ガンプラ、海外売上が約5割 人気拡大の理由をBANDAI SPIRITSに聞いてみた

近年海外での人気が高まっていました。

» 2021年01月18日 20時00分 公開
[福田瑠千代ねとらぼ]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 コロナの巣ごもり需要によりフランスでガンプラがブームに――年明け早々、Twitterではそんな景気の良いニュースが話題になりました。これはTBS「あさチャン!」で報じられた、「コロナ禍で巣ごもり需要増 仏パリのガンプラ専門店」が発端。

 同特集によると、フランスでは2020年に初のオフィシャルショップが開店したことも手伝い、売上が50%アップ。このブームを一過性のものにしないため、BANDAI SPIRITSが小学校に無料キットを配布するなど普及活動にも力を入れていると紹介し、注目を集めました。

 こうしたガンプラの海外展開の盛り上がりはフランスだけでのことなのでしょうか? この機会にBANDAI SPIRITSに聞いてみました。


――巣ごもり需要でガンプラの海外での販売数は伸びていますか?

BANDAI SPIRITS 近年海外では、ステイホームになる以前から、ガンプラをはじめとしたプラモデルを楽しんでくれるお客様が増えております。これはあくまで海外に限ったことではありますが、普段お買い求めいただいているお客様がより多くのプラモデルを作って下さっていたり、ガンプラにおいてもしばらく買っていなかった人が、久しぶりにご購入されるようなことはございます。そういった意味で、プラモデル業界全体において巣ごもり需要も多少見受けられる形です。

――近年海外人気が高まってきていた理由は?

BANDAI SPIRITS まず、海外でも日本のアニメを比較的容易に視聴できる環境になったことがあると思います。今はNetflixでもガンダムシリーズのアニメ配信がございます。また、ガンダム情報の公式ポータルサイト「ガンダムインフォ」が2011年に海外向けに開設され、8カ国語に対応し、無料でアニメが見られるようになっております。

 あとは各エリアのローカルイベントへの出展ですとか、催事等での組み立て体験会などの地道な活動を通じて、少しずつファンの方が増えて来た形です。今はファンの方が、SNSやコミュニティーを通じて新しいファンをつくってくれている印象です。昨年(2020年)、米国におきましては、大手量販店であるTARGETでもガンプラがお店に並ぶようになり、ますますお客様の裾野が広がって来ている印象です。

――フランスの小学校でのキット無料配布のようなユニークな取り組みが他にもあれば教えてください。

BANDAI SPIRITS 小学校での組み立て体験会といったものは、フランスに限らず他のエリアでも実施しています。また全世界を通していえることですと、ガンプラの工作、塗装、アイデアを競う世界大会「GUNPLA BUILDERS WORLD CUP(GBWC)」を開催してします。

 2020年は新型コロナウイルスの影響で、例年と異なる形でオンライン中心のコンテストにしましたが、2019年には世界16のエリアでローカル大会を実施し、毎年日本で決勝大会を行うなど、ファン同士で楽しめるイベントなどを催したりしています。

中国で開催された「GBWC CHINA 2019」

中国での体験会

アメリカでの体験会(※写真は2019年10月時点のもの)

タイでの体験会

――地域ごとに人気の機体に違いはありますか。変わった機体が人気だったりとか……?

BANDAI SPIRITS 意外に思われるかもしれませんが、実は地域ごとに基本的に違いはありません。人々の琴線に触れる作品は、全世界共通だと思います。

 ただ、各地域において、該当するガンダムアニメが当時テレビなどで放映されていたかどうかなどが、人気を左右したりします。例えば、欧米においては「新機動戦記ガンダムW」の機体はいまだに人気です。

 一点だけ、明確に全世界で人気がある機体が「ガンダムアストレイ・ レッドフレーム」です。このモビルスールの最大の特徴は、腰に刀を差していることです。これはアニメになっていないガンダムなのですが、侍モチーフは地域問わず非常に人気が高いです。



 海外人気については、コロナによる特需が起こっているというよりは、近年の着実な販売増が大きいもよう。とはいえ、巣ごもり需要による多少の追い風はある様子でした。

 海外の地域ごとの詳細な販売数は非公表ということでしたが、2020年5月時点の海外での販売割合は約5割。2015年度の発表では約3割だったことを踏まえると、やはりかなりの伸びです。配信サービスなどでアニメを手軽に見られる環境が整ってきたことと連動して、ガンプラの売上も伸びてきたというのは納得。

 ちなみに海外売上の約8割はアジア地域。またガンプラの年間出荷数は、2006年に722万個だったのが、2016年に1440万個2020年には約3100万個とやはり伸び続けており、こうした海外での需要拡大にも対応するため、静岡県の「バンダイホビーセンター」では2020年に「新館」もオープン。これにより飛躍的に生産力が向上しました。

 ガンダムといえば映画「レディ・プレイヤー1」での活躍が記憶に新しいところですが、2018年には「機動戦士ガンダム」のハリウッド実写化も発表されていますし、北米での人気拡大にも期待したいところ。今後はSNSなどでも、海外モデラー独自の作品がもっと見られるようになるかもしれませんね。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. /nl/articles/2412/18/news145.jpg “月収4桁万円の社長夫人”ママモデル、月々の住宅ローン支払額が「収入えぐ」と驚異的! “2億円豪邸”のルームツアーに驚きの声も「凄いしか言えない」
  3. /nl/articles/2412/16/news079.jpg “プラスチックのスプーン”を切ってどんどんつなげていくと…… 完成した“まさかのもの”が「傑作」と200万再生【海外】
  4. /nl/articles/2412/17/news060.jpg 100均のファスナーに直接毛糸を編み入れたら…… 完成した“かわいすぎる便利アイテム”に「初心者でもできました!」「娘のために作ってみます」
  5. /nl/articles/2412/17/news197.jpg 「巨大なマジンガーZがお出迎え」 “5階建て15億円”のニコラスケイジの新居 “31歳年下の日本人妻”が世界初公開
  6. /nl/articles/2412/17/news078.jpg 鮮魚コーナーで半額だった「ウチワエビ」を水槽に入れてみた結果 → 想像を超える光景に反響「見たことない!」「すげえ」
  7. /nl/articles/2412/18/news059.jpg 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開【大谷翔平激動の2024年 「妻の登場」話題呼ぶ】
  8. /nl/articles/2411/25/news189.jpg 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」
  9. /nl/articles/2412/18/news015.jpg 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  10. /nl/articles/2412/18/news056.jpg 日本人ならなぜか読めちゃう“四角形”に脳がバグりそう…… 「なんで読めるん?」と1000万表示
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」