“読者への嫌がらせ”のためにわざと乱丁・落丁・無裁断 印刷会社にお断りされまくった東方projectの同人誌『この作者、天邪鬼につき』
狂ってる(ほめ言葉)。
同人誌制作者さんに作品へのこだわり、思い入れなどを伺う読者応募企画「装丁にこだわりまくった同人誌、教えてください」。今回は「“わざと乱丁・落丁・無裁断”というハチャメチャなコンセプトにした結果、印刷会社に断られまくった」という作品のお話を伺いました。……というか、最終的によく刷ってくれるところ見つかりましたね、それ。
『この作者、天の邪鬼につき』
- サークル名:すずだんご(Webサイト)
- 制作者名:土露団子(Twitter:@dango_doro)
- 印刷所の支援も兼ねて、本文紙を折丁ごとに10社以上またいで製本する特殊合同誌『東方ええじゃないか合同』を10月中旬頒布予定(10月11日:東方紅楼夢、/10月18日:秋季例大祭)
「さまざまな『嫌がらせ』が次々と読者に襲いかかる仕組みになっております」
主に「東方Project」というジャンルで二次創作活動をしております、同人小説系サークル「すずだんご」代表の土露団子と申します。
コミックマーケット96(2019年夏)にて頒布した『この作者、天邪鬼につき』は、「鬼人正邪」という天邪鬼(あまのじゃく)なキャラクターが、実際に本の中で縦横無尽に暴れ回るといったストーリーになっております。したがいまして、通常の本ではあり得ない乱丁・落丁・無裁断をはじめとした、さまざまな「嫌がらせ」が次々と読者に襲いかかる仕組みになっております(読者の皆さまは刃物をご用意し、本を切り進めながら読んでいただく必要がございます)。
―― なぜそのようなコンセプトに?
この同人誌は制作当初、「鬼人正邪という天邪鬼なキャラクターが主人公で、物語が二転三転する」という、ストーリー面での天邪鬼さだけを考えていました。
ですが、「果たして天邪鬼がそのようなストーリーの枠だけに収まりきれるのか」「天邪鬼ならもっと天邪鬼なことを仕掛けてくるのではないだろうか」と思考を巡らせた結果、ふと「読者に嫌がらせをする本」という発想に至り、このような特殊な形(乱丁落丁無裁断本)で制作することにいたしました……というのが1つのきっかけです。
他にも「装丁に関する自分の知識を総動員させた作品を作りたかった」「そもそも東方Projectというジャンルが、このような突拍子もない創作物に比較的寛容」といった理由もあります。
―― かなり変わった本だと思うのですが、依頼した印刷会社さんの反応は?
至極当然ですが、本の概要を丁寧に説明すればするほど、印刷会社の担当者さんの目や声が曇っていき、説明し終えるころに「……あの、大変申し上げにくいのですが……」と丁重にお断りされるケースが続きました。正直、「あっ、面倒な客が来たな」という反応でしたね(笑)。
最終的に、この依頼を引き受けてくださった印刷会社さんの担当さんも「こんな本を作ろうとする作者が一番天邪鬼だ」と半ばあきれたように笑っていらっしゃいました。
ただ、あまりにも複雑怪奇な本ゆえ、こちらのミスもあって何度か本当に乱丁落丁させてしまった苦い経験もあります。印刷会社さんとしても、正しく意図する通りに乱丁落丁させるのは、とても大変だったようです。
―― 普通だったらワケが分からない状況ですからね、“正しく意図する通りに乱丁落丁”って。
完成版が刷り上がった後も、本文中にパケ(麻薬)を模した真っ白な粉末を仕込む作業があり、具体的に言うと、業務用コンスターチ(※)をスプーンひとさじ分すくい上げ、透明なチャック袋に入れては、指定のページにセロハンテープで貼り付ける作業を1冊1冊やっていきました。
8月初旬にこの作業をしていた(本書は2019年の夏コミに合わせて出したため)、クーラーや扇風機を回してしまうとコンスターチの粉が風で舞ってしまうので、締め切った部屋の中、サークルメンバー皆で汗だくになりながら作業をしておりました。
※コーンスターチ:トウモロコシを原料に製造されたデンプン。お菓子作りのほか、印刷分野などでも用いられる。ちなみに『この作者、天邪鬼につき』の読者からは「イベント帰りに、警察から職質を受けてヒドい目にあった」という報告もあったとか。
本企画では取材させていただける方を常時募集しています
関連記事
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
しぶとい雑草“ドクダミ”を生やさない超簡単な方法が115万再生! 除草剤を使わない画期的な対策に「スゴイ発見」
-
パパに笑顔を見せる4カ月の赤ちゃん、ママの顔を見ると…… あるあるな反応に「なんで?!」「ママをすごく信頼してる証拠」とさまざまな声集まる
-
スーパーで買ったレモンの種が1年後…… まさかの結果が635万再生「さっそくやってみます」「すごーい!」「手品みたい」
-
顔の半分は童顔メイク、もう半分の仕上がりに驚がく 同一人物と思えない半顔メイクが860万再生「凄いねメイクの力」
-
小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
-
釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
-
巨大ウサギのデカさを伝えるため、2Lペットボトルを横に置いてみたら…… 衝撃の比較結果に「えっ、500mlじゃないんですか」「マジで大きい」
-
元「AKB48」メンバー、整形に250万円の近影に驚きの声「整形しすぎてて原型なくなっててびびった」
-
実写「シティーハンター」、最後まで見るとあるはずの仕様がない配慮「わかってる」「粋なはからい」「いい判断」
-
身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
- 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
- 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
- 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
- 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
- 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
- 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
- 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
- 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
- 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
- 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
- フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
- 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
- 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
- フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
- スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
- 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
- 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
- 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
- がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
- 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」