「事実が故にネタでしかない!!!」 “日本一フォロワー数と来館者数が比例しない”桂浜水族館の実情と希望の光(1/3 ページ)

新型コロナウイルス問題についても。

» 2020年07月05日 12時00分 公開
[あだちまる子ねとらぼ]

 自由すぎるツイートや企画が度々話題になる「桂浜水族館」(高知県、1931年開館)。COVID-19(新型コロナウイルス感染症/以下、新型コロナウイルス)拡大防止による緊急事態宣言を受け、“戦後初”の休館を余儀なくされた間も、さまざまな取り組みでファンを増やし、公式Twitter(@katurahama_aq)は全国の人気動物園・水族館と肩を並べるフォロワー数にまで急成長しました。



 一方で、営業再開から2日後の5月12日、公式マスコットキャラクター「おとどちゃん」は「ノーゲストッッッ!!!」と午前中時点での来場者数が0人だとTwitterで報告。SNSで人気を博しながら“閑古鳥が鳴く”同館の状態を「日本一フォロワー数と来館者数が比例しない水族館!!!!」と自虐混じりに伝えたのです。



 「日本一フォロワー数と来館者数が比例しない」は“ネタ”なのか、それとも“事実”なのか。同館の広報担当者に確認しました。あわせて、SNS運用のコツ新型コロナウイルスの影響などを伺ったところ、とても興味深い回答をいただきました。ぜひ最後までごらんください。

2019年の来場者数は約10万人

 同館の過去5年間の来場者数は約43万人。2015年の約7万人から徐々に数を伸ばし、2019年には約10万人を達成しました。現在の目標は年間15万人です。


桂浜水族館 年間来場者数

推移

2015年:約7万人

2016年:約7万人

2017年:約8万人

2018年:約9万人

2019年:約10万人

※端数切捨て


 ちなみにこの数字はどれくらいなのか。「公益社団法人日本動物園水族館協会(JAZA)」が毎年公表している年報によると、2018年度実績の来館者数1位は「美ら海水族館」(沖縄県)の約372万人。4位の「サンシャイン水族館」(東京都)が約174万人、10位の「須磨海浜水族園」(兵庫県)が約110万人と、トップ10はいずれも100万人を突破しており、文字通り桁違いです。

Twitterランキングはトップ10入り

 そんな同館の公式Twitterフォロワー数は、6月末時点で約16万9000人。実はこれは国内の水族館アカウントのトップ10に入る数字です(※ねとらぼ編集部調べ)。「お前ら人類、聞こえますか?」と、開館から45分たってもノーゲストの状態を嘆くおとどちゃんのツイートをはじめ、「うち、歩合制なんです!!!」と土下座で来園をお願いする写真や、“飼育員ヲタ垢”とまでいわれる飼育員さんたちのオフショットが、「面白い」「ぶっ飛んでる」と度々注目を集めます。


桂浜水族館 休館前は7万人 休館中に14万人突破

推移

2016年12月:約1200人

2017年12月:約3050人

2018年12月:約2万6000人

2019年12月:約6万人

2020年5月:約14万7000人

2020年6月:約16万9000人


 他の“公式”とは一線を画す、同館Twitterの「親しみやすさ」や「ファンとの交流」はどのようにして生まれたのでしょうか。広報担当者に運営方法やバズるコツ、そして“日本一フォロワー数と来館者数が比例しない水族館”という肩書への見解を率直に聞いてみました。


――Twitterの担当者は1人なのでしょうか?

 時々「中の人変わった?」とか「中の人何人いるの?」と言われますが「おとどちゃん」1人です



――自由な投稿について上の人は寛容なのでしょうか?

 寛容です。当初はめちゃくちゃハラハラしたそうですが、今は逆に「真面目すぎ」とか「大人しすぎ」「おもんない」と言われます。

――定期的にバズるコツを教えてください

 いい意味でも悪い意味でも一時のテンションとノリと直感と脊髄反射(狙ってやるとバズらない、調子に乗り過ぎるとたたかれる)。

――一方で伸びていない投稿も時々見られますが……正直へこみますか?

 一切合切へこみません! タイムラインを追ってフォロワーさんのあれこれを監視したりもしないといけないのでいちいちへこんでる暇はありません。

――“日本一フォロワー数と来館者数が比例しない水族館”という肩書について、実際のところどのように捉えていらっしゃいますか?

 事実が故にネタでしかない!!!

――比例しない理由は?

 いろいろ考えられますが、一つはアクセスが良くないことです。桂浜水族館は遠い県外に住んでいるファンの方が多いことに加え、もともとのアクセスの悪さ(四国の高知の桂浜\辺鄙/)もあります。高知県の魅力がまだまだ県外の方に伝わってないのでしょう。桂浜だけでなく他の観光地や食文化の良さが露出していないことは、高知を旅行先に決めるのにとても不利だと。だって桂浜水族館のためだけに高知に行くぞ! ってなっても、せっかく行くのだったら「他に何があるの?」ってファンの方もなると思います。

 いくらファンだとはいえ、さすがに桂浜水族館だけでは「高知」を満喫できないでしょうし、他施設や食文化を楽しんでこそ「高知っていいな、桂浜水族館また行きたいな」って思うはずです。

 高知の魅力自体がまだまだ取り上げられていない、浸透していないことも旅行先に決めかねる原因であり、当館が「日本一フォロワー数と来館者数が比例しない水族館」である一つの要因であると思います。



       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2503/10/news085.jpg 夫に「ゴミ買ったの?」と言われたハギレを並べて縫っていくと…… とんでもない完成品に「ワクワクしかない」「かわいすぎる!」
  2. /nl/articles/2503/10/news122.jpg 【べらぼう】“最後”のシーンに「最終回かと」「神回」 27歳俳優が「あんなに演技上手かったんだ……」と話題
  3. /nl/articles/2503/10/news100.jpg 新山千春の娘・もあ、高校卒業後は海外へ「ダンサーの夢に向かって」 高校最後の弁当も公開
  4. /nl/articles/2503/09/news003.jpg 「恩師ビックリするやろなぁ」 中学3年で付き合い始めた“同級生カップル”が10年後…… まさかの現在に反響
  5. /nl/articles/2503/09/news010.jpg ダイソーのセルフレジが「身に覚えのない商品」を認識→“まさかの正体”に大仰天 「そんなことあるんですね」
  6. /nl/articles/2503/08/news043.jpg グッズを高額転売された人気VTuber→「強すぎる」まさかの対処法が「天才か?」「めっちゃいい案」と560万表示
  7. /nl/articles/2503/10/news107.jpg 「お前はーーーッ!!」 マクドナルド、謎のキャラクターを“ドアップ”でネタバラシ→分かる人には分かる“顔”に「おかえりなさい!」
  8. /nl/articles/2503/10/news098.jpg 『ちいかわ』にミスド登場!? エンゼルクリーム売上好調か 「かなり売れてた」「みんな買っている」
  9. /nl/articles/2503/03/news065.jpg 【べらぼう】“問題のシーン”、「子供に見せられない」 身体張った27歳俳優へ「演技やばくない?」
  10. /nl/articles/2503/10/news034.jpg ウサギの帽子をかぶった赤ちゃんが5年後…… 同じ帽子で撮影した“現在の姿”に反響「成長って凄いですね!」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 【べらぼう】“問題のシーン”、「子供に見せられない」 身体張った27歳俳優へ「演技やばくない?」
  2. 40代女性、デートに行くため“本気でメイク”したら…… 別人級の仕上がりに「すごいな」「めっちゃ乙女感出てる」
  3. 30年以上前の製品がかっこいい ソニーの小型ラジオのデザインが「すごい好き」「いまでも通用しそう」
  4. 幼くてかわいらしい兄妹が4年後…… 同じポーズで撮影した“現在の姿”に「これはあかん」「よすぎて声出ました」
  5. 「早く買えば良かった」 無印の1490円“本格せいろ”が690万表示の反響 「ほぼ毎日使ってる」「まっっじでいい」と感動の声
  6. ごはん炊き忘れた父「いいこと閃いた!」→完成した弁当に爆笑「アンタすげぇよ!」 息子「意味ねぇことすんなよ」
  7. 使わなくなった折りたたみ傘→切って縫うだけで…… 驚きのアイテムに変身「こうすればよかったのか!」「見事」【海外】
  8. 高3女子「進学を機にイメチェンしたい」→美容師に依頼すると…… 仕上がりが「すげえええ」「鳥肌立ちました」と1000万再生
  9. とんでもない量の糸をくれた先輩→ママがお返しに作ったのは…… 完成した“かわいいアイテム”に「絶対喜ばれるやつ!」
  10. 「洗濯機が壊れた!」→修理を頼む前によくよく調べてみると…… 「えぇ〜」“まさかの原因”が200万表示「何度もやりました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 最初に軽く結ぶだけで…… 2000万再生された“マフラーの巻き方”に反響「これは使える」「素晴らしいアイデア」【海外】
  2. コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
  3. パパに抱っこされる娘、13年後の成人式に同じ場所とポーズで再現したら…… 「お父さん若返った?笑」「時止まってる」2人の姿に驚き
  4. 和菓子屋で、バイトの子に難題“はさみ菊”を切らせてみたら……「将来有望」と大反響 その後どうなった?現在を聞いた
  5. 古いバスタオルをザクザク切って縫い付けると…… 目からウロコの再利用に「すてきなアイデア」【海外】
  6. 「14歳でレコ大受賞」 人気アイドルがセクシー女優に転身した理由明かす 家族、メンバー、ファンの“意外な反応”
  7. 希少性ガンで闘病中だったアイドル、死去 「言葉も発せないほどの痛み」母親が闘病生活を明かす
  8. “きれいな少年”が大人になったら→「なんでそうなったw」姿に驚がく 「イケメンの無駄遣い」「どっちも好きです!笑」
  9. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  10. 芸能界引退した「ショムニ」主演の江角マキコ、58歳の近影にネット衝撃「エグすぎた」 突然顔出しした娘とのやりとりも話題に