「絶対に作者だとバレてはいけない」――ゲーム感覚で楽しめる作品批評会「作者人狼」が楽しそう

これ絶対楽しいやつ〜!

» 2020年06月30日 20時30分 公開
[遠近透ねとらぼ]

 作品批評会をゲームのように楽しめるユニークなアイディア「作者人狼」がTwitterで注目されています。

 紹介者は担々さん(@TantanAnd_)。1000字程度の作品を「匿名で提出する」ことで、感想会と同時に「作者当て」が楽しめる遊び。参加者が自分の正体を隠しながら駆け引きする「人狼ゲーム」のような体験ができます。

作者人狼 デジタルデータで作品を提出
作者人狼 絶対に作者がバレてはいけない……けど、作品の個性から正体がにじみ出てしまうことも
作者人狼 2作以上を提出する盤外戦術は大変だけど楽しそう!
作者人狼 小説の批評会としても参考になる

 担々さんが紹介している「作者人狼」のやり方は、(1)Googleドライブに期日までにそれぞれの下書きを匿名(ペンネーム)でアップロードする、(2)みんなで集まって下書きを読みながら感想会をする、(3)絶対に作者だとバレてはいけない――というもの。「人狼」ゲームとは異なり勝敗を競うものではないものの、正体を隠したり見抜いたりする面白さは似ています。

 隠していても、作品の傾向によって正体が看破される場合も。たとえば紹介ツイートでは「テーマがアダム・スミスの国富論で、魔法少女モノ!? こんなの書くの経済雑誌編集者しかいない」というバレバレなケースが挙げられています。

 一方「テーマが平家物語で、青銅の鏡が主人公」という要素だけでは「考古学者」か「国文学オタク」のどちらが書いたかわからない、という一筋縄ではいかない例もあったのだとか。この性質を逆手に取って、あえてほかの参加者が書きそうなものを出す……というメタ的なプレイをしても楽しそうです。

 「作者人狼」が生まれたのは、「自分の小説を人に見られるのは恥ずかしい」けど、「客観的に読んだアドバイスが欲しい」という気持ちから。提出する下書きにあらかじめ「書きたかったこと」や「欲しいアドバイス」も添えておくのがポイントです。

 あえて自分の作品の隙を指摘するなど、カモフラージュのためにあえて自作を辛口批評しなければならない可能性もあります。想像するだけでもスリリング……。でも、自作を客観視する練習になりそうです。

 キツめのコメントや意外な読み込みがあっても平然としなくてはならない厳しさがある一方、作者がわからないからこそ、お世辞抜きで褒めてもらいやすいことも「作者人狼」の大きな魅力でしょう。褒められてニヤニヤしないように気を付けなければ……!

 今は直接集まることが難しいご時世ですが、オンライン飲み会などでやっても楽しそうですね! 作風を広げるきっかけにもなりそうです。

 ちなみに担々さんは、この作者人狼のルポ(体験記)と作者8人の短編を合わせて収録したアンソロジー同人誌を次回の文学フリマ東京(2020年11月22日開催)で刊行予定。サークル名「座・Q」でエントリーしているとのことです。

画像提供:担々さん(@TantanAnd_



Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」