亡き母のボイスメッセージが入ったぬいぐるみが盗難被害に ネットで捜索の輪が広がり無事に返還(1/2 ページ)
録音された大切なボイスメッセージも残っていました。
病気で亡くなった母親の声を録音した世界で一つだけのぬいぐるみが盗まれた――こんな捜索願いがTwitterで呼びかけられ、俳優のライアン・レイノルズさんが報奨金を出すなど大きな注目を集めました。やがてぬいぐるみは無事な姿で返却され、感動が広がっています。
捜索を依頼したのはカナダのバンクーバーに住むマーラ・ソリアーノ(@drawmaradraw)さん。引っ越し作業をしている途中、リュックが何者かの手で盗まれてしまったといいます。そしてそのリュックの中身が大切なクマのぬいぐるみだったのです。
2017年のクリスマス、マーラさんは母親からぬいぐるみをもらいました。ボイスレコーディング機能を搭載したそのぬいぐるみには、「私はあなたをとても愛していますし、誇りに思っています。私はいつもあなたと一緒ですよ」という言葉が記録されていました。そしてそのクリスマスから2年も経たない2019年の6月、マーラさんの母は病気のため他界しました。
地元メディアが盗まれたぬいぐるみの目撃情報を募集したツイートはたちまち注目を集め、3万回近くリツイートされました。マーラさんも目撃情報の貼り紙をしたり、母親との思い出の写真を投稿するなどして、情報を必死に探し回ります。
するとツイートを目にしたセレブたちが即座にぬいぐるみの捜索を支援。デッドプールシリーズで主人公を演じるバンクーバー出身の俳優ライアン・レイノルズさんが、返還した人には5000ドル(約53万円)の報奨金を支払うと表明しました。ザック・ブラフさん、ダニエル・レヴィさんなど俳優たちが引用リツイートで支援。「#FoundMarasBear」とハッシュタグが付いた投稿で、捜索の応援が広がっていきました。
目撃情報を呼びかけた翌日、盗まれた時間帯や場所の情報から、リュックを持ち去った犯人を記録した防犯カメラの映像が公開されました。そしてまた翌日、新たな記録映像が公開され、犯人を見つけ出すまであと一歩という期待が高まりますが、盗まれたぬいぐるみの発見には至りません。
捜索を発表してから3日目の朝、マーラさんは「とてもつかれてしまいました。フルタイムで仕事をして、引越作業を終えて、まともに睡眠と食事をとれていません。報道の方々と話し、路地を歩き、道行く人に情報を求めています。今日はゆっくり休むつもりです」とツイートし、疲弊しきっていることがうかがえます。
しかし疲弊してしまったと言葉を残した同日の夜、クマのぬいぐるみを抱えて笑顔を見せるマーラさんの写真が投稿されました。犯人から奪い返したという男性2人から、ぬいぐるみを受け取ったというのです。録音されていた音声も無事に残されており、そのまま戻ってきたのでした。
ニュースを聞いたライアン・レイノルズさんも喜び、「捜索してくれた皆さんありがとう。ぬいぐるみを盗んだ人も、クマをきちんと保護してくれて感謝します。バンクーバーはすばらしい」と自分のことのようにコメント。マーラさんも「ありがとう、ライアン! あなたが発信してくれなかったら、こんな結果にはなり得ませんでした!」と喜々としてコメント。「本当にうれしい」「この世界の希望ですね」などの反応や、「デッドプールにマーラとクマのぬいぐるみを登場させてくれませんか? 盗んだ悪党をやっつけてみては」などのおちゃめなコメントも寄せられました。
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