528日間、作家に勉強を報告し続けた受験生が大学入試に合格するまで 「ラノベ化決定」「温かさ優しさに感動……」(2/3 ページ)

» 2022年03月29日 19時30分 公開
[ケンゾーねとらぼ]

――この受験生からのDMは毎日来ていたのでしょうか

屋久さん たまに1日空いて2日分が一気に送られてくる日などはあったかもしれないですが、基本ほとんど毎日来ていました。1年と半年間もそれを続けるのは、本当に大変だったと思います。僕の執筆時間より長かったんじゃないかなと震えています。笑

――DMが来るようになったのは2020年9月8日のようですが、なにかきっかけはあったのでしょうか

屋久さん 僕の著作「弱キャラ友崎くん」はぼっちの高校生が表情、姿勢、服装など基礎の基礎から努力を重ねてリア充になっていくストーリーなのですが、その作中で主人公が行っていた課題を実践し、リア充を目指す「友崎くんチャレンジ」がファンの間で始まりました。それを僕が取り上げて広がったことから流れが始まったように思います。

 その派生のなかで特に拡散されたのが筋トレをDMで送ってきた子で、そこからDMでの努力報告が増えて今回の件につながりました。他にも作家になった子や、筋トレとともに駄じゃれを贈り続けてきた子などさまざまです。笑

 

――屋久さんから返事を送ることはどのくらいありましたか? やりとりの中で感じたことや印象に残っていることがあれば教えてください

屋久さん 10日から30日に1度くらいが平均だったかなと思います。相手の子が送ってくるメッセージに迷いや不安を感じたときに短く励ます言葉を投げかけたり、迷いの中身を話してみるよう促したり、が多かったかなと。やっぱり通信制という環境では吐き出せる相手もいないと思ったので、毎回アドバイスまではできなくとも、もし自分が同じ立場だったら聞いてもらえるだけで心は安らぐかな、と思っていました。

 Twitterでは4枚の画像しか入れられないので伝え切れていないのですが、実は最初の受験で小論文の回答の縦書きと横書きを間違えてしまったというDMが来たことがありまして、そこで「見守ってくれていたのに申し訳ない」と僕に対する謝罪もつづられていたことはとても印象に残っています。そのときは謝る必要はないことを伝え、自分が過去にライトノベルの新人賞でヒロインの名前を誤植したまま送ってしまった失敗談を話して安心してもらう、というやりとりをしたのですが、そのときは「自分の職業ってこういう意味の『先生』だっけ?」と自問自答していました。笑

――合格の報告が来たときの気持ちをお聞かせください

屋久さん 前述の失敗なども見ていたので、とても安心しました。こうして思春期の大切な時期の思い出の1つになることができて、そしてその頑張りが多くの人に知ってもらえたことは、僕にとってもうれしいことです。そしてこれだけ頑張れる彼なら、きっと楽しいキャンパスライフを送れると思うので、いつかそんな後日談が聞ければいいな、と思っています。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」