ある意味「ジョーズ」超えのサメ映画! 映画「ザ・スーサイド・スクワッド」レビュー(1/3 ページ)
ねずみさんもかわいい。
「サメ映画には無限の可能性がある。『ジョーズ』を超えること以外は――」。これはサメ映画ライターである知的風ハット氏の書籍『サメ映画大全』の帯に書かれた絶対的な真理である。だが、「ジョーズ」に肉薄する、奇跡のようなサメ映画が誕生した。2021年8月13日より劇場公開されている「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」である。
前置きをしておくと、本作は「バットマン」や「スーパーマン」で知られるDCコミックスを原作とした、極悪人の特殊チーム・通称“スーサイド・スクワッド”を描いた映画だ。つまりはアメコミ映画であるのだが、その中でサメのキャラクターが登場するので、サメ映画としても最高なのだ。
少なくとも「かわいさ」という一点では、過去のサメ映画が束になっても敵わないのではなかろうか。しかも一本の娯楽映画としてめっちゃくっちゃ面白く、すでに海外の批評サイトで絶賛の嵐となっている。過去作を見ていなくても全く問題なく楽しめるので、15歳以上でグロが大丈夫な(ここ重要)全ての人に映画館に駆け付けてほしいのである。
サメちゃん超かわいい
もうありとあらゆるかわいさが、本作の「サメちゃん」に詰まっている。公式なキャラクター名は「キング・シャーク/ナナウエ」とされているが、ここでは敬意を込めてサメちゃんと呼ぼう。同じ愛称を持つVtuberとコラボしてほしい。してくれ。
サメちゃんの何がかわいいかと言えば、子どものように純粋な心を持っていることと、ものすごく食いしん坊なことと、そしてがんばり屋さんなこと。いつも腹ペコでごはん(人間)のことしか考えておらず、隙あらば人体を丸呑みしようとする。それだけだとトラブルメーカーの困ったちゃん(やっているのは殺人)だが、今はことばをおべんきょう中で、チームのためになろうと努力もしているのだ。KAWAIIの総合商社である。
そもそも「二足歩行してますが何か?」と当たり前に陸上生活をしていて、そのジーンズを履いてる姿、頭でっかちなフォルム、何よりつぶらな瞳という見た目から、たまらんハァハァかわいいと息を荒くせざるを得ない。なんか人体を引きちぎったり頭部をむしゃむしゃ食べていたような気もするが、「わぁ、いっぱい食べてる〜! えらい〜!」と全てを許してしまいそうになる(だめ)。
そんな風に萌え死にしそうになっていると、さらに「本当はさびしんぼうで、ともだちがほしい」という、「健気〜! 幸せになって〜!」と心から思える属性までプラスされている。アメコミ映画史上、いや全ての映画史上でもトップクラスの萌えキャラが爆誕していた。
ちなみに、そんなサメちゃんの声を担当するのは、「ロッキー」や「ランボー」でおなじみのシルベスター・スタローンである。映画情報データベースのIMDbのトリビアによると、ジェームズ・ガン監督は「あなたのために書いたキャラなんです!」「大きくてぽっちゃりした人間を食べるサメなんです!」と熱烈なオファーをしたところ、スタローンは「君のために何でもしよう、兄弟」と答えたという。なんていい話なんだ。吹き替え版の玄田哲章も超かわいいに違いない。
さらに言えば、ねずみさんもかわいい。本作ではねずみの大群を自在に操るキャラ・ラットキャッター2が登場するのだが、相棒のねずみは『鬼滅の刃』の「ムキムキねずみ」をどこかほうふつとさせ、それと同等かそれ以上の大活躍を見せるのである。ていうか動物に限らず、メインキャラみんなかわいい。きっと、見た後は人それぞれの「推しキャラ」ができることだろう。
ポップにグロくて人の命が大安売り!
鼻息荒くサメちゃんのかわいさを紹介したが、あくまで彼はメインキャラの1人であり、本作にはサメ映画でない部分もある。では、全体的にどういう内容なのかと言えば、「人の命をポップに大安売りしたアクション映画」である。
何しろ、主人公たちが所属するチームは「ザ・スーサイド・スクワッド(自殺部隊)」。その名の通りの、自殺行為以外の何物でもないクソみたいな作戦に強制的に参加させられる上、彼ら自身も積極的に「殺人第一」とばかりに敵どもを文字通りグチャグチャにしていく。
死体の数が通常の映画の50倍くらいな上に、腕がもげたり首が吹っ飛んだりする人体損壊描写もバーゲンセールとなっている。R15+というレーティングでもギリギリ、「よくR18+にならなかったな!」と思える光景がぶっ続いていた。
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アクションとだるっだるな日常のコントラストがすごい。
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