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» 2021年06月09日 12時30分 公開

『はらぺこあおむし』の版元、毎日新聞の風刺漫画を批判 「おそらく絵本を読んでいない」(1/2 ページ)

痛烈に批判。

[福田瑠千代,ねとらぼ]

 世界中で愛されている絵本『はらぺこあおむし』の出版を手掛ける偕成社は6月7日、毎日新聞が5日掲載した風刺漫画への抗議を、今村正樹社長名義で掲載しました。

 風刺漫画は「エリック・カールさんを偲んで… はらぺこIOC」と題し、あおむしに扮するIOCのバッハ会長らが、リンゴならぬ「ゴリンの実(放映権)」を食す姿を描いたもの。イラストレーターのよこたしぎさんが、1998年から続くコーナー「経世済民術」上で発表しました。

 偕成社側は、風刺を行うこと自体は表現の自由の観点から異議を申し立てるものではないとしつつも、『はらぺこあおむし』のテーマである「あおむしのどこまでも健康的な食欲と、それに共感する子どもたち自身の『食べたい、成長したい』という欲求」が、金銭的利権への欲望を描く今回の風刺には不適当であると指摘。

 「『偲ぶ』という言い方をしていますが、おそらく絵本そのものを読んでいない」と前置き、「もし読んだうえでこの風刺をあえて描こうとしたのだとしたら、満腹の末に美しい蝶に変身する結末をどのように考えられたのでしょうか」として、作者と掲載を許した編集者双方に対し「不勉強、センスの無さを露呈したもの」と痛烈に批判。さらに毎日新聞に対しても猛省を求めたいとしました。

 今村社長による声明文は9日になりSNS上で広く拡散されはじめ、「完璧で冷静で痛烈なコメント」「『出版社が著作物を守る』というのはまさにこういうこと」と、称賛を集めています。

 『はらぺこあおむし』の作者であるエリック・カールさんは5月23日に91歳で死去。偕成社とカールさんの親交は、同作が出版された1969年ごろから続くもの。当時、作中のしかけの製本技術が米国の出版社に無かったことから、カールさん側が偕成社に技術協力を依頼したことに端を発します。

 カールさんは2021年3月、作品の刊行45周年記念に寄せて、日本の読者に向け「この45周年は、『ユーモア』『優しさ』『成長』という『はらぺこあおむし』のテーマが普遍的であることのあかしです」とのメッセージを寄せていました。

※当初カールさんと偕成社の親交が1970年代から続いていたと記載していましたが、『はらぺこあおむし』が初めて発売されたのは1969年のため、本文を一部修正しました。また日本版の初版は1976年発売です(15時追記)

『はらぺこあおむし』は2021年に刊行45周年を迎えた(画像はAmazon.co.jpより
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