「好きなことは仕事にしちゃだめ」「いい学校、いい企業」…… “古い価値観”の呪いにかかっていた人の漫画に大きな反響(1/2 ページ)

女性の幸せは結婚・出産? 好きなことは仕事にしないべき? 多様なコメントが寄せられています。

» 2021年03月22日 12時00分 公開
[谷町邦子ねとらぼ]

 「呪い」のように長く自分を縛り付けていた価値観から自由になり、夢に向かって歩き始めるまでを描いた漫画が大きな反響を呼んでいます。投稿したのはTwitterにエッセイ漫画などを投稿している帆波りつ(@honami_kt)さん。


古い価値観の呪いと私の夢 似たようなことを言われた人は、多いのではないでしょうか

 「女の子は高卒で十分」「勉強させてなんになる」。そんな古い価値観が根強く残る地方出身の帆波さん。大学に行けなかったことを悔やむ母からは「良い学校に進学して、良い企業に就職して、良い人を見つけて結婚すればいい」、祖母からは「好きなことは仕事にせず、趣味のままが一番」だと言われて育ちました。

 帆波さんは幼い頃から絵が好きで、中学では美術部に入部。顧問からは高校の美術科受験を勧められましたが、心の底ではあこがれていたのにもかかわらず、絵に関する仕事を目指すのはリスクがあると辞退してしまいます。孫がほしいと口にするようになった母の望みに沿うため、「良い企業に就職して、3年くらい働いたら寿退社して、主婦になって、子どもを産めば完璧」と人生の計画を立てます。


古い価値観の呪いと私の夢 ほめられるのが好きな帆波さんは、自分なりに家族の期待にこたえようとします

 就職を機に都会に出た帆波さんは、絵を趣味として続けながら社会人生活を楽しんでいました。そんな中で、優等生だった姉が家族の反対を押し切って夢を追い始めるという出来事が起こります。

 姉が夢をかなえたことで、帆波さんのなかで、祖母から受け継いだ「好きなことを仕事にしてはいけない」という価値観が揺らぎます。それでも恋人と別れてまで夢を追いかける勇気はなく、結婚して退職し専業主婦になります。


古い価値観の呪いと私の夢 「なにものにもなれない自分が嫌い」と考えるまでに

 妊娠を機に始めたSNSの絵日記は評価されず、出産後は家事と育児で余裕がなく、多忙な夫とはすれ違いの生活。結婚すれば、母親になれば幸せになれたはずなのに――「私の人生 こんなはずじゃなかったのに!!」と後悔が生まれます。

 どうしても心の隅に残った夢を捨てきれなかった帆波さん。オンラインで絵の勉強を始め、現在は「絵で生計を立てる」という目標に向かって、ほぼ毎日イラストや漫画を描いています。

 漫画には勇気づけられた、頑張ろうと思ったという声や、同じように一度夢をあきらめてしまった人からの共感のコメントが多く寄せられていました。一方で、「古い価値観で苦しんだ人達から、逆に縛られる」「(好きなことを仕事にすると)仕事が嫌になったときに逃げられる好きなことがなくなる」など、母や祖母の言葉に一定の理解を示す人や、「古い価値観や親ができなかったことを子供に押し付けちゃいけない」と親の立場から自分をいましめる人も。

 作中で「呪い」とされている価値観は今でも多くの人に共有されており、祖母や母も良かれと思って発言したことが想像できるため、読む人ごとにさまざまな感情が沸き起こったようです。

 帆波りつ(@honami_kt)さんは漫画にあるように、現在子育てをしながらエッセイ漫画を描いています。

作品提供:帆波りつ(@honami_kt)さん

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