ウナギの蒲焼き、かまぼこで再現 代替シーフード「うな次郎」が生まれた背景、新潟・一正蒲鉾に聞いた(1/2 ページ)
開発を重ねるごとに、蓄積される技術。
ニホンウナギが絶滅の危機にあるという話題が取り沙汰される中、注目を集めている商品があります。うなぎの蒲焼きをかまぼこで再現した「うなる美味しさ うな次郎」です。
製造元は、創業1965年の一正蒲鉾(新潟県東区)。うな次郎のほか、カニかまぼこ「オホーツク」など、手の届きにくい食材を魚のすり身で再現する「代替シーフード」開発の草分け的存在です。2021年11月には生うにを再現した商品を発売しました。
「うな次郎」ができるまでと、代替シーフードづくりのこれからについて、一正蒲鉾に話を聞きました。
うな次郎が生まれた背景
「うな次郎」の開発が始まったのは、約10年前のこと。2013年に絶滅危惧種に認定されたうなぎですが、環境の変化や乱獲などにより、その頃にはすでに漁獲高が減少していました(関連記事)。
「二ホンウナギの減少により国産うなぎが高騰する中で、『もっと手軽にうなぎを食べたい!』というお客さまの声に水産練り製品の技術でお応えできないか、という一正蒲鉾創業者である故・野崎正平のアイデアがきっかけとなりました」(一正蒲鉾)
当時の若手社員で「うな次郎チーム」が発足し、2010年に開発がスタート。開発チームは単にうなぎに似せるだけではなく、「おいしいうなぎの蒲焼」に近づけることを追求しました。
「本場のうなぎを食べ歩き、本当においしいうなぎの蒲焼とはどういうものなのかを研究しました。特に焼き方にはこだわっており、関東風のうなぎの蒲焼きと同様に、蒸した後、焼きとたれ漬けを数回繰り返すことで、ふっくらと香ばしく焼き上げています。一正蒲鉾の『うな次郎』の焼き工程は、本物のうなぎの蒲焼を焼くことが可能なほど本格的な特別仕様です」(一正蒲鉾)
皮の部分は、これまで培った技術が生かされています。「カニかまの製造工程ですり身を薄いシート状にする技術が、『うな次郎』の皮を作る際に役立ちました」
6年の歳月をかけて作り上げた「うな次郎」は、2016年に発売。購入した人からは、「ついに!」という待望の反応があったそうです。
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