富士ソフトの株主優待に「しいたけ詰め合わせ」があるって本当!? 担当者「品評会で6年連続金賞を受賞している自慢のしいたけを味わっていただきたい」

最高のしいたけ、食べてみたい!

» 2021年03月11日 19時15分 公開
[十津川あきらねとらぼ]

 システム開発会社・富士ソフトの選べる株主優待に「しいたけ詰め合わせ」があることが、ネットで話題になっています。同社の株主優待は、年賀状ソフト「筆ぐるめ」Windows版か「しいたけ詰め合わせ」の二択。なぜしいたけが選べる対象に入っているの……?


しいたけ 富士ソフト企画が栽培しているしいたけ(画像は同社サイトより引用)

 調べてみると、富士ソフトの特例子会社である富士ソフト企画が、事業としてしいたけの栽培を行っており、その出来栄えは品評会で受賞経験もあるほど“ガチ”なのだとか。富士ソフトの担当者に、しいたけ栽培を始めたきっかけ、なぜ株主優待にしいたけがあるのか話を聞きました。

――SNSなどで、貴社の株主優待にしいたけが選べることが話題になっているのはご存じでしょうか?

 株主様に招集通知をお送りして以降、Twitterで話題にしていただいていることは認識しております。

――なぜしいたけを株主優待の対象にしているのでしょうか?

 弊社特例子会社である富士ソフト企画株式会社が、農業のIT化、農業の障がい者就労フィールドの2つをテーマとして、福島県耶麻郡西会津町で地元しいたけ農家と西会津しいたけファームを共同開設して、しいたけを生産しています。

 「全国サンマッシュ生産協議会」が主催する品評会で6年連続金賞を受賞している自慢のしいたけを、株主の皆さまにも味わっていただきたいと考え、株主優待の対象としています。

――しいたけ栽培ビジネスに参入したきっかけを教えてください。

 弊社では東日本大震災の復興支援活動の経験をもとに、ITを活用したさまざまな社会貢献活動を実施しており、福島県会津地区でも2013年からボランティア活動を続けています。その活動を通した交流の中で、会津地区の農村部における耕作放棄地の増加や農業従事者の高齢化、若者の流出などによる人口減少など、さまざまな課題に直面し、ITを強みとする富士ソフトグループでの取り組みを検討してまいりました。そして2016年、新たに会津に拠点「西会津しいたけファーム」を設置し、ITを活用したしたけ栽培事業を開始しました。

――しいたけ栽培に関するこだわりは何ですか?

 西会津地方の自然環境(昼夜の温暖差、良質な井戸水)と、地元農家の経験を生かしてIT化したシステムにより、良質なしいたけを栽培していることです。

――しいたけの評判はいかがですか?

 おかげ様で皆さまから好評を得て、徐々にですがリピーターも増え、地元スーパーの他、レストランや料亭からのご依頼も増えています。会津以外の皆さまからのご要望も多く、ECサイトにも出店しています。

――富士ソフトさまのしいたけはどこで購入できますか?

 地元の会津地区の「CO-OPあいづ」全店および「道の駅」、全国ではECサイトの「ポケットマルシェ」にて販売しています。

――今後しいたけ以外の農作物の栽培に着手される予定はありますか?

 農作物としては現時点ではしいたけ以外は考えておりません。しいたけの加工品については、現在「乾燥椎茸」の他、「オリーブオイル漬けしいたけ」や「椎茸まぜごはん」と、商品数を増やす方向で随時検討しています。

――最後に、富士ソフト企画の事業への思いを教えてください。

 富士ソフト企画株式会社では、身体・知的・精神などさまざまな障がいのある社員が就労し、多様な職域で活躍しています。この中で、西会津しいたけファームは、菌床椎茸栽培を通じて会津地方における障がい者の雇用と農業のIT化を目指し設立しました。これからも食を通して世の中の役に立ち、社会に貢献しながら最高のしいたけを作ってまいりますので、ぜひご賞味ください。


しいたけ しいたけ加工食品(画像提供:富士ソフト)

“最高のしいたけ”を作る

 「富士ソフトがなぜしいたけを?」という疑問から生まれた今回の取材。富士ソフト企画がしいたけを作る背景には、東日本大震災の復興支援や地域課題解決に向けた取り組みがありました。生産者の皆さんの思いが詰まった“最高のしいたけ”は、株主でなくとも入手の機会があるようです。気になる方は、その味を確かめてみるのもいいかもしれません。


しいたけ しいたけ栽培の様子(画像提供:富士ソフト)

しいたけ 株主優待で選べる「筆ぐるめ」(画像提供:富士ソフト)

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