なぜオランダの古着屋に日本の“学校ジャージ”が……? 人気の秘密は「素材」と「漢字」? 他国でも目撃情報あり

日本人には分からない良さ。

» 2020年11月16日 18時00分 公開
[佐藤まり子ねとらぼ]

 ロックダウンが明けた2020年の初夏。オランダ・アムステルダムにある古着屋さんに、ウクライナ人の友達と買い物に行ったときのこと。「見て! このジャージ! すごく良い生地!」と興奮気味に呼ばれたので見に行くと、日本の中学・高校のジャージが販売されているラックがあった。


端から端まで全部日本のジャージ

 筆者の地元が近い「保土ケ谷中」に、野球で有名な「花巻東」のジャージも……。私が驚いている横で友人は端から端までラックを物色。生地の質感も確かめながら集中してジャージを見ている。言われて初めて気付いたのだが、確かに日本の学校ジャージは生地がしっかりしている





 筆者は2017年5月にオランダに来て、同年10月にフリーランスビザ(個人事業主ビザ)を取得した。それ以来フリーライターとして活動している。

 中学生から始めて20年以上続けている剣道をオランダでも継続中で、このウクライナ人は剣道の友人だ。彼女は15歳のときにオランダにやってきて剣道を始め、現在20代後半。オランダの剣道代表として世界大会にも出場している。

 彼女は剣道をやっているのもあって漢字になじみが深い。剣道は垂の部分に名札をつけていて、外国籍の場合もカタカナではなく当て字で作られていることが多いからだ。

 オランダには毎年、筑波大学の剣道八段の先生方が講習会を開きにきてくださるので、「ヤマのカンジは知っているわ! 先生と同じ字よね?」「このカンジはタって発音するんでしょう?」と“読める漢字探し”でもテンションが上がっていた。



 彼女に限らず服に漢字があしらわれているのを「キュート」「クール」と感じるオランダ人は少なくない。店内を見渡してみると、“漢字Tシャツ”を着ているオランダ人もちらほら。

 「インディゴの王たち」と書かれたTシャツも目に入ってきた。このTシャツを着ている人を、私が入居するシェアオフィスでも見かけたことがあり「これってどういう意味なのかな!?」と聞かれたことがある。アメ横あたりで売ってそう…と思いきや、Kings Of Indigoという割としっかりしたアパレルブランドだ。

 この国では、イギリスのアパレルブランド「Superdry極度乾燥(しなさい)」も人気でよく見掛ける。


Superdry 極度乾燥(しなさい)の公式サイト。なお、日本からだとアクセスできないもよう。公式サイトも閲覧できないような状態なので、正確なことは分かりませんが……やっぱり商標上の問題?

 さて、目の前のラックに視線を戻すとアシックスやミズノのロゴ入り学校ジャージもあり、「あら! これアシックスじゃない! こっちはミズノよ!」と友人。日本人としてはあくまで「学校ジャージ」のカテゴリだが、日本人でない場合は「日本のスポーツブランド」のロゴが注意を引くようだ。

 海外の学校ジャージで(あるか分からないが)、ナイキのロゴの下にGeroge(ジョージ)と書いてあるようなものだろうか。

 ちなみに、彼女はおしゃれが好きでスタイルも抜群。筆者の中学時代のジャージは真っ赤で着るのが恥ずかしかったので「学校ジャージ=ダサい」というイメージが少なからずあった。だから、彼女が日本のジャージに興味を持ったことは少し不思議な感じだった。


日本のジャージラックを発見してくれた友人。オランダ剣道代表。彼女のお母さんが経営するウールブランケットのECサイトでモデルもしている。余談だが、ウクライナのブランケットはすごく質が良いらしい!

 ジャージの件に驚いて何気なくツイートしたところ、6550件リツイートされ、1.8万いいねがついた。そして、なんとインドとタイから同様の目撃情報まで届いた。

 一体どこから仕入れているのか……せっかくなのでオランダの古着屋さんに問い合わせをしてみたところ35年以上にわたって日本企業と取引をしていて、逆にヨーロッパの衣服を日本にも輸出しているそうだ。


ジャージのラック以外は至って普通の古着屋さん


ヨーロッパらしい一点ものの古着も多数

 日本からオランダまでは、直行便でも11〜12時間かかる。日本から遠く離れたヨーロッパで、日本の中学・高校ジャージを見かけるとは思わなかった。

 ちなみに、アムステルダムにはさまざまなVintage shop(ヴィンテージショップ/古着屋)があって、「重さ」で値段が決まるユニークなお店もある。もしオランダを訪れた際は、古着屋に立ち寄ってみるのも観光プランの一つだ。そのときは、ぜひ日本のジャージラックがあるかどうかもチェックしてみてほしい。


赤、緑、黄色、オレンジ、青のいずれかのバッヂがついていて、色ごとに1キロあたりの値段が異なる

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