食中毒をイケメンに擬人化!? 攻めた小冊子で注意喚起するアイセイ薬局に狙いを聞いた(1/2 ページ)

ウェルシュ菌「2日目のカレーに潜むぜ」……気をつけます。

» 2021年06月23日 20時15分 公開
[沓澤真二ねとらぼ]

 食中毒を引き起こす病原体の擬人化キャラクター「ドクメン8」がTwitterで話題を呼んでいます。サルモネラもノロウイルスもアニサキスもみんな、いろんな意味で危険なイケメンに。

ドクメン8 仲良くなると、もれなくトイレや病院、最悪死神とも仲良くなれる8人組(画像提供:ねこねこさん)

 ワイルド系やクール系、インテリなど、多種多様なイケメンがそろった8人衆。ウェルシュ菌は「2日目のカレー」、腸管出血性大腸菌(O157やO111など)は牛レバー、ノロウイルスはカキ、アニサキスはイカといった調子で、それぞれ“お気に入りの潜伏先”を携え、食品に潜む食中毒リスクを体現しています。

 なお、そういったトリッキーな設定のアニメやゲームが発表されたわけではなく、ドクメン8は季刊フリーペーパー「ヘルス・グラフィックマガジン Vol.40」の食中毒特集企画。調剤薬局の「アイセイ薬局」がグループ店舗や医療機関などで配布している小冊子で、公式サイトでもデジタル版が無料配信されています。件のページも公開中で、ドクメン拝み放題。

ヘルス・グラフィックマガジン 記事としては、各食中毒の特徴と対策を伝える内容(ヘルス・グラフィックマガジン Vol.40より)
ヘルス・グラフィックマガジン とてもテーマが分かりやすいゲロゲロな表紙にも注目。ほかにも、世紀末でヒャッハーな感じの人が危険なバーベキューをする漫画など、攻めた注意喚起が(ヘルス・グラフィックマガジン Vol.40

 ドクメン8は、薬局で同誌を入手した人のツイートがきっかけで広まり、「めっちゃ読みたい」「全員まとめて消毒したい」「恋わずらいで腹をわずらってしまう」などと話題に。「冊子全体がセンス最高」「通院のたびにもらうのが楽しみ」というファンも多い、ヘルス・グラフィックマガジンはどのように作られているのか、アイセイ薬局に話を聞きました。

―― 食中毒を擬人化するアイデアはどこから生まれましたか

アイセイ薬局 食中毒を起こす病原体は、名前が覚えにくく見た目も似ているので、擬人化してそれぞれの特徴を明確にし、印象を強く残すのが狙いです。あえてイケメンキャラにすることで、読者の皆さんに推しメンを選んでもらったり、楽しく知識を得られるページにしたいと考えました。

―― キャラ作りでこだわった点は?

アイセイ薬局 それぞれキャラの強いドクメンに特徴となるアイテムをからめ、やや上から目線のコメントで個性を際立たせました。危険なのに憎めない、もっと知りたいが遠ざけたい、そんな味わい深いキャラを目指しています。また「ドクメン8」という名前も覚えやすさを意識し、あえて実在のアイドルユニット風に寄せたものです。

―― ネットの反応についてどのように受け止めていますか

アイセイ薬局 正直ここまでの反響は予想していませんでした。表紙のインパクトが話題になることは多いのですが、今回は中面のコンテンツが注目され、詳しく読んでいただくきっかけになりました。中面こそ有益で、かなりこだわって制作しているので、非常にありがたい反響でした。これを機会に過去号なども楽しく読んでいただき、皆さんのセルフケアに役立つことができればうれしいです。

 また、リプライでは「ドクメン8のアニメ化希望」といった話題も出ていたので、実現に向けてどなたかぜひご協力お願いします(笑)。

―― 表紙も話題ですが、どのように企画していますか?

アイセイ薬局 社内外のメンバーで編集チームを組成し、発行の4カ月ほど前から本格的に編集会議を積み重ね、表紙案などビジュアルデザインを詰めていきます。表紙は特に幅広くアイデアを検証するので、多いときで100案くらい考えることもあります。

 採用する表紙案のポイントは、決まりすぎているビジュアルではなく、ツッコミどころがあったり、いろいろと想像できるものを選びます。実際、話題になる表紙や人気のある表紙は、SNSでもよくツッコまれています。

 まず興味を持っていただかないと読まれないので、一般的な医療情報誌や健康情報誌とは一線を画す、インパクトのある表紙を心がけています。

ヘルス・グラフィックマガジン バックナンバーを見渡すと、テーマとかみ合ったインパクト抜群の表紙がずらり(公式サイトより)
ヘルス・グラフィックマガジン 「下痢・便秘」号の分かりやすさ(公式サイトより)

 ヘルス・グラフィックマガジンは、全バックナンバーが公式サイトで閲覧可能。「紙で欲しいが近くにアイセイ薬局がない」という人は、1冊400円となりますが定期購読を利用できます(バックナンバーは一部のみ、1冊1600円で通信販売)。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/20/news096.jpg 新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
  2. /nl/articles/2412/20/news034.jpg 「博物館行きでもおかしくない」 ハードオフ店舗に入荷した“33万円商品”に思わず仰天 「これは凄い!!」
  3. /nl/articles/2412/18/news015.jpg 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  4. /nl/articles/2412/20/news050.jpg 「マジかーーー!」 新札の番号が「000001」だった…… レア千円を入手した人が幸運すぎると話題 「555555」の人も現る「御利益ありそう」「これは相当幸運」
  5. /nl/articles/2412/20/news148.jpg 浅田真央、男性と“デート” 驚きの場所に「気づいた人いるかな?」
  6. /nl/articles/2412/20/news016.jpg 身内にも頼れず苦労ばかりの“金髪ギャルカップル”→10年後…… まさかまさかの“現在”に「素敵」「美男美女でみとれた」
  7. /nl/articles/2412/18/news144.jpg 海岸で大量に拾った“石ころ”→磨いたら…… 目を疑う大変貌に「すごい発見!」「石って本当にすてき」【カナダ】
  8. /nl/articles/2412/18/news047.jpg トイレットペーパーの芯を毛糸でぐるっと埋めていくと…… 冬に大活躍しそうなアイテムが完成「編んでるのかと思いきや」【海外】
  9. /nl/articles/2412/15/news077.jpg 生後1カ月の保護子猫、後頭部を見るとあのアルファベットが……→9カ月の現在にびっくり 「プレミアム猫」「本当にPですね」
  10. /nl/articles/2412/19/news190.jpg 辻希美、17歳長女・希空に「ダサすぎるって」とツッコんだ格好 
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」