スマホ版「フォートナイト」が相次ぎストアから削除に 背景にはApple/Googleによる“独占体制”への抗議(1/2 ページ)
プラットフォーマーとゲーム会社が正面から対立する形に。
8月14日(日本時間)の未明から朝にかけ、スマートフォン版「フォートナイト」が、App StoreとGoogle Playストアから相次いで削除され、ユーザーの間に驚きが広がっています。既にダウンロード済みのユーザーはこれまで通り遊べているようですが、ストアからの新規ダウンロードは不可能な状態(Android版は公式サイトからであればダウンロード可能)。
最初に動きがあったのはiOS版で、日本時間の8月14日未明、突然App Storeからガイドライン違反でアプリが削除に。直後、Epic GamesはAppleへの抗議映像を公開するとともに、Appleを提訴したことをTwitterで公表しました。
抗議映像は日本語でも公開されており、それによると「Epic GamesはApp Storeの独占に異議を唱えました。報復として、Appleは10億のデバイスでFortniteをブロックしています」「2020年を『1984』にしないための闘いに参加してください」とのこと。映像自体も、過去にAppleが放映したCM「1984」のパロディーで、Appleによる“独占体制”を強烈に皮肉ったものでした。また、それから数時間後にはAndroid版アプリもGoogle Playストアから削除されています。
ガイドライン違反の理由は、Epicが8月13日に発表した「EPIC ディレクトペイメント」という課金システムにありました。これは簡単にいえば、App Store/Google Playストアを経由せず、Apple/Googleへの手数料支払いを回避することで、通常よりも安い価格でゲーム内アイテムが購入できるというもの(手数料分をユーザーに還元するという考え)。当然ながらApple/Googleのガイドラインではこうした「回避策」を認めていませんが、前述の「独占に異議を唱えました」「闘いに参加してください」といったコメントを見る限り、Epic側は間違いなく確信犯的にこれを実装していたことがうかがえます。App StoreやGoogle Playストアの利用手数料の高さ(購入価格の30%)は以前からアプリ開発者の間で問題視されてきましたが、ここまではっきりと、正面から抗議したケースは今回が初めてといえそうです。
「フォートナイト」の登録プレイヤー数は今や全世界で3億5000万人を超えており(全プラットフォーム合計)、あくまで1タイトルとはいえ、その影響は小さくありません。今後Apple、Googleがどのような対応に出るのか、対応や訴訟の行方に注目が集まります。
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