陸上の山縣亮太選手が五輪代表内定 小池祐貴選手とタイム差わずか1000分の1秒、1センチ差(1/2 ページ)
スタートダッシュを決めた多田修平選手が後続を振り切り優勝しました。
「第105回 日本陸上競技選手権大会」が6月24日からスタートし、25日には、男子100メートル決勝が行われました。6日の布施スプリントで9秒95の日本新記録をマークした山縣亮太選手が3位に入り、東京五輪代表内定を勝ち取りました。
4位に入った小池祐貴選手とのタイム差はわずか1000分の1秒で、距離に換算すると1センチ差。ネットでは「努力は報われる!! 山縣さんにピッタリの言葉ですね」と様々なアクシデントを乗り越えてきた山縣選手に祝福の声が多く寄せられていました。
男子100メートル決勝は過去にないハイレベルな戦いとなりました。自己ベスト9秒台を記録した選手が4人(山縣選手、小池選手、サニブラウン・アブデル・ハキーム選手、桐生祥秀選手)。さらに多田修平選手を加えた5選手がオリンピック参加標準記録(10秒05)を突破していました。代表枠「3」をかける戦いにおいて、この5選手が決勝で3位以内に入れば代表内定となります。
決勝は多田選手が10秒15で優勝。東海大学のデーデー・ブルーノ選手が2位に入りますが、3位から6位のサニブラウン選手まで、タイム差が0.02秒と大接戦となり、3位の山縣選手、4位の小池選手はともに10秒27。着差判定のために1000分の1秒単位まで公表されて、山縣選手は10秒264、小池選手は10秒265と1000分の1秒差、距離換算するとわずか1センチの差でした。
代表内定を勝ち取った山縣選手は、リオデジャネイロ五輪男子400メートルリレーメンバーで銀メダルに輝き、2017年9月の全日本実業団対抗、2018年8月のアジア大会では10秒00と9秒台まであと一歩と迫っていましたが、2019年に肺気胸となり戦線離脱します。
2021年に入り戦列へ復帰した山縣選手は、6日の布施スプリント男子100メートルで9秒95の日本新記録をマークし、上り調子で日本選手権へ向かいます。決勝戦ではレース終盤に右足スパイクの靴ひもが解けてバランスを崩すものの、後続から迫ってきた小池選手らを1センチ差で凌ぎ、日本男子初の100メートルで3大会連続五輪出場を手中に入れました。
なお、小池選手はTwitterで「今できる走りはしました。200mも力を尽くします」とコメントしています。
山縣選手は「何ひとつ悔いのない準備ができた。自分の走るコースに集中したつもりだったけど、多田選手が中盤くらいで見えて、追いつこうと力んでしまった」と準備は万全で靴紐がほどけたことは言い訳にしませんでした。ファンは「レース後の態度、共に戦ってきた仲間への思いやり、クレバーさ、山縣くんを応援する所以だよ。怪我を乗り越え、よくここまで戻ってきてくれた」と苦労を乗り越えてきた山縣選手へ拍手を送っていました。
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