カバー裏の小ネタが見たいあまり図書室の本を壊してしまった―― 読書好きの苦い思い出を描く漫画にほろり(1/2 ページ)

反省の大切さ。

» 2022年01月08日 12時00分 公開
[沓澤真二ねとらぼ]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 好奇心でつい図書室の『かいけつゾロリ』を破損してしまった――。主人公が罪の記憶に苦しむ漫画が、心に刺さると話題です。ゆかいな本の話題なのにチクッとしてざわざわして、それでいてほろりとくる良い話。

漫画をまとめて読む
アイキャッチ1 カバーに隠れた仕掛けがある本、気になっちゃいますよね……

 漫画は施川ユウキ(@ramuniikun)さんの著書『バーナード嬢曰く。』の一編。ライトな本好きの町田さわ子と、SFマニアの神林しおり、図書委員でシャーロキアンの長谷川スミカら、学生たちが図書室で読書のスタイルや名著などについて語り合うシリーズです。

アイキャッチ2

 作者がTwitterで公開した『かいけつゾロリ』のエピソードは、彼女たちの「シリーズのタイトルを言い合う遊び」からスタート。「おならでなんとかする話のタイトルが出てこない」「『おならでなんとかする話ばっかだよ!』ってツッコミたいんだけど……」などと盛り上がっています。そのきっかけは、長谷川が家から持ってきた、『かいけつゾロリのめいたんていとうじょう』でした。

アイキャッチ3

 ところがその表紙を見ると、町田は急に表情を曇らせ、図書室の隅でふさぎ込んでしまいます。いつも明るい彼女らしからぬ振る舞いに、何かを感じ取った神林が声をかけると、町田はゾロリシリーズの楽しみの1つ、“カバーに隠れた小ネタ”にまつわる苦い思い出を語り始めました。

アイキャッチ4

 それは町田が小学生時代、図書室の『めいたんていとうじょう』を借りたときのこと。カバーの下見たさに、保護フィルムをはがそうとしたというのです。

 しかし、しっかり貼られたフィルムはうまくはがせず、本はところどころ破けてしまいました。どうにかカバーをめくれる状態にはしたものの、そこまでして見たかった小ネタは、罪の意識で見られずじまい。結局、町田は本を直せないまま返却し、全てをなかったことにしてしまいました。

アイキャッチ5

 長谷川の本を見るまで罪の記憶を忘れていた自分を、「全部なかったことにしたら記憶からも消えてたなんて……」と悔やみ涙を浮かべる町田。神林はかける言葉が見つからず、最近読んだ小説から引用しようと思案するも、とっさには思い出せず難儀してしまいます。

アイキャッチ6

 そのあたふたする様子がおかしくて、少し笑顔を取り戻した町田は、「元気づけてくれるなら神林の言葉で聞きたい」とひと言。神林は赤面しながらも、「思い出してちゃんと反省できるなら大丈夫だ!」と、言葉を絞り出しました。

アイキャッチ7

 シンプルな激励を受けて、町田はようやく立ち直った様子。あらためて長谷川から『めいたんていとうじょう』を借り、あのとき見たかったのに見られなかった“カバーの下”と向き合うのでした。

 「神林の、町田の気持ちの気付き方や励まし方が最高」「ゾロリの話題で感動する日が来るなんて思わなかった」など、大きな反響を呼んだこの漫画。「もしはがしちゃったら素直に言えば図書の人は直してあげます。こっそり返したら泣いちゃいます」と、優しく声をかける図書館関係者のリプライもみられます。

作品提供:施川ユウキ(@ramuniikun)さん

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
  2. DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
  3. 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議
  4. スーパーで買った半玉キャベツの芯を植え、5カ月育てたら…… 農家も驚く想像以上の結末が1300万再生「凄い」「感動した」
  5. 東京藝大卒業生が油性マジックでサンタを描いたら? 10分で完成したとんでもない力作に「脱帽です」「本当にすごい人」
  6. 定年退職の日、妻に感謝のライン → 返ってきた“言葉”が約200万表示 大反響から7カ月たった“現在の生活”を聞いた
  7. 【ヤフオク】“3万円”で購入した100枚の着物帯 →現役着付師が開封すると…… “まさかの中身”に驚き
  8. 「立体的に円柱を描きなさい」→中1の“斜め上の解答”に反響「この発想は天才」「先生の優しさも感じます」 投稿者に話を聞いた
  9. 「すんごい笑った」 “干支を覚えにくい原因”を視覚化したイラストが勢いありすぎで1700万表示の人気 「確かにリズム全然違う!」
  10. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  3. 東京美容外科、“不適切投稿”した院長の「解任」を発表 「組織体制の強化に努めてまいる所存」
  4. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  5. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  6. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  7. 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  8. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  9. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  10. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」