「私たち、どうして終わったんだっけ」―― 元カレと再会して本当の“別れの理由”に気付く漫画が切なくも心に刺さる(1/4 ページ)

創作者と成長の物語でもありました。

» 2021年07月22日 09時00分 公開
[関口雄太ねとらぼ]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 新作がうまく書けずに悩む兼業新人作家が元カレと再会し、自身の過去を振り返りながら成長していく様子を描いた漫画が、価値観を再構築する苦しみと力強さにあふれていて心に刺さります。

【漫画】「私たち、どうして終わったんだっけ」 元彼に後ろ髪を引かれる新人作家の成長が強くて切なくて心に突き刺さる 漫画「たけくらべの終わりに」

 漫画家の飯田ヨネ(@misterYnoji)さんによる、新人小説家の成長を描いた漫画。主人公の井森あさみはIT企業で働きながら小説を書く新人作家ですが、4年前に新人賞受賞作でデビューして以来、次の作品を書き上げられていません。出版社の担当編集からは「まだ若いし、焦らずやりましょう」と言われますが、30歳を目前に結婚する同級生を横目に見ているあさみは「夢を見ていられる猶予なんて…」と気を揉みます。

 仕事終わりに小説を書き進めようとしますが、疲弊して「まあいいや土日で…」と休んで寝落ちしてしまったところに、取引先の飲み会で再会した元カレ・義晴から「よかったら今度メシ行かない?」とメッセージが。何年も彼氏ナシで過ごしてきたあさみは、誘いの言葉に胸を躍らせます。

【漫画】「私たち、どうして終わったんだっけ」 元彼に後ろ髪を引かれる新人作家の成長が強くて切なくて心に突き刺さる 4年前のデビュー作から新作を出せずにいるあさみ
【漫画】「私たち、どうして終わったんだっけ」 元彼に後ろ髪を引かれる新人作家の成長が強くて切なくて心に突き刺さる 仕事で疲れて寝落ちしていたところに誘いのメッセージ

 4年越しの元カレとの会話に花を咲かせて、なごやかな時間が過ぎていきますが、創作の話になると突如どんよりした空気が漂います。2人の出会いは大学の演劇サークル。小劇場や古本屋を一緒に巡り、新人賞原稿の手直しまでしてくれた元カレは、田舎から都会へ出てきたあさみからすると、創作の相棒のような存在でした。

 あさみは演劇サークルで活躍す義晴が、他大学の学生から注目されるほどの実力を持っていながら、夢を追う人や創作の場で活躍する人に対しては時おり、ふと暗い表情をのぞかせることに気付いていました。あさみが小説で新人賞大賞に選ばれた報告をした際に見せた反応も、素直に祝福するというよりはどこか複雑そうなものでした。

 帰り際、「今日。帰んの?」と手を重ねる義晴。あさみは義晴と腕を組んで歩きながら、これまでのもやがかかった気持ちを晴らすように「なんで私と付き合ってくれたの…?」と、改めて二人の関係を確かめようとします。

【漫画】「私たち、どうして終わったんだっけ」 元彼に後ろ髪を引かれる新人作家の成長が強くて切なくて心に突き刺さる 寄り添う元カレを受け入れようとする
【漫画】「私たち、どうして終わったんだっけ」 元彼に後ろ髪を引かれる新人作家の成長が強くて切なくて心に突き刺さる すべての始まりだった2人の関係を再確認

 義晴はなぜあさみの元から去っていったのか。二人の過去を振り返り、彼の本心を確認したあさみがとった行動とは……? 力強い決心と悲しみを経て成長する彼女の姿を、ぜひご自身で確認してみてください。

 本作は、飯田さんが3年前にpixivで掲載した「たけくらべの終わりに」をTwitterで分割掲載したもの。投稿には「なんかすごい絶妙に、心に刺さってくる!」と感嘆する声などが寄せられています。

 また、飯田さんは元AKBグループのメンバーとして知られる大木亜希子さんの『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』をコミカライズした作品『つんドル! 〜人生に詰んだ元アイドルの事情〜』を発売中。先日1巻が発売され、Amazon.co.jpにてコミックの売れ筋ランキング上位に食い込むなど注目を集めています。30歳を目前に、“元アイドル”の十字架を背負いながら仕事も恋もうまくいかない女性が、56歳の謎の男性ササポンと二人暮らしをしながら、人生を取り戻していく様子をていねいに描いた作品です。こちらでもキャラの感情の機微が伝わる飯田さんならではの表現で楽しませてもらえます。

作品提供:飯田ヨネ(@misterYnoji)さん


       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. /nl/articles/2412/18/news145.jpg “月収4桁万円の社長夫人”ママモデル、月々の住宅ローン支払額が「収入えぐ」と驚異的! “2億円豪邸”のルームツアーに驚きの声も「凄いしか言えない」
  3. /nl/articles/2412/16/news079.jpg “プラスチックのスプーン”を切ってどんどんつなげていくと…… 完成した“まさかのもの”が「傑作」と200万再生【海外】
  4. /nl/articles/2412/17/news060.jpg 100均のファスナーに直接毛糸を編み入れたら…… 完成した“かわいすぎる便利アイテム”に「初心者でもできました!」「娘のために作ってみます」
  5. /nl/articles/2412/17/news197.jpg 「巨大なマジンガーZがお出迎え」 “5階建て15億円”のニコラスケイジの新居 “31歳年下の日本人妻”が世界初公開
  6. /nl/articles/2412/17/news078.jpg 鮮魚コーナーで半額だった「ウチワエビ」を水槽に入れてみた結果 → 想像を超える光景に反響「見たことない!」「すげえ」
  7. /nl/articles/2412/18/news059.jpg 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開【大谷翔平激動の2024年 「妻の登場」話題呼ぶ】
  8. /nl/articles/2412/18/news015.jpg 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  9. /nl/articles/2411/25/news189.jpg 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」
  10. /nl/articles/2412/18/news056.jpg 日本人ならなぜか読めちゃう“四角形”に脳がバグりそう…… 「なんで読めるん?」と1000万表示
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」