九尾の狐伝説の「殺生石」が真っ二つに割れる 「不吉の前兆か」「むしろ力が弱まった」(1/2 ページ)
自然に割れた?
「九尾の狐伝説」にまつわる史跡「殺生石」(栃木県那須町)が5日までに真っ二つに割れたことが分かりました。当地を訪れた観光客がTwitterで報告しています。
「殺生石」は那須湯本温泉近くの那須岳の斜面にある巨大な石で、国の名勝に登録されており、俳人の松尾芭蕉もこの地を訪れ「石の香や 夏草赤く 露あつし」と詠んでいます。
ここ数日で割れたとみられる殺生石は、以前からヒビが入っていることが確認されていました。岩の周囲に張っていたしめ縄も切れています。
5日14時ころに友人と現地を訪れていたPくん(@p21002380)さんによると、「殺生石は遠くから見てもしめ縄が巻いてあるので一目で分かるのですが、当日はしめ縄が見えなくておかしいなと思った」そうです。2週間前にも訪ねていたため、すぐに割れていることに気づいたとのことですが、「他の観光客は他県の人なのか割れてる事に疑問を抱いてなかった」ようです。
また、同日訪れていたLillian(@Lily0727K)さんも、「現地であるはずのしめ縄が巻かれた岩が見つからずしばらく探した」「割れた断面のように見える岩があって、すぐそばに縄が落ちていることから、もしかしてあれが殺生石で割れたのではないかと思いました」と発見時のことをねとらぼ編集部の取材に答えてくれました。その場でネットを検索したものの、殺生石が割れたとのツイートなどは見つからなかったそうです。
九尾の狐を退治し封印した伝承からネットでは「封印が解かれた?」「不吉」と不安視する声もありましたが、退治したのち高僧が砕いて分割したなれの果てとの伝承から「割れたことによってさらに(力が)弱まった」「一つの物語の終焉」と意味づけるコメントも多く見られました。また、現在放送されている大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にも登場している上総介や三浦介が九尾の狐退治に関わったことを知ったと改めて伝承に興味を持ったり、ほかにも各地に飛び散った殺生石があることを知ったという声も。
九尾の狐伝説では、天竺(インド)そして唐(中国)から飛来した九尾の狐が美女に化け、鳥羽上皇を殺そうとします。しかし、陰陽師に見破られ、那須まで逃げたところを退治され、巨大な石への化身します。その石からの毒気でここを通る人や獣が命を落としたため、「殺生石」と呼ばれるようになりました。時が過ぎ、そのことを知った源翁和尚が一喝すると石は三つに割れて飛び散り、一つが那須の地に残ったと言われています。日本各地には殺生石の伝説が残っており、能の演目にもなっています。
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