ハッシュタグ「漫画家は自分が体験したことしか描けない」に漫画家から反論続々 → そもそもそんな発言をしたのは誰?(1/2 ページ)

一体みんな誰と戦っているんだ。

» 2020年08月19日 17時10分 公開
[沓澤真二ねとらぼ]
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 Twitterで8月14日ごろから、ハッシュタグ#漫画家は自分が体験したことしか描けないが盛り上がりを見せています。「だとすればファンタジーは誰にも描けない」「作家の想像力を軽く見ている」など、特に漫画家からの反論ツイートが多数。一体誰が「漫画家は自分が体験したことしか描けない」なんて言い出したのか……? ところが調べてみると、そもそもそんなことを言った人は存在しなかったようです。


創作 「漫画家は自分が体験したことしか描けない」といい出したのは誰だったのか……?

 確かに、創作物の内容に作者の経験が反映されることは多々ありますが、「体験したこと“しか”描けない」は過言でしょう。その挑戦的な文言から、このハッシュタグは多くの反発を招き、一時はトレンド入りする勢いに。運転経験がないにもかかわらずカーチェイスを描き切った園田健一さんのエピソードをはじめ、当の漫画家による言及も注目を集めました。



 ただ、この流れには不可解な点が1つ。投稿されたツイートの大多数は「ハッシュタグ名に対する反論」であり、話題の発端となった人は誰なのか、そもそもそんな発言があったのかもよくわからないまま、ハッシュタグだけが広がっていっているのです。

 そんな中、小説家の蛙田アメコ(@amecokaeruda)さんが、「自分が騒動の火種です」と名乗り出ました。蛙田さんによると、発端になったツイートは、自身が投稿した『作家は経験したモノしか書けない』『作品がこうだから、作者はこういう人間のはずだ』という話、目にするたびに『えー!』と思ってしまいますというツイート。そう、誰かが実際にそういう発言をしたわけではなく、「しばしば見かけるそういう言説」への反論が発端だったのです。



 蛙田さんにしてみれば、古くからしばしば議論されてきた話に少々意見しただけのこと。ただ、このツイートがきっかけで、そこから「『作家は体験したものしか書けない』と主張する架空の人物」がいつしか誕生し、無用な怒りを招きながら伝染していったのでは――蛙田さんはそう推理しました。

 蛙田さんは騒動の経緯をまとめてnoteに投稿。「『反論する人』が人々に認知されることで『もとは存在していなかった敵』が虚空に発生」したのだと、今回のできごとを振り返りました。ねとらぼの取材には、「昔から繰り返されてきた話題なだけに、加速度的に広がったのだと思います。『火のないところに煙は立たず』というけれど、火はなくても人はキャンプファイヤーをするんだなぁ、人間っていとおしいなぁと感じました」と答えています。



 そんないきさつが知られぬまま議論は続き、ハッシュタグは数日に渡って流行。反論代わりに、体験したことだけでは描き得ないような、奇想天外な漫画を紹介するツイートも多数寄せられています。

 さらに、あえてハッシュタグに乗っかった漫画家の体験談漫画紹介や、「荒木飛呂彦はもちろん全部体験してることしか描いてないし年齢3000歳超え」といった大喜利的な展開も。発端の話から大きく逸脱し、不思議な盛り上がりを見せています。


協力:蛙田アメコ(@amecokaeruda)さん



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