毒親に虐げられた少女の復讐 “しゃべる花”との出会いが生き様変える漫画が心に刺さる(1/2 ページ)

必死な生き様が胸に来る。

» 2020年10月22日 20時00分 公開
[Tomoねとらぼ]
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 母親に虐げられ、将来の夢を踏みにじられた少女が、“しゃべる花”と出会って復讐する漫画が、多くの人の心をつかんでいます。作者は漫画家の河野大樹(@tanakatamaka840)さん。

 美術系の高校に通う主人公の少女。校内でも一目置かれる実力の持ち主ですが、母親が「金の無駄」と反対するため美大への進学を断念しています。母親は将来の道を塞ぐだけでなく、少女に暴力を振るい、家事をさせてこき使っている“毒親”でした。

少女を虐げる母親

 「生まれてくる場所は選べない」「変えられないものは変えられない」と諦めている少女。なぜほかの人と自分は違うのかと絶望し、死のうとしたときに、路傍の花に声をかけられます。

 人の目にも留まらない交差点の黄色いパンジーは、「死にたくない」「負けたくない」と、花壇の中で毒を出してほかの色の花と殺し合っていました。自分たちのように恵まれない存在こそ、救われなければならないと少女に語りかけるパンジー。その必死な生き様に彼女は「自分を救う」決意を固めます。

恵まれない自分たちこそ救われるべきだと語るパンジー
自分を救おうと決めた少女

 「こんなとこで負けてちゃダメなんだ」と、鬼気迫る姿で卒業制作に心血を注ぐ少女。できあがった作品を見た母親は、そしてパンジーは――その結末には心が震えます。

 迫力のある絵柄もあって、虐げられた少女と「一番弱い色」のパンジーが必死にもがいて生きる姿が深々と刺さります。彼女が成し遂げた“復讐”には胸がすく思いがし、彼女ならこの先、力強く幸せをつかめるだろうという希望を感じる結末でした。

 この作品に心をつかまれた人は多いようで、「とにかく感情表現に圧倒されてしまう」「この世界で上から押さえつけられ苦しんでいる、大多数の救いになる作品」「あー!凄い!息吹を感じる!生を感じる!」といったコメントが寄せられています。

 この作品は河野さんが20歳ごろに描いた漫画。連載中の作品「ブス界へようこそ」の「原型というか核の部分になっていると思う」といいます。同作は、「自分よりきれいな相手を食えばきれいになって生き返れる」という世界“ブス界”で主人公が戦う物語となっています。

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