“龍が巻き付いた剣のキーホルダー”はなぜどの観光地でも売られている? 製作会社に話を聞いてみた
めちゃくちゃにかっこいいネーミングです。
ドラゴンと剣といえば男子の、時には女子の心をいつまでもつかんで離さない魅惑のツートップですが、そんな2つを見事に融合させたアイテムが多くの観光地で売られているのを見たことのある方は多いでしょう。そう、剣に龍が巻き付いた、クラスに1人は所持者がいたキーホルダーです。
「中二病」的シンボルとして話題に上がったり、テレビアニメ「ポプテピピック」に登場したりと隠れた人気を持つこのアイテムの正式名称は、「魔界のドラゴン夜光剣キーホルダー」。装備するだけで全ステータスが上昇したり暗黒属性の魔物に強くなれそう感が満ちあふれています。
しかし、一度は見たことがあっても、いつから販売しているのか、なぜ縁もゆかりもなさそうな観光地でも販売されているのかなど商品の詳細はあまり知られていません。製作しているコヤマのサイト見てみると、「魔界のドラゴン手裏剣キーホルダー」や「御神龍刀」など超絶強そうなバリエーションも存在しているもよう。
そこで今回は、魔界のドラゴン夜光剣キーホルダーを製作しているコヤマに話を聞いてみました。伝説の剣の創造主の言葉、ご覧ください。
―― 魔界のドラゴン夜光剣キーホルダーはいつから販売されていますか。
コヤマ: 正確なことは不明ですが、20年〜25年前(1995年〜2000年)ごろから販売を開始したと思います。
―― 年間どの程度売れていますか。
コヤマ: 長期にわたりずっと販売しているので、現在は年間3000個程度じゃないでしょうか。
―― どのような経緯で開発されたものなのでしょうか。
コヤマ: 企画製作当時、弊社でドラゴンのキーホルダーが売れているという情報をキャッチしました(ドラゴンクエストの影響だと思います)。それにより、契約のデザイナーに弊社オリジナルのドラゴンキーホルダーのデザインを打ち合わせし依頼、金型製作・製造販売が始まりました。
どの商売も一緒ですが、いち早くトレンドをキャッチして、消費者の欲しいものを作り販売していくことがメーカーの強みであります。これは今も同様ですが。われわれキーホルダーなど製造メーカーは、特に観光地において最新トレンド情報をつかむことに、相当に努力してきたと考えています。
―― 商品名の由来はどのようなものでしょうか。
コヤマ: 前述の通り、主に観光地ではドラゴンのキーホルダーが多く出始めていたため、差別化とオリジナリティーを考えて、「魔界の」と命名しました。魔界のドラゴン夜光剣キーホルダー、魔界のドラゴン手裏剣キーホルダー、魔界のドラゴン鎖ガマキーホルダーなども販売しております。
―― 観光地で売られていることが多いのはなぜでしょうか。
コヤマ: 流通の仕組みによると考えます。
メーカーは数量が多く出る業界に販売(卸し)します。売り上げを上げる方法で、一般的に行われています。30〜40年くらい前、観光地のお土産売り場で、キーホルダーや根付、バッジなどが良く売れていました。
メーカーは販売力のある、観光地の物産問屋に営業をかけ販売していくことになります。観光物産問屋は日本全国にあり、そこに納めると観光地のお土産売り場に商品が並びます。当時非常によく売れていたドラゴンキーホルダーが、全国の観光物産問屋を通して日本中に流通したわけです。
―― 手裏剣や刀などバリエーションがありますが、一番人気はどれでしょうか。
コヤマ: やはり剣のシリーズじゃないでしょうか。「魔界のドラゴン夜光剣」は、ロングランヒットしてます。
―― ネット上などでいわゆる「中二病」の象徴アイテムとして語られる場合がありますが、把握されていましたか。
コヤマ: 知りませんでした。
その原点は、ドラゴンクエスト発売にまでさかのぼるちょっとした歴史のある商品でした。しかしそういわれてみると、納得のデザインでもあります。日本全国広い観光地で人々の心を長年つかみ続けるキーホルダー、今後も末永く年代を問わぬ話題のアイテムとして存在し続けてほしいものです。
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