贋作師とニセモノを見破る目利きの少女 2人が出会う漫画が美しく胸に響く(1/2 ページ)
ニセモノを見破った少女の正体は……。
有名画家の贋作を売りさばく贋作師が、偽物を見抜く少女と出会う漫画「名無しの名画」が、心に刺さる物語で人気です。作者はイラストや漫画をWebで公開しているすぅ(@suu_san_g)さん。
キラキラと輝く「星のインク」で舞いながら空間に絵を描く「星彩画」が尊ばれている世界。主人公のエルは、正体不明の天才「星彩師」ラミー・エルメルの贋作を描いては売りさばいていました。自信作の贋作でしたが、ある日見知らぬ少女に偽物だと見抜かれてしまいます。
エルは少女の目利きの才能を利用しようと考えて、仕事を手伝ってほしいと言いくるめます。貧しい家庭で、病気の母を抱える彼は、金を稼ぐ必要があったのです。少女はエルの絵を気に入り、仕事を手伝うと約束してくれます。
あまり外に出してもらえず、学校にも行ったことのない、贋作稼業の元締めにも臆さない、少し変わっているけれども真っ直ぐな少女。彼女が自分の絵を好きだと言ってくれたことに、エルはうれしくなります。
ラミーのくじらの絵が好きだというエルに、少女は彼の絵が好きだから特別にくじらを見せてあげると言い出します。その舞いと絵を見たエルは――。
キラキラと光る絵の具で舞いながら絵を描く、“描き手の人生を写す”星彩画、その不思議で美しい世界にグッと引き込まれます。生きていくために贋作に手を染め、“醜い”と思う星彩画しか描けなくなったエルの苦悩と絶望、彼を救ったラミーの純粋な「好き」が胸に刺さるお話です。
「白黒なのに色が綺麗」「愉快な掛け合い、自分に無いものへの憧れや葛藤、そして何より迫力ある絵が素晴らしかった」と読者から高い評価が寄せられている同作は、小学館の第88回新人コミック大賞で少年部門佳作を受賞しています。
作品提供:すぅ(@suu_san_g)さん
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