約400匹の野良猫が暮らす長崎県・高島で61匹を一斉捕獲→不妊手術 左前足の切断、腎不全で命を落としかけたボス猫の保護も密着撮影(1/2 ページ)

軍艦島として知られる端島の北にある島です。

» 2021年11月28日 21時00分 公開
[神奈川はなねとらぼ]

 地域猫活動を行っている「島猫命守り隊」とNPO法人「CATS LIFE SAVER」(大分県別府市)が協働で、長崎県・高島で大規模なTNRMを実施し、その様子を撮影した動画がCaTuber猫たかDチャンネル(@neko_takad)さんのYouTubeチャンネルで公開されています。

 TNRは、Trap(トラップ)・Neuter(ニューター)・Return(リターン)の略。野良猫を一時保護して避妊手術を行い、元いた場所に戻す活動で、繁殖を予防し、野良猫や殺処分を少しずつ減らしていくのが目的です。

 島猫命守り隊はTNRにエサやりや衛生管理などのManagement(マネジメント)を加えた、TNRM活動を行っています。

一斉TNRの様子

 全国各地の約10人のメンバーで構成されている島猫命守り隊。今回の活動にはメンバーの他、高島の島民や他団体、個人ボランティアなど、あわせて約23人が参加しました。

 高島で暮らしている猫は20〜30匹のコロニーを形成しており、多いところでは50匹ほどの集団も。島全体では約400匹の猫がいると思われます。今回の活動で捕獲したのは2つのコロニーの61匹で、捕まえきれなかったケースもあるそうです。

 島内には動物病院はなく、手術を行ったのは島外の先生たち。捕獲を実施した翌日の午後に島に到着し、その日の夕方まで、さらに翌日の朝から昼まで手術を行ったそうです。

 手術を待つ猫ちゃんの中には不安そうな鳴き声を上げる子も。手術が終わって元いた場所に戻されると、元気に駆け出していきました。

 紹介されている動画の中には、島のボス猫「あか」さんの姿も。ケンカ傷で左前足が壊死・切断したあかさんは、腎不全などの病気もあるため、島外に預けられることになりました。

 一度は命を落としかけ、長期入院したあかさんですが、現在は徐々に回復しているとのことです。

 それまで暮らしていたお宅を離れる前には、切なそうな表情を見せていたあかさん。お世話をしてくれた人とのお別れが分かっているみたいです。

 新しいお家で暮らし始めたあかさんは甘えん坊で紳士的とのこと。現在の様子は、みぞれ(@mizorekurimu)さんのTwitterで見られます。

 島猫命守り隊は自費で運営しており、活動資金にするため制作しているハンドメイド商品は売上を一部医療費にしたり、物資のお礼にしたりしているとのこと。活動資金援助の申し出があれば、ありがたく受け取っているそうです。

 今後も高島での一斉TNRMを継続していくため、SNSで働きかけをしている島猫命守り隊。隊長の江頭さんは将来の展望について、こう語ってくれました。

「SNSでつながった人たちや、高島の島民、他団体たちに協力してもらいながら、今後も1つの命を守れるボランティア活動をしていこうと思っています。一人でできることは、両手を広げたくらいですが、隣の人と手をつなげば、できることはさらに広がっていきます。その可能性を信じ、個人でも無理なく広めていくことができたら助かる命も増えていくのではないかと思っています。理想を現実にするためには、まずは画面の外に出ることが大事だと思い、実際に動き始めています」

 今回の一斉TNRMの様子を密着撮影したCaTuber猫たかDチャンネル(@neko_takad)さんのYouTubeチャンネルでは、お弁当を食べていたら寄ってきてしまった姿など、島の猫ちゃんたちの自然でユーモラスな姿も見られます。

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