恋人の「検索履歴」は開けてはならないパンドラの箱 ヤバい彼女に振り回される漫画「ぼくの彼女、ヤバにゃん」
見られたくなければ、見てはいけない
恋人がネットで何を検索したのか気になって、悪いと思いつつ「検索履歴」を見てみた。「彼氏 別れたい」なんてワードがあったら立ち直れないと思ったけど、「勝ち方 ジャンケン」「らっきょう フランス語」などすっとんきょうなワードばかり。でもよく見たら、タテ読みで「勝手に見たらダメ」。ギャグマンガ「ぼくの彼女、ヤバにゃん」の一場面です。
「ぼくの彼女、ヤバにゃん」は、独特な世界観を持つヤバにゃんと、彼氏のタマくんとの日常をつづった漫画シリーズです。InstagramなどのSNS上で連載されています。作者は、そろそろ谷川さん。日々降りかかる「理不尽」を、持ち前の前向きさで乗り越えていくOLが主人公の「耐え子の日常」でもおなじみの方です。
ある日、ヤバにゃんのPCが開きっぱなしになっていることに気づいたタマくん。そういえば彼女は、いつも何を調べてるんだろう。もしや「浮気」とか「彼氏 別れる」とか? なんだかイヤな予感がします。見ちゃいけないと思いつつ、ちょっとだけ調べてみることに。よせばいいのに! いいことないよ!
好奇心には勝てなかったタマくんが、そこで見たものとは。「勝ち方 ジャンケン」「手料理 簡単」「にんじんしりしり」といった料理に関する検索履歴と「よっこいしょういち 語源」など、よくわからない履歴が並んでいます。開けてはならない、パンドラの箱を開けてしまった? とよく見れば、履歴がタテ読みで「勝・手・に・見・た・ら・だ・め・だ・よ」。まったく、その通りですね
今度は、ヤバにゃんが1人でいたときのことです。洗濯物をたたんでいたヤバにゃんは、彼氏のシャツを見つけます。「私が着たら、ブカブカかなぁ」なんて夢想するヤバにゃん。なんだかかわいいぞ。
そんなことを思いながら着てみると、ぴったし。なぜかしら。思っていた以上に大きくなっていた自分への怒りをもって、ヤバにゃんはシャツをたたきつけるのでした。
2人で歩いているときには、また別の事件が起こります。
彼氏のタマくん、ヤバにゃんの機嫌がよいことに気づきます。「なんで?」と尋ねてみますが、ヤバにゃんは「ふふふ〜秘密〜♪」とのこと。実はヤバにゃん、前日にタマくんから「好き」と言われたことがうれしくて仕方ないのでした。「なんで〜。教えてよ〜」「だから秘密だってば」。甘いやりとりです。これで済めばよかったのですが。
「ねえねえ〜。教えてよ〜」と食い下がるタマくん。ついにヤバにゃんは我慢の限界に達し「しつけぇな!」とキレてしまいます。機嫌が良かった理由は「お前だよ!」と教えてあげたヤバにゃんは、続けて「今、不機嫌な理由もな!」と気分を害してしまうのでした。あるある、あるある。
女心の繊細さと男のアホさ加減とが見事にぶつかってしまうのも、2人の仲の良さゆえでしょうか。
またあるとき、ヤバにゃんは「大人になっちゃったね……」とほろり涙を流します。「えっ」。急にどうしたのかと心配になるタマくん。事情を聞いてみると、ヤバにゃんは語りだしました。
「だってこの先、二度とスライディングすることないんだろうって思うと、なんか悲しくて……」。ス、スライディングかぁ。確かに、めったにチャンスはなさそうだけどね。
ところでとタマくん、「子供のころにスライディングしたことあるの?」と彼女に尋ねると、即座に「いや、ないけど」のお返事。ならば、さっきの涙の意味は。
こうして見てみると、ちょっとヤバめの恋人も、長く一緒にいれば愛おしく思えてくるようです。お互い、毎日のように相手にイラっとしたり困らされたりしながらも、どこかで幸せを感じているのでしょうね。
- 作者ブログ:「耐え子の日常&そろそろ谷川の漫画」
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