「盗めるアート展」主催が開催当日の混乱について謝罪 作品画像を後日公開予定
深夜に来場者が殺到する騒ぎとなっていました。
展示作品を「許可なく持ち帰りできる」というユニークさが話題を呼んだ「盗めるアート展」について、主催側が開催時の混乱についての謝罪コメントを発表。作品のアーカイブ画像を後日公開予定であることを明かしました。
展示会は7月10日0時に開場予定でしたが、深夜にもかかわらず大量の来場者が殺到したため警察も出動する騒ぎとなり、オープン時間前の23時台にやむを得ず開場。0時前には全ての作品が「盗み出され」てしまい、混沌としたイベントの様子はSNSでも広く拡散しました。
主催側は公式サイト上で、近隣住民や時間通り訪れたにもかかわらず作品を観覧できなかった来場者に謝罪。意識の甘さを「猛省し、今後の活動に生かして参ります」としました。ねとらぼでは主催側に取材を申し込みましたが、サイト上の内容以上のコメントは差し控えるとの回答でした。
参加者の声は
同イベントでは会期中は「無人」での営業となることが目玉でしたが、それはあくまで作品を持ち帰る人をとがめるスタッフを置かないという意味で、運営の人間が全くその場にいないという意味ではありませんでした。当日、スタッフによる指示はどのようなものだったのでしょうか。
現地を訪れた来場者3人に取材したところ「混雑のためスタッフからの具体的な指示はイマイチ聞き取れなかった」「列はあってないようなものだった」「少し離れたところで見ていたが、前触れもなく開場してゾロゾロと人が入っていき大混乱となった」と、詰めかけた人数の多さに対し、現地でのアナウンスは足りていなかったという意見が相次ぎました。また、公式Instagramやサイト上などで、注意喚起や状況説明の発信が適切に行われなかった点に対しても、厳しい指摘が見られました。
SNS上では「盗まれた」作品がその後メルカリなどに多数出品されていることも話題となりました。イベントを巡るこうしたカオスな盛り上がりについては、「展示品が転売されるまでが作品なのかなと理解しています」とコンセプトを評価する意見も見られた一方で、「近所の方も迷惑がっており、そこはアートうんぬんというよりモラルと礼儀(の問題)だろうという感じです」と、当日の仕切りのまずさをあらためて指摘する意見も上がりました。
3人はいずれも開場時刻前に現地に到着したものの、作品を鑑賞したり盗んだりすることはかなわなかったとのこと。ただし9日18時から行われたオープニングレセプションに訪れた人は「落ち着いて作品を鑑賞できた」そうです。
コンセプトの斬新さから、開催前から大きな注目を浴びた今回の「盗めるアート展」。主催側が声明文で認めている通り、反省も残る結果となりましたが、もし第2回目の開催があるとしたら、今回の経験を生かした形になるのを期待したいところ。
また、同イベントには作品と来場者の新しい関係性を模索する意図があり、「盗む作品は一組につき一点限り」というルールも定められていました。ところがメルカリ上には1つのアカウントから複数の作品を出品している例も確認できます。このような参加型イベントでは、来場者の当事者意識やモラルも必要不可欠。次回開催があれば、こちらの点にも注目したいところです。
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