昔好きだった漫画がソシャゲに 喜びから一転、期待が裏切られ――ファンとアンチの間で揺れ動く心情描いた漫画に共感集まる(1/2 ページ)

同じような体験をした人から多く反応が寄せられています。

» 2020年10月02日 20時00分 公開
[Tomoねとらぼ]

 子どものころ好きだった漫画がソーシャルゲームに。はじめはうれしかったけれどいざ始まってみると――揺れ動くファンを描いた「ファンとアンチの漫画」が多くの人の心を揺さぶっています。作者はネットに漫画を投稿しているぴおてぐ(@potg333)さん。

これから読む人へ作者・ぴおてぐさんからメッセージ

「この漫画は主人公がソーシャルゲームの運営側への不満や疑心感からファンの立場とアンチの立場で揺れ動く様を描いたものです。似たような経験をされた方が読むと大変不快になったり嫌な気持ちを呼び起こす可能性があるので、読む際はご注意ください。また誹謗・中傷を推奨する漫画ではございません」


 子どものころにはまった漫画「幻想百鬼学校」(幻百)が完結から10年を経てアプリゲームになると聞き、大喜びする主人公。メインライターを原作者本人が担当していることもあって、最初は「やっぱり最高ーーー!!」と大興奮。ネットで検索するとやはり同じような人が大勢おり、「本当楽しみだなあ」とサービス開始を心待ちにします。

 しかしいざサービスが始まってみると、推しキャラの描写に「こんなキャラだっけ……?」と若干の違和感が。多分気のせいだろうと言い聞かせながら、しばらくは久々の「幻百」を楽しんでいましたが、あるときいわゆる“アンチ”のつぶやきを目にしてしまい、「結構幻百アンチっているんだな…」と心を痛めます。

楽しみにしていたアプリ、推しキャラの描写が……

 そんな折、追い打ちをかけるように「幻百」にとっては悪いことが次々と起こります。推しキャラを軽んじるような原作者の過去発言が掘り起こされたり、ようやく来た推しキャラのガチャが不遇な扱いだったり……。やがてゲームへの不信からか、主人公は時々、例の“アンチ”アカウントのツイートを見に行くように。言葉は刺々しいものの、そのツイートはまるで、表では言えない自分の気持ちを代弁してくれているような気がしたのでした。

 一方、Twitterではシナリオの出来を巡ってファンが原作者に凸(突撃)するなど、コミュニティーの民度はどんどん低下。やがて原作者側にも目に余る発言が増えていき、ついには原作者とアプリ運営の間のトラブルにまで発展、目も当てられないような大炎上に……。

原作者とアプリ運営の間でトラブルになり大炎上

 「…どうして…こんな事に…」「ただ復活した幻百を皆で楽しみたかっただけなのに」と絶望しつつ、ジャンルが衰退していくのをただ見ていることしかできない主人公。そんなとき目に入ったのは、いつもの“アンチ”のつぶやきでした。辛らつな批判の裏で、原作への愛を語るその姿が、昔一緒に「幻百」を楽しんでいた友達に重なり――主人公はついに“声を上げる”決断をするのでした。

 ぴおてぐさんによると、この漫画は特定のコンテンツをモデルにしているわけではなく、自身の体験や聞いた話をもとにしているとのこと。現実に起こりそうな内容に、「どこにでも起こりうるようなことで、すこぐ胸に刺さりました」「今ある話題作や、過去作がこの様な事に成り得るifな風刺を描いた素晴らしい作品でした」といったコメントが寄せられています。また、主人公と似た体験をしたことのある人も少なくないようで、「とても他人事だと思えなくて何度も読み返してしまいました」「ファン側とアンチ側、両方とも身に覚えがありすぎて他人事どころか創作事のように思えないくらい刺さりました」といった共感の声もみられます。

 「作品を楽しみたかっただけ」という主人公。しかしSNSでさまざまなものが見えてしまう今、「ただ楽しむ」というのは簡単ではないのかもしれない――と漫画に寄せられたコメントから感じられます。

 掲載にあたって、ぴおてぐさんからコメントをいただきました。「今回の漫画に関して掲載の承認をするかとても悩みました。でもこの漫画を読んで『かつての自分を受け止めることが出来た』『描いてくれてありがとう』などのコメントをいただきました。人を選ぶ漫画ですが、ネットメディアでの掲載を通して、一人でもこの作品で気持ちが楽になれる人に届けば良いなと思います」

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