半獣の夫人が巨人討伐をさせられる漫画「ケモ夫人」かわいさとハードな展開で人気 反響に作者「1話目は落書きだった」(1/2 ページ)
序盤からは想像できないハードで謎にあふれた展開に。
Twitterに投稿された漫画「ケモ夫人」が、半獣人好きな人たちの心に深く突き刺さるデザインと予想外過ぎる強烈な展開で人気となっています。夫人を観察して愛でるだけの漫画かと思ったらすげえことになってんぞ……!?
上品な身なりと豊満な体に、動物的な頭を持つ「ケモ夫人」。第1話では突然おのを渡され、「これで巨人を討伐してください」と言い渡されます。無理難題に夫人は、「そ…そんな…わたし出来ないわ…ちょうちょしか捕まえたことないのよ…?」とうろたえるのでした。
この夫人の見た目と立ち振る舞いや一連の流れ、そして「ちょうちょしか捕まえたことない」という味わい深すぎるせりふは多くの人の心を直撃。4万件近いいいねを集める人気となり、半獣人好きの間で盛り上がれる素晴らしいキャラクターが誕生した瞬間でした。
しかしこのキャラ人気は、漫画「ケモ夫人」の話の始まりにすぎなかったのです。
巨人討伐を言い渡された夫人がカフェで思い悩んでいると、スマホに夫からの電話が。巨人討伐の件について話していると、サングラスの男にスマホを銃で撃たれてしまいました。逃げ出す夫人ですが、カフェの外には巨大な化け物が待ち構えていたのです。
しかし先ほどのサングラスの男が、この化け物を銃殺。同時に撃たれた夫人のスマホが自己修復と変形をし、夫がスマホを介して男と戦い始めてしまいました。夫もこの男も、謎だらけです。
なんとか夫人が場を収め、夫から巨人研究所に向かうよう言われる夫人。研究所では少女のような見た目でだいぶやばめのテンションの「フォックステール博士」が、巨人討伐のためさまざまな実験をしていました。
しかし、突如1話で夫人におのを渡していた“依頼人”が、空間を破るかのように突如出現。博士に「これで巨人を討伐してください」とナイフを渡すと、博士は悲鳴を上げて泣き崩れてしまいました。
「ウチらは死ぬんだ」と泣き崩れる博士ですが、この研究所はもう“危険”らしく破棄することに。こうして博士と夫人は2人で巨人討伐へ向かう……という第14話で話は一区切り。ここでちょっとゾクッと来る演出が入ります。この後も話は続いており、現在進行系で更新中。新たな謎が次々に登場する、本格的な話となっています。
この漫画を公開したのは、藤想さん(@kanon_pic)。今回、どのような思いでこのケモ夫人を公開、連載しているのか聞いてみました。
―― 反響の大きさについて率直な感想をお願いします。
藤想: キャラクターについて、驚愕するような大先生方にファンアートを描いていただけたことは、全く予想していなかった幸運でした。そしてそのファンアートがさらに作品の知名度を高め、作品を多くの方に知って頂き、うれしく思っています。些か現実を信じられない気持ちも大きいです。
ケモ夫人がこんなにも多くの方に親しんで頂けたことは全く予想外でしたが、第四話、第五話の反応を頂いたとき、私は今まで通り普通に漫画を描いていいのだと分かり、それからの連載では私が今まで積み上げてきた作品に対する熱意を皆さまに評価していただけたことに感謝しつつ、のびのびとやらせていただいております。驚きつつもとてもうれしいという感想です。
―― 「ケモ夫人」のキャラクターをどのように思い付いたのか教えてください。
藤想: 私は昔から子どもでも描けるくらい簡単なキャラクターを生み出すのが好きだったのですが、昔コミティアで発表した『コミティアの最悪』という漫画に「壊死愛子」というマズルの長い大人の女性のキャラクターを描いたことがあり、それからマズルの描きやすさとかわいさに気付き、10月の終わりごろに動物っぽい顔をしたふっくらとしたエロい体形の人妻を描いたら面白いんじゃないかと思って最初の設定イラストを描きました。
おのは適当に持たせました。おのを持っておろおろしてたらかわいいんじゃないかという出来心でした。
―― 連載スタート時点で長編にする構想はあったのでしょうか。
藤想: 第一話は完全な落書きであり、キャラ立ての練習にと20分くらいで適当に描いたもので、これを描いた時は何も考えていませんでした。第二話を描くかどうするかと迷った辺りで、これを連載する覚悟を決めて、作品全体の構想やネタや、キャラ設定を固め始めました。今はそれなりに長い話の構想があります。
―― 今後の意気込みを教えてください。
藤想: ケモ夫人の更新を毎日楽しみにして下さっている方や、コミティアで私の新刊を楽しみにして下さっている方、今まで応援してくれていた友人や家族たちのために、面白いと思える漫画を描き続けて、取りあえずはケモ夫人の書籍化を目指したいと思います。
このバズりはまだ全ての出発点だと思っています。今後も良い作品を作り続けます。
作品提供:藤想さん(@kanon_pic)
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