持ってる人はフル免許より激レアさん 運転免許の“全て”を埋める勇者の証「フルビット免許」ご存じですか?(2/2 ページ)
フルビット免許を目指すなら「小特」「原付」の優先取得が重要
フルビット免許は、免許をただ全部取ればいいわけではありません。「取得する順番」も考えて取っていく必要があります。
例えば、普通自動車免許を取得すると、原動機付自転車(原付)と小型特殊自動車(小特)も運転できるようになります。運転免許のいくつかの種類には大型・中型・小型など上位/下位の関係があり、大は小を、二種は一種を兼ねます。上位の免許を取れば関係する下位範囲の免許も含まれ、該当する車両を運転できます。ただ、個別に該当の免許を取得していなければ、種類欄は「─」表記となります。
普通自動車免許があれば50ccまでの原付バイクを運転できますが、あなたの免許の種類欄に「原付」は表記されているでしょうか。「原付」が表記されるのは、「普通自動車免許を取得する前」に原付免許を個別に取った人です。上位である普通自動車免許や普通二輪免許を既に持っていると、永遠に「原付」欄は埋まりません。「小特」はさらにハードルが高いレア条件です。
そのため、これから「フルビット免許」を目指すならば、まず「小特」「原付」から。ここが重要になります。あと、やっぱりこれから取る「若い人」が有利です。
新設された「準中型」に涙……
でも、そんな順番をしっかり考えて達成、あるいは挑んでいても、ときに悲劇が起こります。道路交通法改正によって免許の種類が変わり、フルビット免許ではなくなってしまうケースがあります。
最近では、2017年に新設された「準中型免許」がそう。もっとも、上位となる新設前の普通自動車免許(中型自動車免許)を既に所持する人は、免許条件欄への記載とともに乗れる車両の範囲に不利益が生じることはほぼありません。しかしフルビット免許の人、または目指していた人はまさかの「うそ、だろ……」案件。空欄「─」ができてしまったのです。
ここからフルビット免許を目指すならばどんな手段が必要でしょう。運転免許は「一部取消し」ができます。これは、「普通自動車の運転は卒業したいが、トラクター(小型特殊自動車)や原動機付自転車は運転したい/普通自動二輪免許を持っているが、もう原動機付自転車しか運転しない(出典:警視庁Webサイトより)」といった人向けの制度。普通が準中型になった筆者は、準中型免許を取り消して普通免許にして、再び準中型→大型を順に取っていくことになるようです。道のりは限りなく遠く、面倒で、果てしない……。
必然的に余計な費用や労力もかかるフルビット免許をわざわざ取得する必要はありません。でも、持っているだけで話のねたになるでしょう。何より完成したときの自己満足的達成感はハンパないことでしょう。昨今、若者のクルマ離れ/免許離れが叫ばれることもありますが、だからこそ「我こそは」という人、密かにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
(大泉勝彦)
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