「高速道路、ついに時速120キロ解禁」 つまりどういうこと?(2/3 ページ)

» 2020年08月29日 13時00分 公開
[少年Bねとらぼ]

最高速度を上げられる路線、上げられない路線

 いくつかの新しい路線を中心に、第一種第一級の道路は「時速100キロ以上」の設計速度で造られています。その一方で、高速道路であってもそれに該当しない道もあります。ですから、どの道路も一律に最高速度を引き上げられるわけではありません。

 例えば、都市高速道路として第二種の規格で設計されている首都高速道路の設計速度は、大部分が時速60キロ、一部区間(首都高湾岸線など)が時速80キロです。今回の話題において、首都高の速度制限が時速120キロに引き上げられることはないでしょう。

首都高の設計速度は大部分が時速60キロ 首都高の設計速度は大部分が時速60キロ(首都高速の再生に関する有識者会議 資料より)

 「時速120キロ化」の対象路線は、第一種第一級の道の中でも、20キロ以上の路線長があり、死傷事故率が低く、時速80キロ制限のままとなる大型貨物車や渋滞が少ない区間から対象にしていくとされます。

 そのため最高速度を引き上げる路線の選定も慎重に行われており、対象がかなり限定されるのはこの理由と思われます。対象の路線は、いずれも設計速度が時速120キロ以上の第一種第一級として建設されている区間です。

 前述した試行区間である東北道の花巻南IC〜盛岡南IC間以外は「片側3車線以上」の道路幅を確保しています。一部暫定4車線である新東名の御殿場JCT〜浜松いなさJCT間も片側3車線化工事が行われています。

新東名は2020年現在工事中の区間も含めて第一種第一級で整備予定 新東名は2020年現在工事中の区間も含めて、第一種第一級で整備予定(NEXCO中日本 個別事業の評価資料より)

関西圏・他地区の高速道路も最高速度は上がる?

 近く「時速120キロ化」と想定される路線は多くが関東・東海地方近郊(一部東北地方)です。しかし、もちろんそれ以外にも第一種第一級として建設されている区間は存在します。

 例えば、2023年の全線開通に向けて工事が進められている「新名神高速道路」は、全線第一種第一級として整備され、設計速度も一部を除いて時速120キロです。時速120キロ化実現の可能性はあるでしょう。

 その他の路線についても、各区間を管轄する警察が今後、高速道路会社と調整して速度の見直しを検討するとしています。

2023年に全線が開通する新名神は、整備中区間を含め全線が第一種第一級で整備される 2023年に全線開通する新名神は、整備中区間を含め全線が第一種第一級で整備される(NEXCO西日本「事業再評価資料」より)
120キロ区間は今後、広がる可能性も 時速120キロ区間は今後、広がる可能性もある

 ネットでは「技術者・研究者が心血を注いだ120km/h以上の設計速度の高速道路がやっと認められる時が来た」という技術者の方の声が特に印象的でした。

 このほか、「設計速度120km/hを超える高速道路で100km/h規制を続けることは、国民の財産を無駄にする事だと言う意見も理解出来る」「区域内のオービスとか設定どうすんねやろ」「東北道の試験区間を走ったことあるけど、大型車との速度差が大きくて結構走りにくかった記憶がある」「制限設けず運転手の専決事項でええやん」「そんな速度出るかな/怖い」「速度取り締まりも強化する、アメとムチの方策かも」など、それぞれの人の視点で述べられた多くの反応や声が上がりました。

 なお、警察は「最高速度が引き上げられるとしても、その最高速度で常に走行する必要はない。交通状況に応じた安全な速度で走行してほしい」とも述べています。最高速度の引き上げによるよい効果を大きく期待しつつ、変わらず安全運転、運転マナーやモラルの向上を心掛けたいものです。

少年B



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