「cali≠gari」配信ライブの「自称関係者席」はどのように生まれたのか? 気軽に聞いたら存在しないインタビューの原稿が送られてきました(1/3 ページ)

インタビュアー、誰?

» 2020年09月15日 21時00分 公開
[小林夏帆ねとらぼ]

 バンド「cali≠gari(カリガリ)」の配信ライブのチケットシステムが「センス凄すぎませんか?」「おもしろすぎる」とTwitterで話題になっています。

 ゲストパスとセットリスト付きで思う存分関係者ぶれる「自称関係者席」や、ボーカル用の歌詞を表示するプロンプター目線で見られる「あなたのプロンプター席」など、配信ライブならではのチケットはどのように企画されたのでしょうか。

cali≠gari ピーピング エロチカ2020 cali≠gari 左から、村井研次郎(Ba.)、石井秀仁(Vo.)、桜井青(Gt.)

 カメラの場所が異なる6種類の配信チケットが発売されるのは、「ブルーフィルム -Revival-」リリースツアーの“特殊”配信企画「ピーピング エロチカ2020」。

 客席後方からの「自称関係者席」2020円(税込、以下同)、ボーカルの足元の「あなたのプロンプター席」1万4100円、上手側を映す「スペイシーギター席」2500円、下手側を映す「ベースキッズ席」2500円、ローディ気分で舞台袖から見られる「スタッフなりきり席」は上手・下手共に2500円と、場所によって値段も異なります。

cali≠gari ピーピング エロチカ2020 「ピーピング エロチカ2020」「クライマックス エロチカ2020」の座席一覧。チケットの種類こんなに多いことある?

 SNSで特に話題を呼んでいるのは、配信チケット中でも1番リーズナブルな「自称関係者席」。このチケットでは、関係者用のゲストエリアが設置される客席後方からの定点映像が見られます。

 注目すべきは、「終演後のメンバーの挨拶」「ゲストパスとセットリストが送られてくる」という2つの特典が付いてくる点。

 関係者がライブに行く際の「受付でゲストパスとセットリストを印刷した紙が配られる」「終演後には、楽屋や関係者席付近などでメンバーの挨拶がある」などの“関係者あるある”を、家にいながら、特に関係がなくても体感できる、配信ライブならではのチケットなのです。

 カメラワークにこだわった配信も増えている中、定点映像でも発想次第でこんなに楽しそうな企画ができるとは……。

 ねとらぼ編集部では、この「自称関係者席」をはじめとするユニークな企画についてcali≠gariスタッフに聞こうと簡単な質問を3つ送ったところ、ギター担当の桜井青さん本人からめちゃくちゃ詳細なインタビュー(?)の原稿が送られてきました。あれ……インタビューしたっけ……?

 というわけで、今回は桜井青さんの回答をねとらぼ読者向けにまとめた「ねとらぼ編集版」と、フールズメイト感強めの「回答そのまま版」を合わせて掲載します。

【桜井青さんの回答そのまま版はこちら

ねとらぼ編集版

──「自称関係者席」や各メンバーの定点カメラなど、ユニークなチケットが話題になっています。今回なぜこのような形態の配信を企画されたのでしょうか?

 「このコロナ禍、世界中のバンド達が配信をはじめましたよね? 例にもれずcali≠gariも無観客ライヴ配信を2回やったんですが、どうしても満足いく達成感がライヴで得られないんですよ。そしてそれはダイレクトにお客達の飽きにつながるな、と。

 その中で、今後もただ配信をしていくって手法だけではバンドは生き残れないだろう、と感じた事がまず1つ。お客達がライヴ会場に行きたくても行けないジレンマを、何かしら解消出来ないのか? というのがもう1つ。生には生の良さがあって、配信には配信の良さがあるでしょ? だから配信だけでしか出来ない何かで楽しませることができないかな?と。この2点が、今回の発想の起点なんです」

──ボーカルの石井秀仁さんを中心に映す「あなたのプロンプター席」は、1万4100円と他のチケットに比べて高額ですが、イ(1)シ(4)イ(1)の語呂合わせの他に、この値段になった理由はあるのでしょうか?

「あれに関しては、うちの石井にはそれだけの価値がある、ということです。それだけです」

──6種類の配信チケットの中で、一押しの席はありますか?

「どこもそれなりに楽しいと思いますよ。最初からネタが仕込まれているっていう点では、やはり自称関係者席で見ていただいて、SNSで仁義なきマウンティングに参加していただくのがよろしいんじゃないでしょうか。

 ぜひ私たちもその場外乱闘を見て、ゲラゲラ笑いたいので。そうそう、こういうこと言う人いたよって(笑)」

 桜井青さんによると、「ライブは顎を少し上にあげ、斜めから見る」「腕を組んだ気だるそうにする」「ノリそうそうになった時は指でリズムをトントンして、急に鼻で笑いながらうなずいたりする」のが“自称”関係者らしくライブを見るポイントだそうです。

 配信終了後に送られてくるセットリストや画像は、そのままSNSにあげても、プリントアウトして実物を作ってもOK。ゲストパスはシール用紙を買って印刷し、服に貼って写真を撮るとよりリアルさが出そう……!

 また、Twitterにライブの感想などを投稿する際には、ハッシュダグ「#カリガリのライヴに行ってきた」をつけて、関係者風を吹かせまくった文面を投稿してほしいとのこと。公式がそれを推奨する場合ってあるんだ。

 配信ライブの良さやおもしろさに着目した“特殊”配信企画「ピーピング エロチカ2020」のチケットは、9月15日20時から販売中です。

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