厚紙・板紙特集の『デザインのひきだし44』がとんでもない厚さと表紙加工 「まるで鈍器」「本トッツォ」

デカい付録が挟まった見た目がまるでマリトッツォです。

» 2021年10月11日 18時10分 公開
[宮原れいねとらぼ]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 デザイン・印刷・紙・加工の情報誌『デザインのひきだし』(グラフィック社/2420円)の44号がとんでもなく分厚くてすごいことになっていると話題です。10月11日ごろ店頭に並ぶ予定で、一部ネット書店では売り切れも出ているようです。Twitterで「鈍器」「本トッツォ」なんて声も上がっているその中身とは……?

 『デザインのひきだし44』は厚紙・板紙特集。書籍表紙や名刺などに使われる厚紙・板紙の種類から使用例、印刷加工までを紹介しています。

厚紙 板紙 特集 デザインのひきだし44 情報誌 表紙 なんだか巨大でカラフルな『デザインのひきだし44』(画像提供:津田淳子@tsudajunkoさん)

 見た瞬間に驚くのは、付録「板紙・厚紙サンプルBOOK」のデカさ。板紙・厚紙を109枚もとじ込んだ“50ミリ厚”の実物サンプル帳で、製本機でつくれる限界の厚みとのこと。これを挟んだ本誌の見た目が、まるでクリームたっぷりのマリトッツォ……!

厚紙 板紙 特集 デザインのひきだし44 情報誌 表紙 めちゃくちゃ厚い

 もう1つインパクトがあるのが、3色ある表紙。特殊な加工もされており、実際に触ってみたくなります。厚さもかなりあるような?

 そこで気になる部分について『デザインのひきだし』編集長の津田淳子さんに伺うと、今回の特集テーマに合わせて、表紙にもヨーロッパから輸入されている「アートボール ナチュール」という分厚い板紙から3色を使用したそうです。

※アートボール ナチュールは、1平方メートルあたりの重さが610グラムもあり、通常のB5サイズ本の表紙より3倍近い厚みがあるとのこと

厚紙 板紙 特集 デザインのひきだし44 情報誌 表紙 表紙は「アートボール ナチュール」のオリーブ/オレンジ/ルビーの3色を使用(※購入時はランダム)

 この厚みが1ミリもある板紙に、熱をかけながら金属の凸版を使って押しつぶす「加熱空押し加工」でロゴや文字などを押しています。さらに表紙の紙が厚すぎると硬くてめくりにくくなるため、加工時には2センチ間隔の縦スジも押してもらったとのこと。「これがあることで紙が折れやすくなり、お風呂のふたみたいにちょっとしなやかになるだろうという計算からです笑」。

厚紙 板紙 特集 デザインのひきだし44 情報誌 表紙 色々とユニークな表紙。実際に「思ったより結構しなやかにまがります」とのことです。

 また詳しくは加工を手がけた箔押し会社・コスモテックのnoteに書かれていますが、本番加工時には室内および紙に含まれる水分量の変化によるアクシデントが発生。「2万回、手作業で霧吹きで水を吹き付けながら」加工することになったというエピソードも。霧吹きをかけすぎて握力が限界に達する方もいたという話が壮絶……!

『デザインのひきだし44』表紙加工時の様子

 そしてついに完成した『デザインのひきだし44』。他にもシート状の板紙なども付録しており、結果的に厚さ70ミリ、重さ1.5キロという“鈍器”になりました。

 ちなみに付録の板紙・厚紙サンプルBOOKの表紙は25色あり、内容としても「普通では入手しづらい板紙・厚紙サンプルがたくさん入っているので、(デザイナーや編集者などが)実際に仕事で使いたいときに役立つのではと思っています」と津田さん。

 本の表紙・3色と、付録の表紙・25色は通販だと選択不可。組み合わせが75パターンもあるので「どうしてもこの色が良い!」という人は店頭に並ぶのを待つのも手です(※中身はどれも同じです)。

 特集のメインは「板紙・厚紙と、そのかっこいい使い方」。基礎知識からオススメの板紙・厚紙の紹介、他にも表紙が作られるまでの過程も詳しく載っていますよ。

厚紙 板紙 特集 デザインのひきだし44 情報誌 表紙 『デザインのひきだし44』本誌と付録
厚紙 板紙 特集 デザインのひきだし44 情報誌 表紙 全然曲がらないという付録「板紙・厚紙サンプルBOOK」。全部厚紙なので開くと写真のようになります。やばい
厚紙 板紙 特集 デザインのひきだし44 情報誌 表紙 以下、中身サンプルはAmazonより
厚紙 板紙 特集 デザインのひきだし44 情報誌 表紙
厚紙 板紙 特集 デザインのひきだし44 情報誌 表紙

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」