生き残ったお酒は「震度6強を乗り越えた勇者たち」――地震被害の“道の駅”に「たくましい」「勇気をくれる」と称賛 担当者に思いを聞いた(1/2 ページ)
「道の駅 国見 あつかしの郷」の“勇者たち”が話題になっています。
2月13日の地震で生き残った「震度6強を乗り越えた勇者たち」を販売している道の駅が、Twitter上で話題になっています。
話題の中心は、福島県北部にある「道の駅 国見 あつかしの郷」。このたびの地震で多大な被害を受けましたが、奇跡的に無事だった酒類などの商品を「震度6強を乗り越えた勇者たち」として販売したところ、好評を博しています。道の駅の担当者に、地震発生当時の様子や近況について話を聞きました。
同地を実際に訪れて画像を投稿したのは、Twitterユーザーの天然パーマと縮毛矯正さん(@kyrie0kyrie)。「先週の地震で被害のあった道の駅に来たけど、ある程度復旧していたようでよかった。そしてたくましかった」とコメントしています。この「震度6強を乗り越えた勇者たち」の投稿に対して、「奴らは震度6の地震を乗り越えた者共だ。面構えが違う」、「勇者の表現はいいですね。皆さん不安の中、勇気をくれる。写真だけでも勇気と希望をもらいました」、「縁起担ぎにもなりそう」といった声が寄せられました。
――地震の際は大変だったかと思います。地震後の道の駅の様子はいかがでしたか?
被害としては、天井のボードが落ちたり、建物にひびが入ったり、照明が落下したりしました。道の駅なのでドレッシングなど瓶の商品が多く、約半数が落下して割れてしまいました。瓶類はほとんどだめかと思ったのですが、片付けの中で意外と大丈夫なものも出てきたんです。それらを拭いて農家のコンテナに入れて寄せておきました。これが写真に写っているものですね。奇跡的に箱がぬれただけで済んだもの、棚から落ちずに頑張っていたものなどが入っています。
最初は身内に安く売ろうかと思ったのですが、逆に他の方にとってもすごいものなんじゃないかという話になりました。そこで地震の被害状況のパネルを貼り、道の駅の営業を再開しました、という紹介コーナーの中で「縁起物ですので定価ですが買ってください」ということでお出ししています。うちは14日〜18日まで地震の影響で休業していましたので。
――担当者さまのご自宅は大丈夫でしたか?
自宅はそこまでじゃなくて、食器が数点割れたくらいで済みました。逆にお店が心配で夜中に駆け付けたらとんでもないことになっていましたね。閉店後だから物の被害はあったけれど、人の被害はなかったのが不幸中の幸いでした。
――まだ地震の影響は続いていますか?
お客さまに関係する天井や壁などの部分は直しましたが、エレベーターは故障している状況です。うちの道の駅は宿泊施設を併設しているのですが、そちらは被害が大きく再稼働できていません。まだ復旧の道半ばではありますが、売り場の方は9割方元に戻ってきています。
――「震度6強を乗り越えた勇者たち」がSNSで話題になっているのはご存じでしょうか? この件について来場者からの反応はありましたか?
SNSの件は、スタッフに教えてもらいました。「大変なことになってますね」みたいな感じで。SNSで見てきましたという人もいましたし、あそこのコーナーで5、6本“大人買い”してくれる人もいらっしゃいました。コーナーにはまだ少し商品が残ってますが、おかげ様で週末にはなくなりそうです。
――「道の駅 国見 あつかしの郷」の魅力について教えてください。
福島県の一番北にある道の駅です。町は農業が盛んで、米と果物がよく取れます。桃が特産品で、夏は桃買いに来て下さる方が多く、桃の時期には桃一色になるような町です。今回はお酒がクローズアップされてますけども、果物の里ということで、果物のジュースなどもたくさんあります。ジュースも先ほどのコーナーに出ていますが、よく売れているので残りわずかとなっています。
今回の件を機に、当地が果物の産地であることをもっと知っていただいて、実際に来てみたいと思っていただければうれしいです。
“勇者たち”が道の駅を救う!?
コロナ禍に加えて地震の被害を受けた道の駅。復興途上ではありますが、「震度6強を乗り越えた勇者たち」が話題になったことで、それを目的に訪れる人も増えました。「SNSを見て、応援したくて買いに来ました」という人もいたそうです。まだまだ大変な状況は続きますが、被災地に少しでも明るい話題が増えることを願うばかりです。
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