ノスタルジックな「泊まれるスナック街」に注目 青森のスナックビルを看板や外装そのままにホテル化
11軒のスナックをテーマ別にリノベーション。
青森県弘前市の歓楽街、鍛治町のスナックビルをホテルにリノベーションした、「GOOD OLD HOTEL」が近ごろ注目を集めています。つやめいたスナックのドアを開けると、酒場ではなく客室が!
昭和に栄えた集合施設「グランドパレス」のスナック11軒を、外装やドア、看板を生かして客室に改装。内装は照明や使えそうな造作を残しつつ、それぞれ異なるイメージに整えているそうです。年季の入ったシャンデリアや、かつてボトルが並んでいた飾り棚など、部屋ごとに見どころがあります。
Twitterでは「コロナが終息したら泊まりたい」「青森に行きたい理由が増えた」「飲んで酔っ払ってそのまま泊まれるみたいな設定最高」と好評。
ねとらぼ編集部は運営を担うキンキエステートの営業部長、野村昇平さんに開業の経緯など詳細を聞きました。
レトロとテクノロジーの融合した施設を
―― どういういきさつでスナックをホテルにリノベーションしたのでしょうか?
野村 弊社は全国で競売物件を仕入れてリノベーションを施し、保有もしくは売却をしており、今回のスナックビルも同様に購入しました。きっかけは、現地視察の際に、スナック時代の看板や内外装がそのまま残っていたことです。2019年当時のインバウンド需要や、宿泊施設のIT技術による無人運用の可能性、弘前の豊富な観光資源、青森の観光客数の増加傾向をふまえ、レトロとテクノロジーが融合した宿泊施設を企画しました。
―― 部屋の名前も元のスナックのままなんですね
野村 スナックはほぼ全て、その場所に残っていた看板を使わせていただいております。1軒のみ看板がなくなっていたので、同じ建物内に余っていた看板を持ってきました。ドアに貼られたシールなども、ほとんど当時のままとなっています。また、内装の一部や照明など使える部分はそのまま残して使っています。各部屋はそれぞれ全く異なる内装となっているので、リピートしていただいても楽しめるようになっています。
―― 11の部屋で人気があるのは?
野村 ボトル棚が残る「ターゲット」が人気です。また、丸太が並んだコテージのような作りの「プードル」もおすすめです。ほかにも“リンゴ部屋”の「ニューうさぎ」など、今後は各部屋のコンセプトをより際立たせて、内装にもこだわっていければと考えています。
―― コロナ禍の影響はいかがでしょうか
野村 メインターゲットが国内外の観光客の方々でしたので、新型コロナの影響は大きく受けています。しかし、地元紙の記事に掲載していただいたり、地元弘前の飲食・宿泊事業向けのキャンペーンの影響もあり、少しずつ地元のかたがたに使っていただいている状況です。
宿泊予約からチェックイン・チェックアウトまで、ホテルのスタッフとお客様は一度も対面せずにご利用いただけるので、このような状況ではありますが、少しでも安心して宿泊いただければうれしいです。
―― 行政などからの支援はありましたか?
野村 オープンと同時に弘前市旅館ホテル組合に所属させていただき、地元弘前の飲食・宿泊事業向けのキャンペーンである「食べて泊まって弘前応援キャンペーン」の対象ホテルになっています。7月22日から12月31日までの間、青森・秋田・岩手に在住のかたと一緒に宿泊いただくと、1人あたり1泊2000円の割引と、飲食券2000円分の特典が受けられてお得です。
同社は弘前観光の拠点や、鍛治町で飲んだあとの宿泊手段に有用とアピール。コロナ渦が落ち着くころには地域の飲食店や観光産業と連携し、飲食店を巡るきっかけになるような「はしご酒プラン」なども検討しているとのことです。
※価格は記事掲載時点のものとなっています
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まだ、ギリギリどうにか営業中。今のうちに行っておきたい!
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