「地元と呼べる場所がない」「友達作りに苦労した」 親が転勤族だった人に聞く“転校・転園でツラかったこと、良かったこと”(2/2 ページ)
転校4回(30代)
―― Q:親が転勤族だったことで、あなたにはどんな影響がありましたか?
小学生のときに3回、中学卒業とともに1回。人間関係リセットは慣れたけど、新幹線に乗って高校受験しに行くのはツラかった。
―― Q:良かったこと、悪かったことは?
良かったこと:世間の広さと常識の狭さは知れた。常識や道徳観念は地域性が強く、クソな場所はマジでクソ。引っ越しで環境が良くなったことも悪くなったこともある。環境リセットに慣れてるので今の土地や生活への執着心が薄い
悪かったこと:よそ者扱い感はデカイ。どう頑張っても立場が弱くなる
―― Q:子どものころ、親の転勤についてどう思っていましたか? また、今はどう思っていますか?
仲の良い友達と別れるのは普通に嫌だった。だがあのまま住んでたらこの歳まで生きていたか、夢を叶えて今の仕事や人間関係にたどり着けたか分からないので複雑。
転園・転校6回(茶豆さん/30代)
―― Q:親が転勤族だったことで、あなたにはどんな影響がありましたか?
幼稚園2回、小学校3回、中学入学前に1回転園、転校しました。子ども側は特に大変なことはなかったですが、学校が変わるので親は手続きやらで大変だったと思います。
―― Q:良かったこと、悪かったことは?
<良かったこと>
- コミュニケーション能力が自然と上がった
- 全国に友達ができた
- 部屋の模様替えをしなくて済む(家自体が変わるので)
- 方言が身につく(自宅内は標準語)
<悪かったこと>
- 地元の友達、幼馴染がいない
―― Q:子どものころ、親の転勤についてどう思っていましたか? また、今はどう思っていますか?
3年に一度くらいの周期でやってくる定期イベントだったので、毎年時期になると「そろそろかなぁ?」と思っていました。普通は転勤がないと聞いて、びっくりしたのも覚えています。
新しい土地、学校、家に行くことは楽しみでした。転校の度に盛大にお別れ会をしてもらえるので、特別感があって良かったです。今も、転勤族で良かったと思っています。
転校・転園7回(たけちゅるりさん/50代)
―― Q:親が転勤族だったことで、あなたにはどんな影響がありましたか?
保育所2つ、小学校3つ、中学校2つ通った。高校は1つだったけど父親が単身赴任した。
「同じ県内ならそこまで言葉は変わらない」と思いきや、ちょっとの違いでやたらともめた。人に合わせるのは今でも上手ではないのだが、過剰適応する癖がついておりさまざまな場面で我慢しがち。
―― Q:良かったこと、悪かったことは?
荷物が増やせないので、どうしても持っておきたい大事なものの数が限られていた。いろいろなものを捨てるのがしのびなかったので、今ではたくさん買って溜め込んでしまう癖がついた。
どうせ別れる時がくるからと友達付き合いを長続きさせようと努力したことがない。
―― Q:子どものころ、親の転勤についてどう思っていましたか? また、今はどう思っていますか?
子どものころは仕方ないと思っていた。大人になってからは、おかげでそこそこ良い生活を送れたと思っている。
その他の「いろいろな人に聞いてみた“あの悩みの実際”」
(イラスト:野田せいぞ)
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