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» 2022年01月03日 19時00分 公開

タイのオタクは「読む用・保存用・予備で3冊買う」 タイに進出して5年、KADOKAWA AMARIN社長にタイのオタク事情を聞いた(1/3 ページ)

タイのオタクシーン、激アツです。

[しげる,ねとらぼ]

 BLドラマが世界的に人気を集めるなど、昨今にわかに注目されているタイ製コンテンツ。実はそんなタイでも、日本のオタクコンテンツは長らく人気があり、現地のオタクたちは日本の最新事情にも精通。ネットのおかげで、今やアニメの視聴タイミングも日本とほぼ変わらないほどだとか。

 そんなタイの状況に注目したのが、日本産オタクコンテンツの一大供給源であるKADOKAWAグループ。2016年にはタイの出版社との間で合弁企業「KADOKAWA AMARIN COMPANY LIMITED」をバンコクに設立し、現地での出版活動を本格的に展開しています。しかし、タイで日本のオタクコンテンツを展開するって、そんなにうまくいくものなの……?

 というわけで、今回はKADOKAWA AMARINの代表を務める岩崎太郎代表にお話を伺い、発展著しいタイのオタクシーンと出版事業について、いろいろと聞いてみました。岩崎代表が「将来性しかない」と断言するタイのオタクシーンでは、いったい今何が起こっているのでしょうか。

KADOKAWA AMARINの岩崎太郎代表

東南アジアで最もオタクに優しい国、タイ

――そもそも、なぜKADOKAWAがタイに会社を作ったんでしょうか?

 実のところ、KADOKAWAの海外マーケットのサイズでいうと、タイってトップ5に入るくらいの市場規模があるんですよ。マーケットとしては北米や中国、韓国、台湾あたりが大きいんですが、その次がタイ。それならそこに拠点を作ろうという話が出て、2015年くらいから本格的に1年ほど準備してできたのがKADOKAWA AMARINです。

――そんなに市場規模が大きいんですか……。

 タイって、東南アジア全域で見ても表現規制に寛容な方なんですよ。他の地域は肌を露出した女性キャラクターは出せないなどの表現規制があります。タイでは、数十年前から日本のアニメがテレビで放送されていたり、いろいろなジャンルの日本の漫画を出版しているライセンシーも多い。だから、そもそもオタクコンテンツが流通しやすい土壌があると言えます。

――タイと言えば、性転換や同性愛についても社会的に受け入れられているイメージがあります。

 実際、オタク要素抜きにしても、LGBTQについては社会的にかなり寛容です。メディア等へ出演も多いですし、一般的に不自由なく働ける環境が備わってますね。

――合弁会社を設立したパートナーである、AMARINというのはどういった企業なんでしょう?

 一言でいうと「総合メディア企業」です。日本で言ったら「漫画とラノベをやっていない、日本の大手総合出版社」みたいな感じというか……。女性誌を中心に、ライフスタイル系の雑誌とかHow to本とかも出しています。あと、直営の書店を全国に約200店舗持っていて、加えて印刷工場もテレビ局も持っています。

――それだけの規模感があるのに、漫画とラノベはやっていなかったんですね。

 そうなんです。それで補完関係が生まれて、パートナーとしてAMARINを選んだという経緯もあります。2016年に会社を作って、そのタイミングで私も代表として赴任しました。初めは人もいなくて、正規の従業員は編集1人、グラフィックデザイナー1人、ライセンス管理で1人、それに自分の合計4人だったんです。当時はAMARINから人を借りてくることもありました。

――2015年から1年で準備してタイへ、ということだと思うんですが、そもそも岩崎さんはコンテンツ系の仕事をなさっていたんですか?

 それが全然やったことがなかったんです。KADOKAWAの前にはメーカーにいたんですが、ずっと海外駐在員をやってたんですよ。そういった時期が長かったので、たまたまKADOKAWAが海外事業を広げるっていうタイミングにマッチングした感じです。1年の準備期間の間は(KADOKAWAの本社がある)飯田橋にいましたけど、そこからすぐタイに行ってそのまま現在に至ります。

――全くコンテンツ系の仕事の経験がないのに、いきなりタイのオタクを相手にするのはけっこう苦労があったのではないでしょうか?

 いや、別に苦労というほどのことはなかったですね……。子どもの頃は「ときめきメモリアル」みたいなギャルゲーもやっていたし、多少知識のアップデートは必要でしたけど、「今のは絵が違うな〜」くらいの感じですんなりなじめました。

 もともとメーカーで海外拠点の責任者やってた経験もありますし、会社の経営という点ではそれほど変わらないですね。最初はスタッフも少ないし、タイの読者の需要も分からなくて1〜2年は大変でしたが、今はスタッフも50人に増えました。2019年くらいから会社が大きくなり始めて、今ではラノベとコミックではタイでトップレベルのシェアを持っています。

売れ筋タイトルに、日本とのタイムラグがない!

――では、最初に出した商品はなんだったんですか?

 『君の名は。』の小説のタイ語版です。これ、日本での劇場公開が2016年の夏で、タイでも日本と近いタイミングで公開する予定だったんです。だからそれに合わせて、この年の9月に会社ができてすぐに大急ぎで用意したんですけど、10月にタイの国王のラーマ9世が崩御してしまいまして……。

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