ニュース
» 2021年08月22日 09時00分 公開

耳が聞こえないお母さんが授業参観で囲まれてもみくちゃに 子どもたちとのやり取り描く漫画に「良い話だった」(1/2 ページ)

互いを知ろうとする気持ちが大事。

[谷町邦子,ねとらぼ]

 イラストレーターのミカヅキユミ(@mikazuki_yumi)さんは、生まれたときから耳が聞こえません。そんなミカヅキさんが息子の授業参観に行くと、子どもたちは興味津々。いろんな方法でミカヅキさんとコミュニケーションを取ろうとします。その出来事をつづった漫画が、SNSで反響を呼んでいます。

聴こえない母、授業参観 明るく楽しく子どもたちに自分の障害とコミュニケーションの方法について話すミカヅキさん。しかし、内心はドキドキ

 ミカヅキさんは授業参観前の昼休み、息子のちどりくんの教室に一番乗りで到着しました。名簿でちどりくんのお母さんだと知った子どもたちは、周りに集まり、次々と話しかけてきます。

聴こえない母、授業参観 ちょうどその頃、ちどりくんはグランドで遊んでいて教室にはいませんでした

 ミカヅキさんは、子どもたちに「耳が聴こえないので 紙に書くか 手話か 口を見せてお話して下さい」と伝えました。するとクラスのボスっぽい勝気そうな女の子が近づいてきます。「いつから聴こえないの?」「どうして聴こえなくなったの?」などたくさんの質問に、ミカヅキさんは快く答えます。

 その後、ボスちゃんはグランドで遊んでいたちどりくんを連れてきて、手話で好きな色を聞くように頼みます。ちどりくんは気が進まない表情で、みかづきさんはドキドキしながら見守ります。ボスちゃんは「やってよ!」と強い口調で言ったり、「お願い」と頼み込んだりと、なかなかあきらめません。

聴こえない母、授業参観 なかなかのタフネゴシエイターぶりを発揮

 ちどりくんは首を横に振ったり傾げたり。どうやら手話での通訳を断っているようでした。自分の意思で決定し、行動することを喜ぶミカヅキさん。しかし、なぜ断ったのかはわかりませんでした。手話をあきらめたボスちゃんとは、その後は筆談で会話を楽しみました。

 帰宅後、ちどりくんはミカヅキさんに「色」って手話でどうやるのと聞きました。手話の通訳を断ったのは、手話で「色」をどう表すのかわからなかったからなのです。クラスの人気者状態だったお母さんの通訳を頼まれたのはうれしかったとのこと。嫌がっていたとばかり思っていたミカヅキさんは、意外に思いました。ボスちゃんとのやり取りを口出しせず見守ってくれてよかった、ともちどりくんは話します。

聴こえない母、授業参観 どんなに心配でも、息子は息子の意思を持つ。本人の感情や判断を尊重しようとするミカヅキさん

 ミカヅキさんは、2人がやり取りしているとき、ドキドキした理由を振り返りました。親が聞こえないせいで、ちどりくんがイヤな思いをしないか心配だったからです。それは子どものためのようで、結局は自分が傷つきたくないからではないか。自分とちどりくんの感情は別物だから、イヤかそうでないかは本人が判断すること。

 ミカヅキさんは、「もっと子どもを信じていい」という結論に至ります。授業参観がきっかけとなり、親子で頭の中を見せっこするように、お互いをより理解し合えたように感じたミカヅキさんでした。

 漫画にはさまざまな反響がありました。「良い話だった」「子どもたちへの目線がとても優しくて、朝から何度も読み返してる」という声があり、ミカヅキさんと子どもたちとのあたたかなやり取りで、ほっこりした人が多いことが分かります。「新しい扉に触れた気持ちに」「凄く参考になる、勉強になる」といったコメントも。この漫画は、聞こえない人の感覚を理解するとっかかりになっているともいえるでしょう。

 また「コミュニケーションの方法はいろいろあるけど、どの手段でも『相手のことを思いやりながら』が大事」「親子でもお互い違う人間同士」との声もあり、聞こえるかどうかにかかわらず、互いを知ろうとするコミュニケーションのあり方や、親子でも別の意思を持った人間として尊重するいった普遍的なメッセージを読み取った人もいました。

 小3男の子、年中さんの女の子を育てるミカヅキさん。聞こえる子どもたちとのエピソードや、聞こえないミカヅキさんの日常を漫画に描き投稿しています。Web版レタスクラブで漫画「聴こえないわたし 母になる」が連載中です。

作品提供:ミカヅキユミ(@mikazuki_yumi)さん

(谷町邦子 FacebookTwitter

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10

  1. /nl/articles/2205/25/news162.jpg この写真の中に1人の自衛隊員が隠れています 自衛隊が出したクイズが難問すぎる……「答え見ても分からない」と人気
  2. /nl/articles/2205/28/news020.jpg 「トップガン」はなぜ「トップガン」なのか? 「トップガン マーヴェリック」でオタクが悲鳴を上げ歓喜した理由
  3. /nl/articles/2205/28/news071.jpg 幸せそうな顔だ! 久慈暁子、結婚発表後初のインスタ更新で夫・渡邊雄太見守る観戦中の笑顔ショット公開
  4. /nl/articles/2205/27/news130.jpg 鳥居みゆき、キャンプを楽しむ1枚に青白い顔 “ホラー風”ショットに「全く知らずに見たら怖すぎる」
  5. /nl/articles/2205/27/news012.jpg 利害が一致した柴犬&子猫コンビ “ごはん”のときだけ息が合う姿に「見事なシンクロw」「笑っちゃいました」の声
  6. /nl/articles/2205/28/news068.jpg 胃がんステージ4のバレー代表・藤井直伸、清水邦広&福澤達哉と再会ショット つらい治療の中で「最高の薬です!」
  7. /nl/articles/1809/23/news019.jpg 炊飯器いっぱいに炊けまくった米…! 「5.5合炊いて」が生んだ悲劇に「全米が泣いた」「笑いすぎてしんどい」
  8. /nl/articles/2205/28/news065.jpg 漫画家急病でセクシーな女性がサツマイモの画に 「単行本では必ず修正します」
  9. /nl/articles/2205/27/news033.jpg 禍々しい136体の妖怪像が話題 学芸員が「なんのために作れられたのか不明」「類例は見つからず」という造形物が謎すぎる
  10. /nl/articles/2205/28/news063.jpg ともさかりえ、「キンキーブーツ」応援で“一方的な攻撃”受ける 根拠もないうわさで「金田一の頃も苦しめられた」

先週の総合アクセスTOP10

  1. 誰にもバレずに20年 別荘を解体中にバスルームから“とんでもないモノ”が見つかる 「わけがわからない」と困惑
  2. 「チコちゃん」マナー講師が炎上で、エガちゃんの株が上がってしまう 「エンタメの見本」「エガちゃんはやっぱり偉大」
  3. 「だめだお腹痛い」「大爆笑しました」 榎並大二郎アナ、加藤綾子に贈った“ガチャピン人形”が悲惨な姿になってしまう
  4. ジャガー横田、愛車・BMWが高速手前でエンスト 九死に一生も原因不明の故障に「新車でまだ一年半なのに…」
  5. 「志摩スペイン村」微塵も人がいないのに突如トレンド入り 「にじさんじ」周央サンゴの“正直すぎるレポ”で話題に
  6. キンコン西野、“勝手に出された婚姻届”にまさかの展開 証人欄にはお世話になっている「森田一義って名前が」
  7. 「ゆっくり茶番劇」商標取得者の所属コミュニティーが声明 商標権の完全放棄を要求
  8. 中村江里子、174センチの長女&181センチの中学生長男に驚く声 「足ながっ!!」「モデルになれそう」
  9. 「志摩スペイン村」がトレンド入り→公式ホテルの予約が急増とさらなる展開へ 広報「すごいことが起こっているぞと思った」
  10. 華原朋美、デザイン手掛けた黒ミニドレスを披露 「本当に痩せて綺麗になって」「全てが可愛すぎました」と反響