電撃文庫……じゃないだと!? ある小説サークルが手掛ける“商業ラノベ風装丁の同人誌”が本屋で見た気しかしない

裏表紙にはバーコードまで。

» 2020年09月15日 20時00分 公開
[ねとらぼ]

 同人誌制作者さんに作品へのこだわり、思い入れなどを伺う読者応募企画「装丁にこだわりまくった同人誌、教えてください」。今回は「電撃文庫風の装丁で同人誌を作り続けている小説サークル」にお話を聞きました。並べたときの“本屋さんのラノベコーナー感”がスゴい。

  • サークル名:東方人犬/横須賀瑞交社(「艦隊これくしょん」活動時)
  • 制作者名:なるみ(Twitter:@narumin10
  • 東方Project、艦隊これくしょんの二次創作小説を中心に活動中。小説は基本長編のため、ページ数は250ページを超え、上下巻のものになると500ページを超えることもある。原作の設定を独自の解釈で膨らませ、それを物語のギミックとして組み込むのが特徴。

「“書店に並んでいても違和感のない装丁”を目指して」

―― このような装丁で同人誌を作るようになったきっかけは?

 昔の話になってしまいますが、今から10年以上前、ライトノベルの新人賞に投稿していた時期があり、商業ラノベへの憧れがありました。その数年後、同人活動を始めたのですが、初めに作ったのは漫画でした。私がネームを切り、友人が作画するという形で。

 そのうち友人が忙しくなり、「自分1人で制作するなら小説だろう」と。どうせ作るのであれば本格的なものを作ろうということで、同人活動で知り合った方に協力をお願いして、電撃文庫をモチーフに“書店に並んでいても違和感のない装丁”を目指して発刊することにしました。

 1冊目のときは、細かい仕様をデザイナーさんにけっこう丸投げしてしまったのですが、2冊目、3冊目と作っていくなかで、自分でも本文フォントや表紙デザイン、組版などの知識を独学で身につけていき、最新刊では表紙カバーの全体レイアウト(イラストとロゴの配置)、背表紙、裏表紙のデザインは自分で手掛けるようになりました。

 最新刊ではカバー裏、目次なども自分でデザインしていて、やはり電撃文庫風です。それ以前だとデザイナーさんにお任せしていたので、それぞれの個性が出る形になっています。

最新刊『愛しい弟子の育て方』

 気に入っているポイントの1つは帯のキャッチ。自分の考えたキャッチがデザイナーの方の手でどのように表現されるか毎回楽しみにしていて。いつも効果的に表現していただいていますね。

 もう1つは裏表紙のバーコードです。

―― そういえば商業誌ではないのに、バーコードが入っていますね。

 ちゃんとバーコードリーダーで読むこともできるんですよ。書籍出版物の識別に用いられる「ISBN」(国際標準図書番号)をパロった「ISDN」(国際標準同人誌番号)というものがあり、そちらに毎回登録して発行していただいた番号を記載しています。

本企画では取材させていただける方を常時募集しています

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