「会議とかでありがたい」「イベントのメモにも良い」とTwitterで話題に ぺんてるの静音ボールペンの仕組みを聞いてみた(1/2 ページ)
使ってみたい……!
「静かなのでイベントなどのメモにも使える」として、ぺんてるの静音ボールペン「カルム」がTwitterで話題になっています。どんな仕組みなのでしょうか? ぺんてるに取材しました。
話題のきっかけになったのは、ルル【ぺんてる公式】(@pentel_lulu)が先日投稿した「弊社の静音ボールペン、『カフェやコワーキングスペースでの筆記に!』って打ち出してるけど、Twitterで『舞台やイベントのメモに良い』というお声をいくつかお見かけして目からうろこだったし、そういうメーカーが気付いていない使い方とか教えてもらえるの本当ありがたいと思う」というツイート。
この投稿に対してネット上では、「病院や薬局、接客業でも活躍しそう」「会議とかちょっと静かな時にノック音が気になるので凄いありがたいです!使ってます」といった声が寄せられました。こういうペンがあったのか……!
「カルム」は、ノック音を軽減した静音ボールペン。筆跡のボテを軽減し、書いた後に汚れにくいインキを使っているほか、カメラの持ち手のような革調グリップを採用してフィット感を向上。使う人も周りの人も、穏やかな気持ちで使える「人を中心に考えたあたらしいボールペン」としています。
編集部では「カルム」開発のきっかけや静音の仕組みについて、ぺんてるに話を聞きました。
――この商品を開発したきっかけは何ですか
ぺんてる 「油性ボールペンで新しい価値提案ができないか」という思いからスタートいたしました。人々が集中して物事を考える環境について検証を行う中で、ミレニアル世代とよばれる20代〜30代の方々に注目しました。
デジタルネイティブで、周囲とのつながりを重視したり、社会問題などにも意識したり、SNSでの評価社会に育った彼らは、自身の発する「音」の周囲への影響を気にしているのではないか、という仮説から商品開発を進めました。
書き手の集中を阻害せず、周囲の音になじむよう調律されたノック音、さらに、デザインや色、書き心地など、「日常の中で心地よく使えるボールペン」として開発・発売しました。
――他のボールペンと比較してどのくらい静かなのでしょうか
ぺんてる 単色ボールペンと多色・多機能ボールペンそれぞれに最適な異なる機構を開発、採用し、ボールペンのノック時の操作音を従来製品に比べて66%低減しました(※当社比、音圧パスカルでの比較)。
また、ノック作動時に手に感じる衝撃も和らげることで書きやすさを実現し、使用者の思考の負担を軽減しています。
――「カルム」は、どういう仕組みで静音なのでしょうか
ぺんてる 単色と多色・多機能ボールペンで異なる静音設計を採用しております。
カルムの単色ボールペンは、ノック時に動く回転子を摺動子(しゅうどうし)が上下の両方で受ける機構により、「カチッ」とういう衝突音を防いでいます。
また、通常のノック式ボールペンでは、ノック操作の途中から指の動きから離れて、バネ力のみで推進して壁に衝突し、音を発します。
カルムの単色ボールペンの機構も、バネ力でノック推進する点は同じですが、常に手の動きに追従する構造なので跳ねて衝突いたしません。そのため、手の動きに連動して、静かにペン先を出し入れする、今までにない感触での操作が可能になっています。
多色・多機能ボールペンは、後軸の上部に緩衝材を入れることで、ノック解除時の音を和らげています。緩衝材の素材や厚みは、静音ノックに最適になるようこだわり抜いて調整しています。
また、多色・多機能ボールペンでは、ボディが共振すると音が大きくなりますので、部品の成形精度や軸本体の剛性にも配慮して設計しています。
――ネットの反響についてどう思われましたか
ぺんてる SNSなどでユーザーの皆さまの使い方を拝見していると、日々、多くの驚きや発見があり、こちらが教わることばかりだと感じます。製品の持つさまざまな可能性を引き出してくださり、ありがとうございます。
今回、これをきっかけにカルムを知った方から、他にもこんなシーンで使いたいといったお声が寄せられ、さらに気付きが広がりました。このペンを必要とする方に情報が届き、お役に立てたのであればうれしいです。
なお、今回例に挙げさせていただいたような場面を含め、メモなどを取られる際はルールやマナーに則り、周りの方のご迷惑にならないようご配慮いただけますようお願いいたします。
――ぺんてるの今後の取り組みについて教えてください
ぺんてる 私たちは、1946年の創立以来、人々の「表現」にまつわる多様な道具をつくってきました。「感じるままに、想いをかたちにできる道具をつくり、表現するよろこびをはぐくみます。」というOur Visionは、常に私たちの信念であり続けています。
これからも多くの方にご愛用いただけるような、正解にとらわれず、思いのままに表現するための道具を生み出し、世界の人の手に届けていきたいと思います。
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