考えております」


漁船ツナ缶 今年、ドイツで開催された国際デザインコンペティション「iFデザインアワード2020」のプロフェッショナルコンセプトデザイン部門で「iFデザイン賞」を受賞した、折り紙状の紙パック(東洋製罐グループホールディングス公式サイトより

 「ペントアワード2019」では漁船ツナ缶とともにトレイになる段ボールで銀賞も受賞するなど、実はこれまでも包装容器のデザインで国内外で高い評価を得ている東洋製罐グループホールディングス。これからも、多くの人の注目を集める容器の開発に期待です。

(谷町邦子 FacebookTwitter

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」