ウナギの蒲焼き、かまぼこで再現 代替シーフード「うな次郎」が生まれた背景、新潟・一正蒲鉾に聞いた(2/2 ページ)
完全に“うなぎフリー”に
2016年の発売以降も、トレーをレンジ対応にするなど改良が重ねられた「うな次郎」。2020年には、うなぎエキス不使用の「うな次郎」にリニューアル(関連記事)しました。
それまでの「うな次郎」は、ふっくらとした身、弾力のある皮は再現できていたものの、味付けには「うなぎエキス」を使用していました。作り方は企業秘密ですが、うなぎエキスを使わなくても、うなぎらしい味の厚みやコクを維持できるようにさまざまな工夫を凝らしたとのこと。
「リニューアル前は『うなぎエキスを使用しているのが残念』という声をいただくこともあったのですが、おいしさはそのままに『うなぎフリー』となったことで、より多くの人にご満足いただける商品になったのではないかと感じています」(一正蒲鉾)
さらに2021年11月には業務用の「ネクストシーフード うに風味」発売(関連記事)。高級食材である生うにの味わいと食感を、魚のすり身で再現しています。
うなぎ、生うに、さらに業務用「イカ風かまぼこ」まで製造している一正蒲鉾。魚のすり身での再現が難しい食材はないのでしょうか。
「うなぎも、うにも、食材によって形も風味も全く異なるので、どれも難しく毎回苦労しています」(同社)
他方で「うな次郎」のタレを開発する過程で得た材料の知識が、「ネクストシーフード うに風味」など新商品の開発に役立っているそうです。開発を重ねる中での技術の蓄積が生きているのですね。
ニホンウナギの減少を受けて作られた「うな次郎」ですが、原料となるタラやタチウオを獲りすぎてしまわないように気を付けているといいます。
「一正では商品の製造が『海の命』の枯渇につながらないよう、原料の魚は魚種ごとに年間の漁獲可能量を定めたTAC制度に従って調達しています」と同社。
現在、新商品を開発中の一正蒲鉾。具体的に何を作っているかは、またもや「企業秘密」とのことですが、今度はどんな「ネクストシーフード」が登場するか楽しみです。
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